機械制御
点字エンボスプレス加工が可能な超精密プレス装置による視覚障がい者用の市販薬等の外箱パッケージ(紙)の「点字表示」
富山県
丸栄運輸機工株式会社
2020年4月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 紙パッケージへの点字エンボス連続打刻用の偏心カム機構及びトグル機構を用いた高出力・高速超精密プレス装置の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、スマート家電、半導体、工作機械、印刷・情報記録、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
製薬産業では、市販薬等の外箱パッケージ(紙)に視覚障害者に供するための「点字表示」を施したいとのニーズが急増している。従来、インクの厚盛りによる印刷加工法や、通常のプレス加工が行われていたが、高さ不足、破れ等の欠点があったほか、コスト高や量産に向かないなどの問題があった。本計画では超精密プレス装置の高出力化・高速化を図り、紙パッケージ上への点字エンボス加工を高速・連続で行う技術を確立する
開発した技術のポイント
偏心カム機構及びトグル機構の構成部品の材質及び設計の最適化による「高出力化・高速化」、油圧空圧を用いない電気制御のみの仕様とし、加工現場における省電力化・低騒音・低振動化を実現
(新技術)
点字エンボスプレス加工が可能な超精密プレス装置(偏心カム機構及びトグル機構の最適化)
(新技術の特徴)
装置の高出力化・高速化、コスト低減、パッケージの量産化が期待できる
具体的な成果
・JIS規格に適合した点字エンボスを複数同時に、高速かつ連続で打刻できる機能を有した高出力
・高速超精密プレス機(以下、テストプレス機)を開発した
・従来の偏心カム機構及びトグル機構を用いたプレス機に対し、「テストプレス機」の目標値である出力(加圧能力)を3倍の1,500kN(目標値3倍)に向上、並びにプレス機のテスト結果を自動的にデータベース化する下死点位置測定精度:1μm、加圧測定分解能:1kN単位(目標値1μm、1kN)の測定精度を達成した
・「テストプレス機」のプレススピード5,000回/h(目標値5,000回/h)、運転時の下死点位置の誤差10μm以内、加圧能力の誤差2%以内(目標値10μm以内、2%以内)を達成した
・単位必要モータ容量当たり加圧能力は1.7倍(目標値2.3倍)まで達成した
・点字エンボス加工は、JIS規格範囲である、点字高さ0.3mm(目標値0.3~0.5mm)点字直径1.5mm(目標値1.3~1.7mm)を実現した
・12面付け量産プレススピード3,600回/h(目標値5,000回/h)達成
・以上により、従来実験実績比で生産性を17倍に向上を達成した(目標値17倍)
研究開発成果の利用シーン
型抜きとJIS規格に適合した点字エンボスを複数同時に、高速かつ連続で打刻可能な超高出力・高速超精密プレス機
実用化・事業化の状況
製品・サービスのPRポイント
・正確な点字エンボスの付いたパッケージを低コストで量産が可能
・高精度な下死点位置制御でフィルムのハーフカットなど、材料加工分野・半導体関連分野など多用途で応用可能
今後の実用化・事業化の見通し
正確な点字エンボスの付いたパッケージを低コストかつ量産供給するため、点字エンボスプレス加工が可能な超精密プレス装置の導入に向けて活動する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 丸栄運輸機工株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人富山県新世紀産業機構 |
研究等実施機関 | 株式会社フロンティア コンチネンタル株式会社 富山県産業技術研究開発センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 丸栄運輸機工株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 〒939-2723 富山県富山市婦中町萩島3253番地 |
研究開発された技術を探す