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機械制御

ハイブリッドブレーキ個々のブレーキ要素である磁性流体ブレーキ(MRB)と渦電流ブレーキ(ECB)の開発試作および着陸模擬試験

長野県

多摩川精機株式会社

2022年1月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 民間航空機に搭載可能な非接触ハイブリッドブレーキシステムの研究開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(メンテナンス回数の低減)
キーワード 非接触ブレーキ、高耐熱磁性流体、高トルク磁性流体、多板磁性流体ブレーキ、多板渦電流ブレーキ
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

従来の航空機に搭載されているブレーキは接触式であり、ブレーキの摩耗のため頻繁な点検と交換が必要であった。「民間航空機に搭載可能な非接触ハイブリッドブレーキシステム」という新しい技術を開発することで摩耗が少なく点検と交換頻度が延長されたブレーキシステムの構築のため、研究開発を行った。非接触ハイブリッドブレーキシステムの開発として、それぞれのブレーキがまだ研究開発段階であるため、個々のブレーキとしての要素開発を信州大学、ブレーキの試作試験を多摩川精機で分担して実施した。

開発した技術のポイント

・ハイブリッドブレーキ構造の開発
-試作評価が可能なサイズとして実機サイズの50%ハイブリッドブレーキモデルを活用
-ハイブリッドブレーキモデルのシミュレーションを個々のMRB、ECB単体で実施し目標仕様を決定
・MRBの開発
-高耐熱性の磁性流体の開発
-多板高トルクのアウターロータ型MRBを試作開発(ステータブレーキディスク内にコイルを配置した構造)
・ECBの開発
-銅(Cu)クラッド材によるECB高トルク化回転ディスクの開発
-高トルクのアウターロータ型ECBを試作開発(ロータを同心上に3個、ステータを2重にしてコイルを32個配置した構造)
-シーケンス制御とデータロギング機能を実装したECB 駆動装置を開発
・MRB、ECB 試験機の開発
-着陸運用を模擬したイナーシャ試験機を開発

MRB試作品
ECB試作品
具体的な成果

・ハイブリッドブレーキ構造の開発
-実機モデルでの再設計/再解析の結果、MRBとECBの各単体の性能として、通常着陸運用(SLO)の目途を付けた。
・MRBの開発
-高耐熱磁性流体(温度300℃以上)の開発に成功(目標300℃)
-試作品の評価で、ブレーキトルク:711Nmを得た(目標576Nm)
・ECBの開発
-CuクラッドディスクでAl単体ディスクの3.2倍のブレーキトルク達成(目標2倍)
-試作品の評価で、ブレーキトルク:164Nmを得た(目標576Nm)
・MRB、ECB 試験機の開発
-着陸運用を模擬できる能力を有した試験機の開発に成功
-MRB 並びに ECB 試作品について500回以上のSLO試験を実施し、ブレーキトルクの劣化が無いことを確認した。

知財出願や広報活動等の状況

特許
名称:磁性流体ブレーキ及びその制御方法
出願番号:特願2020-208268 
他2件準備中

研究開発成果の利用シーン

・非接触式のハイブリッドブレーキシステムとして、航空機で課題となっている煩雑で頻度の多いブレーキシステムのメンテナンス負荷を低減する。
 ブレーキ吸収エネルギーの大きな機体は放熱を向上させる追加研究が必要であるが、電動小型機には有用と考えられる。
・ハイブリッドブレーキシステムを構成するそれぞれの要素単体では、自動車用やFA用のブレーキとして展開できる可能性がある。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業化に向けて技術開発を進めるとともに、海外・国内の期待メーカへの紹介を開始

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・磁気結合ブレーキのため摩耗が少ない、特にECBは完全な非接触
・磁気結合ブレーキで機械的な可動部がない
・MRBとECBを併用することでそれぞれのメリットを生かせるブレーキシステムが構築できる

今後の実用化・事業化の見通し

・航空機の電動化が進むことをチャンスと捉え、海外の小型機メーカへの紹介を始めている。また、国内機体メーカとも、情報交換を行って来ており継続した取組みを行う
・非接触ブレーキの市場は、今回の研究開発のようにMRBやECBそれぞれの弱点を補填できるハイブリッドブレーキ市場に加えて、それぞれの特性を単体として活かせる市場も考えられる。自動車用やFA用のブレーキなど、市場を広く捉えることで顧客の掘り起こしを進めて行く

実用化・事業化にあたっての課題

・MRBおよびECBの高吸収エネルギーに起因する発熱対策、MRBの初期粘性トルクの低減および注入方法に向けた改良の必要性や、ECBのトルクアップに向けた磁気回路の改良および効率的にブレーキトルクを発生させる構造
・冗長性等の安全設計を考慮したブレーキシステムとしての設計検討

事業化に向けた提携や連携の希望

・航空機メーカ、搭載実績のあるメーカ及び参入メーカとの研究・製品開発。
・自動車・鉄道等の輸送機器メーカとの研究・製品開発。
・FA装置メーカとの研究・製品開発。
・その他用途開発。

プロジェクトの実施体制

サポイン事業者 多摩川精機株式会社 第一事業所・スペーストロニックス研究所 モータ技術課
事業管理機関 公益財団法人長野県テクノ財団 伊那テクノバレー地域センター
研究等実施機関 国立大学法人信州大学 工学部 航空宇宙システム研究拠点 航空機システム 菊池研究室 菊池良巳
アドバイザー 航空機関連メーカー

サポイン事業者 企業情報

企業名 多摩川精機株式会社(法人番号:6100001022548)
事業内容 電気機械器具製造業 サーボコンポーネント(エンコーダ・レゾルバ・レートセンサ・ジャイロ・ACサーボモータ・ドライバ・コントローラ・ステップモータ・シンクロ・LVDT等)、監視カメラシステム、慣性計測装置、自動制御機器、バイオ研究用試薬等の製造・販売
社員数 633 名
生産拠点 長野県飯田下伊那地域に3つの事業所と青森県八戸事業所に5工場、国内グループ8社、中国蘇州1社
本社所在地 〒395-8515 長野県飯田市大休1879番地
ホームページ https://www.tamagawa-seiki.co.jp
連絡先窓口 吉地 輝朗
メールアドレス teruo-kichiji@tamagawa-seiki.co.jp
電話番号 0265-21-1849