複合・新機能材料
洗っても縮まず毛玉の出来ないウールのシームレスインナー製品の開発
山形県
佐藤繊維株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 防縮性と抗ピリング性をあわせ持つウールによる縫い目のないインナー製品の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | アパレル |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 防縮性、抗ピリング性、ウール、シームレス、インナー |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
市販の洗えるウールのニット製品は、塩素剤や樹脂コーティングの加工が施され、天然の機能性や、風合い、柔らかさに欠けている。また、抗ピリング性が低いため毛玉が発生し、見栄えや着心地が劣っている。本事業では、非塩素系の酸化還元処理を行ったウールを使用し、紡績・染色・編立の各工程のおいて技術開発を行い、防縮と抗ピリング性を併せ持つウールのインナー製品の低コスト・量産技術を実現する。
開発した技術のポイント
・スケールを保持した防縮ウール糸の開発
-コーマ処理による紡績糸の高品質化
-編成及び染色に対応した撚糸条件の確立
-チーズ染色機によるノンプレス染色加工
・防縮、抗ピリング無縫製インナーの開発
-防縮性と風合いを両立させる整理加工の研究
-酸化還元ウールの構造解析と特性評価
-無縫製インナーの企画とパターン研究
具体的な成果
・スケールを保持した防縮ウール糸の開発
-紡績糸の高品質化により歩留り96%、稼働率90kg/日を達成。
-撚糸条件の確立によりスワッチの斜行3度、糸切れ率15本/1000SHを達成。
-ノンプレス染色加工により、染色堅ろう度3-4級以上を達成。
・防縮・抗ピリング無縫製インナー製品の開発
-整理加工により、寸法変化面積0.4%、ピリング4.5級を達成。
-酸化還元ウールに関する構造解析と特性評価11項目を実施。
-無縫製インナー製品の企画開発により、試作品30着作製。
知財出願や広報活動等の状況
・令和2年2月27日、本事業の成果物として特許「表皮特性を改良した羊毛及びこれを用いて形成した糸並びに繊維製品」(特願2020-031547)を出願した。
・佐藤繊維株式会社が毎年出展している国内外の展示会等(NY、パリ、フィレンツェ、上海、東京・大阪はシーズン毎に開催)
研究開発成果の利用シーン
家庭での利用に容易なインナー等。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
コストと量産対応についての課題を解決し、自社ブランドやOEM供給を通して事業化する。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
塩素剤や樹脂コーティングを使わない酸化還元処理のウールを採用した洗えるニットのインナーである。天然ウールの機能性(撥水性、保湿性、温度調節、抗菌・防臭性)や風合い、柔らかさに優れており、防縮・抗ピリング性を併せ持っているため、家庭で洗濯が可能で、環境に優しい製品である。
今後の実用化・事業化の見通し
佐藤繊維株式会社の自社ブランドとして販売することが一番近道であるが、大手アパレルからOEM生産の引き合いもある。「メイドインジャパン」に拘って作られ、感性豊かな本物志向の顧客をターゲットとして、日常着に加えてアウトドア、スポーツシーンでの着用も想定している。今後、佐藤繊維株式会社が毎年出展している国内外の展示会等(NY、パリ、フィレンツェ、上海、東京・大阪はシーズン毎に開催)において、自社ブランドとOEMの両面で販路拡大を図っていく。店舗に加えて、オンラインショップによる販売にも注力していく予定。
実用化・事業化にあたっての課題
・コストの問題、中価格帯の店頭価格がターゲット。
・量産体制に入った場合の品質維持。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 佐藤繊維株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまがた産業支援機構 佐藤繊維株式会社 |
研究等実施機関 | 山形県工業技術センター 山形整染株式会社 |
アドバイザー | 株式会社アダストリア 株式会社パル 株式会社ゴールドウイン 国立大学法人 山形大学 株式会社山形銀行 高橋技術士事務所 安部技術士事務所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 佐藤繊維株式会社(法人番号:8390001011784) |
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事業内容 | 紡績業・ニット製品製造業 |
社員数 | 234 名 |
生産拠点 | 山形県寒河江市に、本社工場、三泉工場、第2工場を保有。 |
本社所在地 | 〒991-0053 山形県寒河江市元町1-19-1 |
ホームページ | http://www.satoseni.com |
連絡先窓口 | 佐藤繊維株式会社 取締役経営企画室長 古城信一 |
メールアドレス | kogimail@mmy.ne.jp |
電話番号 | 0237-86-3134 |
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