複合・新機能材料
誘電特性/平滑性/透明性が高いCOP基材と不透過波長域に反応するフォトレジストと塗布した箇所のみにメッキが析出するプライマーを用いて高周波/高速伝送を可能とする両面配線シートの開発
東京都
株式会社寺田
2023年2月5日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 透明基材を用いた高周波デバイス対応両面配線プロセス形成技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、情報通信、スマート家電、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮 |
キーワード | 高周波、低誘電、透明、プライマー、フルアディティブ |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高速伝送化と意匠性に対応するため、透明性と誘電特性に優れるCOP基材の不透過波長領域に反応するフォトレジストと、塗布したところにだけめっきが析出するめっきプライマーインクを用いて高周波領域に必要な平坦度が持てるシートの開発、および短波長領域以下対応露光器開発により配線を行い、高速伝送を可能とする高精細かつ誘電特性に優れ、透過率が高く、COPへの密着性が高い両面配線プロセス形成技術を確立する。
開発した技術のポイント
・COPフィルムを基材に用いた高周波対応シート化検証
-COPフィルム基材上へのフルアディティブ法による回路形成
-プライマーを基材へ定着支えるための界面処理方法とプライマーに用いる材質の組み合わせの最適化
-COP不透過波長帯に反応するフォトレジストの選定
・COP基材に対応する両面微細露光装置の開発
-COPが透過するUV光源の波長域をカットできるフィルタの研究及び光源検討
-フォトレジストに反応しない波長帯域を用いた光源の選定
具体的な成果
-フィルム基材シート
-伝送損失S21:L54 -2.8dB @20GHz(100mmMSL)
-導体ピール強度: 5.5N/cm
-透過色度: b*0.8以下
-可視光線透過率: 87%以上
-Haze: 0.7%以下
-露光機
-解像度: 2±0.2μm
-表裏導体位置精度: 18μm以内
-UVフィルター機能: 365nm以上の紫外線カット
知財出願や広報活動等の状況
加工条件に多くのノウハウがあることから非公開技術にする。定期的に技術の棚卸しを行い特許化したほうが得策なものは早急に権利化へ動く。他社特許については宮城県産業技術総合センターの知財コーディネーターにも協力いただき注視していく。
研究開発成果の利用シーン
次世代移動通信5G用のアンテナはもとより 自動運転には欠かせない衝突回避目的で採用されているミリ波レーダ用アンテナを「透明化」でき、アンテナ設置場所の制限が大きく緩和される。さらに透明化されたフィルムアンテナは窓ガラスや建屋壁面に設置しても景観を損なわないので 場所を選ばずスモールセル基地局を多数設置することが容易になるメリットがある。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
供給を期待されている顧客を中心に令和3年6月にプライベートショーを開催。同年10月には一般社団法人日本電子回路工業会主催のJPCASHOWに出展。開発成果を発表すると同時にマーケティング領域を拡大。顧客側の評価期間や量産準備期間を鑑みて2024年以降の売り上げ計画を策定。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
次世代移動通信5G用のアンテナはもとより 自動運転には欠かせない衝突回避目的で採用されているミリ波レーダ用アンテナを「透明化」でき、アンテナ設置場所の制限が大きく緩和される。さらに透明化されたフィルムアンテナは窓ガラスや建屋壁面に設置しても景観を損なわないので 場所を選ばずスモールセル基地局を多数設置することが容易になるメリットがある。
今後の実用化・事業化の見通し
顧客側の評価機関や量産準備期間を鑑みて2024年以降の売り上げ計画を策定。基地局用及び車載用向けをターゲットとしている。また、川下企業(顧客)では5G対応アンテナ形成技術の早期確立およびこの技術を転用した応用商品の開発協力を切望されている。
実用化・事業化にあたっての課題
早急な技術体制の確立。顧客も開発ステージにある要素を含む分野であり、フィールド検証にてニーズの変化が起こる可能性があるため。
事業化に向けた提携や連携の希望
今後 5G/6G通信基地局、自動運転、車載ミリ波レーダー、セキュリティゲート、メタサーフェスなどワールドワイドで大きな需要が見込まれており、事業化を見据えた形で販路拡販を進めております。国内/海外のお客様より設計/試作等の引き合いを頂いている状況で、今後 量産化を見据えた場合、水平分業化を検討しており協業体制を構築する構想です。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社寺田 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 産業育成支援部地域連携推進課 |
研究等実施機関 | 株式会社 丸和製作所 宮城県産業技術総合センター 国立大学法人東北大学 材料科学高等研究所 ジュニア主任研究者 准教授 藪 浩 |
アドバイザー | 株式会社イオックス |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社寺田(法人番号:7010401018922) |
---|---|
事業内容 | ・高機能ポリマー事業・・自社製品のエポキシ樹脂(テラダイト)の研究/製造/販売 ・化学品事業・・高耐熱/高放熱材料の開発 ・電子材料事業・・プリント基板積層材量、ドリル/ルーター、各種テープ販売 ・複合材事業・・ウレタンボード、CFRP関連材料販売 |
社員数 | 70 名 |
生産拠点 | 茨城県常総市 |
本社所在地 | 〒105-0011 東京都港区芝公園2-3-3 |
ホームページ | https://www.trd.co.jp |
連絡先窓口 | 株式会社寺田 本社営業部 関口 博志 |
メールアドレス | hiroshi.sekiguchi@trd.co.jp |
電話番号 | 03-3431-8211 |
研究開発された技術を探す