接合・実装
マイクロLEDディスプレイは、液晶や有機ELに対して消費電力が1/3以下、コントラストが3倍以上、応答速度が10倍以上あり、次世代の小型携帯用端末等へ採用が検討されている。問題は、ディスプレイパネル上に数十~百万個の50μm以下のRGB三種のLEDチップを1~2分で実装する技術が無いことである。本研究開発では、自己集積化技術の原理を使い、超高速にLEDをパネル上に一括で接合する技術を開発する。
宮城県
東北マイクロテック株式会社
2021年2月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マイクロLEDディスプレイの低価格製造技術の研究開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、スマート家電、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 自己集積化技術、ピッチ変換技術 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
マイクロLEDディスプレイは、液晶や有機ELに対して消費電力が1/3以下、コントラストが3倍以上、応答速度が10倍以上あり、次世代の小型携帯用端末等へ採用が検討されている。問題は、ディスプレイパネル上に数十~百万個の50μm以下のRGB三種のLEDチップを1~2分で実装する技術が無いことである。本研究開発では、自己集積化技術の原理を使い、超高速にLEDをパネル上に一括で接合する技術を開発する。
開発した技術のポイント
・整列転写したマイクロLEDのピッチ拡大技術
-テープの伸び方向の異方性を補正することができる。
-ピッチ変換で相対的位置にずれが生じるが、後のプロセスで補正できる。
・高歩留りボンディング技術
-Daisy Chain TEGを用いた評価では、接合歩留まりが99%以上となる。
・高速高精度再配置技術
-自己集積化技術により、200 チップ以上のLED チップをピックアップして±5 μm以下の精度で再配置することができる。
・集積化技術を通した効果の確認
-集積化プロセスにおける各ユニットプロセスのスループットはほぼ確実に40秒以内となる(シミュレーションによる確認)。
具体的な成果
・整列転写したマイクロLEDのピッチ拡大技術の開発
-テープの伸び方向の異方性を補正する手法を考案した。
-ピッチ変換で相対的位置にずれが生じるが後のプロセスで補正できることが分かった。
・高歩留りボンディング技術の開発
-歩留まり評価用TEG設計・試作を行い、接合歩留まり99%以上が確保できた。
・高速高精度再配置技術の開発
-自己集積化技術を使い、 200 チップ以上のLED チップをピックアップし、±5 μm以下の精度で再配置できることを確認した。
・集積化技術を通した効果の確認
-集積化プロセスをユニットプロセスに分解し、それぞれのスループットが40秒以内になることをシミュレーションで確認した。
・半導体市場等調査
-マイクロLEDディスプレイに関する決定的な製造技術はまだ出ていないことが分かった。
-現在提案されている高速積層技術には一長一短があり、マイクロLEDの微細化に完全に対応できているものはないことが分かった。
知財出願や広報活動等の状況
特許2件出願
特願2018-169040 (2018/9/10出願)
”μ-LEDアレイの製造方法、及びμ-LEDディスプレイの製造方法、並びにμ-LEDアレイ及びμ-LEDディスプレイ”
特願2018-198691 (2018/10/22出願)”延伸装置、及び延伸方法”
研究開発成果の利用シーン
開発した自己集積化技術に基づく一括接合技術により、マイクロLEDディスプレイを低価格で高速に製造することが可能となる。開発した技術を使用した製造装置の作製も可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
Pjスタート時点では、LEDウェハからピックアップして①ピッチ変換、②ピックアップツールに仮固定③自己集積化による再構成ウェハに転写というプロセスを想定していた。
LEDメーカとのコンタクトにより、相手が本当に必要としている技術・仕様、競合の技術・状況がタイムリーに入ってきている。この情報を基に本プロジェクトの目標について修正し、実際の製造ビジネスに即した対応ができている。
提携可能な製品・サービス内容
製造装置
製品・サービスのPRポイント
自己集積化技術の原理を使うことで、LEDをディスプレイパネル上に高速で一括接合することができるようになり、マイクロLEDディスプレイを安価で高速に製造することが可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
開発した技術を用いたマイクロLEDディスプレイの製造装置を作製する。
実用化・事業化にあたっての課題
開発した技術を適用する場合には、集積化プロセスの前の状態及び後の状態(例えば粘着テープ上に配置するか、パネル上に仮接着するか)や目標の情報を入手後、実際の製造プロセスラインに合わせて最適化する必要がある。
事業化に向けた提携や連携の希望
複数社と既に連携して装置開発中である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東北マイクロテック株式会社 |
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事業管理機関 | 東北マイクロテック株式会社 |
研究等実施機関 | 東北マイクロテック株式会社 技術研究部 国立大学法人東北大学 未来科学技術共同研究センター |
アドバイザー | 東北大学大学院 医工学研究科 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東北マイクロテック株式会社(法人番号:5370001019188) |
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事業内容 | 半導体製造業 |
社員数 | 19 名 |
生産拠点 | 3D-IC製造拠点(宮城県多賀城市) |
本社所在地 | 〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz203 |
ホームページ | http://www.t-microtec.com/ |
連絡先窓口 | 東北マイクロテック株式会社 菊地 真理子 |
メールアドレス | m.kikuchi@t-microtec.com |
電話番号 | 022-398-6264 |
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