研究開発された技術紹介

自動車や航空機メーカーは、急速な電子化によるワイヤーハーネスの複雑化及び急速なコストの増大に対する解決策としてフレキシブル基板(FPC)の採用を進めている。しかし、必要な配線長さが3～6メートルに対し、FPCの製造装置である露光機は60cmまでしか対応していない。これに対応できるロングサイズシームレス露光機の開発を実施する。

・円筒形ドラム露光ステージによる連続露光機械の開発
-円筒形ドラム搬送機構を活用し、円筒形ドラム露光ステージを開発
-CADデータを露光用のRIPデータに変換するために、長尺パターンのワークが描画可能な変換ソフトを開発
-メモリ上のデータをリアルタイムに入れ替えしつつ露光可能なレーザービーム制御ソフトを開発
・連続型ダイレクトイメージング装置の開発
-レーザーユニットの固有振動数を解析し、露光描画に影響しないレベルであることを確認

最大描画可能長さ ： 6000 mm
パターンの最大幅 ： 250 mm
最小配線パターン L/S（ライン/スペース） ： 50μm/50μm
最大露光速度 ： 30mm/秒

主な技術性能
・円筒形ドラム露光ステージによる搬送機構
ジッター：±5%以内
走行最大振れ幅：±0.5mm （10m において）
・キャリブレーション機構
機構全体の機械的再現性：±5μｍ

・令和元年12月3日に東京証券取引所兜クラブにて、製品説明会を実施し公式発表

自動車や航空機向けなど、今までよりも長く高精度なFPCを求められるシーンにおいて、組み立てや検査の負担を減少させ生産性を改善する。
また、ワイヤーハーネスよりも軽量化が可能であり、個別IDを付与することで品質管理の信頼性を向上できる。

更なるデータの蓄積や調整の必要性はあるものの、自動車向け仕様について製品化の目途がたったことから、令和元年12月3日に東京証券取引所兜クラブにて、製品説明会を実施し公式発表を行った。

・継ぎ接ぎではなく、ロングサイズ露光が可能なため高精度（従来は小さいFPCを継ぎ接ぎ加工のため高精度化不可）
・レーザー直接描画により個別IDの設定が可能（従来は原版使用のため個別IDの付与は不可）

・ヘッド間露光タイミングや各ヘッドのフォーカス位置など、更なるデータの蓄積並びに調整の必要性がある
・ワイヤーハーネス市場の世界市場は2025年には7兆5千億円規模になると予測されている
・これらが徐々にFPCに置き換わることで、2025年には7.0%の比率になり、売上規模としては97台、63億円程度と予測される

・ヘッド間露光タイミングの調整
・各ヘッドのフォーカス位置調整
上記の点などについてさらなるデータの蓄積や調整の必要性がある。