測定計測
小径精密穴測定をデジタルインライン計測をし、加工中の刃物や工具などの摩耗状況をリアルタイムで監視する
神奈川県
株式会社KMC
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | インライン小径穴自動測定M2MシステムとIoT・AI品質評価一体システムの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、情報通信、スマート家電、工作機械、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 高感度高精度センサープローブ、IoTデータリアルタイム収集装置、センシングシステム、圧力変換エア回路、インライン複数測定システム |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車・航空機の最先端技術を支える穴加工はその精度を保証する小径精密穴測定をデジタル化インライン化できず悩まされてきた。安価でインラインでのデジタル測定を可能とすることで、全数検査対応および、計測の自動化が可能となり、加工精度を全数保証するとともに、その測定データによって加工中の刃物、工具などの摩耗状況をリアルタイムで監視して、AI機能で予知予防の傾向分析を実現する、「AI分析システム」を開発する
開発した技術のポイント
・測定プローブの研究
-穴径1〜3mm程度では、エアーマイクロ技術をさらに発展させた仕組みを用いた基礎試験中である。測定穴の断面とプローブのクリアランスを制御し、ロボット挿入を実現するために検討中である。
-穴径1~0.5mmの測定方法について、ゲージの外部からエアーを供給する技法を用いる。従来はゲージ内部からエアーを出しているので新しい技術であり、すでに試作試験を行い原理の有効性を確認している。
・極小穴径測定インライン化
-測定方法として断面積から直径を算出する基本的な概念に基づき間接測定法を用いる方式の原理確認が出来ている。エアーの流量で算出できる技術で試作試験を行って有効性を十分に確認した。
・IoT、M2M、システムソフトウエア研究
-測定検査工程も含めた総合的なIoTシステムを実現した。エアーマイクロ技術を用いた新たな新技術の研究とその測定用規格通信方式(ZigBee)を用いつつデータを高速に通信する高度化ソフトウエアの検討が済んだ。
具体的な成果
・小径を測定するセンサープロー装置の設計と治具の設計
-測定精度は1㎛以下を確保し、目標達成した。
・プローブと測定対象のクリアランスを確保
-目標40μm以上に対して多点calibrationにより、50μm程度に拡大できた。
・測定感度向上における測定速度の高速化開発
-測定速度の目標1秒以下を達成した。
・寸法(流量)-圧力変換エア回路の開発
-回路シミュレーション、仕様検討、3Dプリンターによる試作評価を実施した。1台で2個のデータ収集を可能とするアンプを開発した。
・通信技術を用いてリアルタイムでデータ送信開発
-目標としていた10台以上のアンプから、大容量のデータを同時に収集し、処理できた。
・大容量データのリアルタイム表示システムと閾値管理ソフトウエアの開発
-10台のアンプから30点の測定データを同時に表示し、閾値管理を可能にした。
・インライン複数測定システムの開発
-現実的な自動化に対する自動測定に問題ないことを実証した。
知財出願や広報活動等の状況
監視システム、監視方法及びプログラム (特願 2020 054513)
無線センサシステム、センサタグ及び親タグ (特願 2020 048695)
研究開発成果の利用シーン
本技術によって、安価でインラインでの高精度デジタル測定を可能とする。
高精度穴径の全数検査対応および、計測の自動化が可能となる。
加工精度を全数保証するとともに、その測定データによって加工中の刃物、工具などの摩耗状況をリアルタイムで監視して、予知予防に活かす。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化の段階としては、まだ基本構造を創り、試作を終えた段階である。
当面はこれまでの研究メンバー体制を維持し、商品化に向けてスピードを早めながら、柔軟に商品形成させ、上市させていく。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
インラインで高精度穴の自動検査を可能とする技術である。
人の手に頼らずに高精度に穴径を測定できるので、測定精度向上と人件費削減、人手不足解決を実現できる。
今後の実用化・事業化の見通し
1~2年は、既存顧客を中心とする特定ユーザー(車・電機メーカー)の現場に持ち込み、ユーザー目線での助言を必要スペックとして正確に反映させながら、不具合等の確認、操作性の向上、機能付加等を推し進め、実用商品として達成する。
3年後からは、全国営業の代理店等の外部協力を前提に、拡販していく。
今後の実用開発から、その後に商品として販売できるまでの収益回収期間(リードタイム)として1~2年程度を見込んでいる。
経費の主体は人件費であり、追加の設備投資などはないと見込んでいる 。
量産段階に至っては、資金繰りを鑑みながら、株式会社日本政策金融公庫に長期の融資を申し入れる予定である。
日常の営業活動や展示会等を通じて、見込客を集めておきながら3年後を目途に一気に事業化させる。その後は、導入先のケイレツ等に販売する。
実用化・事業化にあたっての課題
小径穴の自動測定については今後客先への貸し出し等を積極的に行って知名度を上げていく必要がある。
研究課題は、さらなる設定のしやすさや、ユーザーライクな画面構成など製品化に向けたブラッシュアップが必要である。
製品パッケージとしてセキュリティーの問題も解決する必要がある。
AI化においては当面は沢山のユーザーセキュリティーの問題を解決するために、沢山のユーザーテストを行ってさらなる精度向上に努めていく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社KMC 株式会社第一測範製作所 |
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事業管理機関 | 株式会社ケイエスピー インキュベート・投資事業部 |
研究等実施機関 | 株式会社KMC 株式会社第一測範製作所 |
アドバイザー | コニカミノルタメカトロニクス株式会社 杉原 誠 アルパインマニュファクチャリン株式会社 水野 信義 アルプスアルパイン株式会社 佐藤 力 芝浦工業大学 岡本 史紀 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社KMC(法人番号:4020001084375) |
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事業内容 | ソフトウェア開発、M2M機器開発、販売、技術コンサルティング等 |
社員数 | 20 名 |
生産拠点 | 神奈川県川崎市かながわサイエンスパーク(KSP)内 |
本社所在地 | 〒213-0012 神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1KSP西304 |
ホームページ | http://kmc-j.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社 KMC 安部新一 |
メールアドレス | s.abe@kmc-j.com |
電話番号 | 044-322-0400 |
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