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機械制御

トランスミッションの切替動作でセレクト(X軸)とシフト(Y軸)、2方向の動きを1つの動力源で実現。

神奈川県

京浜精密工業株式会社

2022年1月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 駆動源単一化による小型・軽量、低コストのオートマチックマニュアルトランスミッション用ギア段自動切替装置の研究開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化
キーワード トランスミッション、切替、モーター、クラッチ、小型
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車のオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)は動力伝達効率が良いために、その普及拡大による地球温暖化抑止への貢献が期待される。
従来のAMT用ギア段自動切替装置は2個のモータ等を駆動源とするなど大型、質量大、高コストであった。
そこで、駆動源を単一のモータにしてギアの切替動作を高速に制御する装置を開発する。これにより、自動切替装置の大幅な小型・軽量化、低コスト化による普及拡大をはかる。

開発した技術のポイント

・小型・軽量化、低コスト化の課題への対応
-単一モータによる切替機構の設計・試作開発
-運動状態の可視化、シミュレーション技術の確立と制御への反映
-新機構、モータ、クラッチ、制御システムのマッチング評価・設計最適化
-低コスト化への対応
・応答性の課題への対応
-ブラシレスモータの開発
-クラッチの開発
-機構部・アクチュエータユニットの制御
・高耐久性、耐環境性の課題への対応
-機構、製品の安定性、信頼性保証技術の確立
-製品の耐久性保証技術の確立

KSK ワンモータ研究開発等報告書-概要版
具体的な成果

・小型・軽量化、低コスト化の実現
-専用のブラシレスモータを開発し装置のサイズ(容積)は3,771cm³ 、質量は 4.0kgを達成。
-低コスト化のため従来の工法に代わり塑性流動結合や塑性加工を開発し取入れた。
-従来別体であったシフト、セレクトセンサの一体化品を開発。

・応答性の向上
-運動解析と力学解析のためのモデルの導出を行い、運動・力学解析を実施。
-シミュレーション技術を確立し、フィードフォワード・フィードバック併用制御を採用。
-切替装置の応答時間はシフト100ms以下、セレクト 50ms以下を達成。

・高耐久性、耐環境性確保
-作動耐久試験にてセレクト380万回、シフト 600万回をクリア。
-切替装置に要求される耐環境試験の試験方法詳細を定め、振動耐久や耐環境試験をクリア。

KSK ワンモータGSU
知財出願や広報活動等の状況

今回の開発で各目標値を達成することができたので展示会でのPR活動を行っております。
具体的には公益社団法人自動車技術会が主催する人とくるまのテクノロジー展2021ONLINEに出展しました。会期は2021年5月26日(水)〜7月30日(金)で主催者より展示会への総来場登録者数は52,636名であった発表がありました。この展示会にて添付の製品パンフセットを公開しPRを行いました。
尚、本製品の開発にて2件の特許取得しております。
名称:変速操作機構 出願番号:特願2014ー097491 特許番号:特許6224517  
名称:変速操作機構 出願番号:特願2017-037349 特許番号:特許6747652

研究開発成果の利用シーン

従来の自動車のオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)用ギア段自動切替装置は2個のモータ等を駆動源とするなど大型、質量大、高コストでしたが、今回駆動源を単一のモータにしてギアの切替動作を高速に制御する装置を開発したことにより、自動切替装置の大幅な小型・軽量化、低コスト化を可能としております。
これにより、自動車に伝達効率の良いAMTの普及拡大を図り地球温暖化抑止への貢献ができます。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

自動車のオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)は動力伝達効率が良いために、その普及拡大による地球温暖化抑止への貢献が期待される。従来のAMT用ギア段自動切替装置は2個のモータ等を駆動源とするなど大型、質量大、高コストであった。そこで、駆動源を単一のモータにしてギアの切替動作を高速に制御する装置を開発する。これにより、自動切替装置の大幅な小型・軽量化、低コスト化による普及拡大をはかる

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・小型・軽量化、低コスト化の実現
-小型/軽量化では専用のブラシレスモータを開発。
 装置全体のサイズ(容積)は3,771cm³ 、質量は 4.0kg達成。
-低コスト化では従来の工法に代わり塑性流動結合や塑性加工を開発し取入れた。
 塑性流動結合については製品に必要な強度が得られていることを確認。更に従来別体であったシフト、セレクトセンサの一体化品を開発した。
・応答性の向上
-変位解析と力学解析のためのモデルの導出を行い、運動・力学解析を実施。
 シミュレーション技術を確立しフィードフォワード・フィードバック併用制御を採用。
-切替装置の応答時間
 シフト100ms以下、セレクト50ms以下を達成。
 シフト、セレクト、シフトの連続動作では目標250ms以下に対し215msを達成。
・高耐久性、耐環境性確保
-作動耐久試験にてセレクト380 万回、シフト600万回をクリアすることを確認。
-切替装置に要求される耐環境試験の試験方法詳細を定め、振動耐久や耐環境試験の評価を行ない問題の無いことを確認した。

今後の実用化・事業化の見通し

本開発と並行して本製品のターゲット市場となるインドの視察も行った。インドの市場では運転操作が容易なATを求めるニーズはあるものの車両価格が安価な MT車が主流であった。AT車はMT車と比較すると車両価格が高く、車両価格を抑えるためにもMT車に自動切替装置を搭載した車両が多く設定されていた。
切替装置とECUの一体化や更なる小型化の検討と、エンジンとトランスミッション間のクラッチの断続を行うクラッチアクチュエータの検討を開始し、事業化(量産化)の目標は乗用車用で2023 年度、商用車用では2024年度としている。

実用化・事業化にあたっての課題

今回の開発で各目標値を達成することができたので展示会でのPR活動を行っているが、その中で切替装置を動作させるための電子制御装置(ECU)が別体であると、ECUの設置場所の確保やこの間の配線も必要となってしまうことから、 より車両への搭載性を向上させるために、これらを一体化した製品を求める声や、更に乗用車用としては本切替装置と合わせエンジンとトランスミッション間のクラッチも断続できる装置も開発して一緒に提案して欲しいとの要望も上がっている。

事業化に向けた提携や連携の希望

事業化に際し切替装置と制御装置の一体化は重要なセールスポイントのため、自動車用の車載制御装置や電動アクチュエータを共同開発可能な企業を模索中。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 京浜精密工業株式会社 開発部
日邦電機株式会社 茅野工場
事業管理機関 公益財団法人栃木県産業振興センター 産業振興部 ものづくり産業振興グループ
研究等実施機関 京浜精密工業株式会社 開発部 部長 川目 信幸、技術顧問 村上 碩哉 開発部 設計G 係長 伏木 正明
日邦電機株式会社 茅野工場長 矢澤 康弘 販売事業部 システム開発 係長 長谷部 亮典
国立大学法人東京工業大学 工学院 教授 武田 行生、特任准教授 松浦 大輔
アドバイザー モーター技術コンサルタント田原和雄
東洋クラッチ株式会社
栃木県産業技術センター
株式会社ヤマショウ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 京浜精密工業株式会社(法人番号:8020001022959)
事業内容 自動車部品の製造
社員数 536 名
生産拠点 北海道工場(北海道),鹿沼工場(栃木県),大田原工場(栃木県),海外(インドネシア)
本社所在地 〒221-0014 神奈川県横浜市神奈川区入江2-12-4
ホームページ https://www.ksk-inc.co.jp/
連絡先窓口 京浜精密工業株式会社 開発部 部長 川目 信幸
メールアドレス nobuyuki-kawame@ksk-inc.co.jp
電話番号 0289-76-2141