文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 再生可能エネルギーなどの複数の直流電力を、直流のまま融通可能な電力変換技術の実用化

機械制御

再生可能エネルギーなどの複数の直流電力を、直流のまま融通可能な電力変換技術の実用化

京都府

株式会社アイケイエス

2023年2月14日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 直流電力変換装置の高効率・省エネ化の実用化研究
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車、産業機械、情報通信、電池、半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(直流制御によるエネルギー効率の大幅改善)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 電力変換高効率化、電力制御の安定化、電力融通
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

電力変換において、実用化の課題は、応答速度を速くして制御を安定化させることと、高効率の電力変換である。本テーマでは、直流電力の400V⇔300V変換時の双方向制御安定化と、400V→48V,100Vへの変換時の高効率化の研究を行う。この制御安定化と高効率電力変換においては、トランスなどの関連部品と回路設計の最適化と高速制御に対応するプログラムが必要である。実用化に向けてこれら要素技術を基盤とした、電力変換装置の全体設計が非常に重要である。

従来技術と新技術
開発した技術のポイント

・SiCデバイスを用いたPWM制御信号の高分解能化およびMVY字ルータの3レベル制御アルゴリズムを開発し、DC400V/DC300Vという電圧差のある入出力間での電力変換において、設計目標の応答速度10ms以下となる9msを達成した。
・LVY字ルータにおいてトランス/リアクトルの設計を行い、DC400VからDC100VやDC48Vへの変換時の安定性等の検証を実施した。トランス/リアクトルは安定動作し、リップル電流も出力電圧±2.5%p-pに収まり機器への影響が無いことを確認した。

PWM制御信号の高分解能化イメージ
LVY字ルータ回路ブロック図
具体的な成果

・電力変換装置の制御安定化への課題
‐3レベル制御アルゴリズムの構築を行い、複数の電圧における電力変換での制御安定化の見通しを得た。
‐応答速度9msを実現し、当初開発目的であった10ms以下を満足する結果を得た。
‐早期商用化を見据え、フィールド実証にも適用可能な屋外設置型(IP44)として開発し、実証に向けた準備を完了した。

・電圧変動可能なLVY字ルータの開発と評価、検証
‐今後普及する再エネ/蓄電システムの幅広い電圧に対応可能な、電力変換装置および制御アルゴリズムの構築を完了した。
‐DC400VからDC100V/DC48Vへの電力変換において安定した出力特性を得た。

応答特性確認結果
LVY字ルータ制御安定性確認結果
知財出願や広報活動等の状況

基本特許は本事業開始前に取得済みであり、本事業期間内において新規の知財の出願はしていない。

研究開発成果の利用シーン

蓄電池や太陽光発電など、すでに普及している再生可能エネルギー・自然エネルギーを、直流のまま電力融通を行う直流マイクログリッドのためのキーテクノロジーとなる。
遠距離、大電力の供給は交流で行い、今後普及が見込まれるエネルギーの分散化・地産地消においては効率の良い直流での利用が見込まれる。

目標とする電力システム網と電力融通方法

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・電力変換装置の制御安定化の課題への対応および電圧変動に対応可能なLVY字ルータの開発と評価、検証について、いずれもフィールド実証に適用可能な見通しを得た。
・令和3年度は、既存製品のI_DENCONシリーズに30kW機も追加しラインナップを充実させ、販売台数も22台と前年比倍増している。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・DC300V⇔DC400Vの電力変換制御については、定置型蓄電池や太陽光発電等の具体的なアプリケーションとしては必須であるが、高速安定制御することで直流電力の急激な変動に対応できる。
・LVY字ルータによるDC400V→DC48V、100Vへの電力変換において、安定動作を検証している。

今後の実用化・事業化の見通し

・フィールド実証先の選定と実証シナリオの検討を進め、早期にフィールド実証による実績を積み、製品化に向けた改善に取り組む。
・さらなる小型化を進める技術検討も同時に行う。
・既存製品のI_DENCONの普及を先行を進めて、直流グリッド対応可能な市場を広げ、LVY字ルータ・MVY字ルータの普及につなげる。

実用化・事業化にあたっての課題

・LVY字ルータでリアクトルのピーク電流による発熱が大きく、DC100V時に電力が小さくなったため、量産化に向けてリアクトルの最適化を行う必要がある。

事業化に向けた提携や連携の希望

本事業での成果である高速制御技術のさらなる高周波化を進めており、実用化に適した電力変換器の普及が必要と考えている。
事業化において具体的なアプリケーションを提案いただける企業様と技術交流を図って行きたい。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アイケイエス
事業管理機関 公益財団法人京都高度技術研究所
研究等実施機関 株式会社ITM
アドバイザー 京都工芸繊維大学 門教授
アクセルジョイン 高山

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アイケイエス(法人番号:1130001025940)
事業内容 充放電装置の設計、製造販売、2次電池の保護回路の設計、2次電池バッテリーパックの設計及び製作、工場設計及び自動化設計、各種コンピュータシステムの設計
社員数 12 名
生産拠点 京都府久世郡久御山町下津屋富ノ城72 株式会社ITM
本社所在地 〒604-0845 京都府京都市中京区烏丸通御池上ル二条殿町538ヤサカ烏丸御池3F
ホームページ https://iks-jp.co.jp/
連絡先窓口 株式会社アイケイエス 営業部 芝崎 恒嘉
メールアドレス shibasaki@applecenter.co.jp
電話番号 075-251-8511