機械制御
低騒音化と生産工程の改善を満足する「すぐばかさ歯車」の連続創成研削方法
岐阜県
岐阜ギヤー工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | すぐばかさ歯車の低騒音化を実現するバレル形ねじ状砥石を用いた低コスト・高能率連続創成研削技術の開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
工作機械及び産業機械等の動力伝達装置における騒音・振動低減のため、重要部品である「すぐばかさ歯車の低コスト・高能率研削技術」の開発が強く望まれている。本研究開発では、世界初のバレル形ねじ状砥石を用いた高能率な連続創成研削技術及び、多品種少量生産に対応した砥石成形技術を開発することで、低コスト・高能率研削を可能とし、低コストと省エネを両立した「国際競争に勝てる次世代型マシン」の実現に貢献する
開発した技術のポイント
「すぐばかさ歯車」を対象に世界初のバレル形ねじ状砥石を用いた高能率な連続創成研削技術、多品種少量生産に対応した砥石成形技術による低コストと省エネを両立
(新技術)
バレル形ねじ状砥石を用いた連続創成研削、砥石成形技術
(新技術の特徴)
低コストと省エネを両立
具体的な成果
・仕上げピッチ精度:JISB1704で2級以上目標→0級
・面粗度Ra0.6目標→Ra0.4
・騒音、振動10%低減目標→61.8dbから44.2dbに騒音低減し振動低減
・1歯あたりの歯当たり面積10%向上達成
・歯当たり面積のばらつき10%程度向上達成
・既存の「すぐばかさ歯車精度評価」とは異なる手法での比較ができた
・「すぐばかさ歯車」における歯面形状を絶対値評価により歯面研削状況を把握でき、加工技術の向上を測れた
・「すぐばかさ歯車」対単体での噛み合い状態を測定し、実際に駆動させて音や振動を測定することで、歯車の総合的な評価を行うことができたため、今後は量産した歯車の評価について対応できる手法についても検討したい
・従来「すぐばかさ歯車」が駆動している際の歯面形状の把握が難しかったが、フォトグラメトリーを使用して非接触観察に成功し、「すぐばかさ歯車」対の組み立て距離、組み立て角度及び、不可能であった砥石成形精度も非接触での形状測定に成功した
・連続創成研削3Dシミュレーションにより、特殊形状砥石成形技術が確立され加工前に歯面形成状況が把握でき、加工効率向上が図れた
・歯車の性能評価全般について、駆動装置を用い、噛み合いや音や振動の測定による評価手法を確立した
研究開発成果の利用シーン
・高能率連続創成研削方法及び、多品種少量生産に対応した砥石成形技術
・連続創成加工シミュレーション
実用化・事業化の状況
製品・サービスのPRポイント
・連続創成研削による「すぐばかさ歯車」の安価な精度向上
‐精度:JISB17040級、面粗度Ra0.6以下、一般的な切削仕上げに対し騒音・振動15%低減
・低コスト・高能率研削が可能
・非接触による3次元形状測定が可能
今後の実用化・事業化の見通し
・今後は実証事例を増やすことができるような開発の効率化、実用化ベースの試作開発を実施して、ビジネスモデルを構築
・当技術を盛り込んだ「ギヤボックス」及び「ドレッシングユニット」の販売に関しては、新しい連続創成研削技術による「賃加工」での実績向上を図ったうえ新たな計画を策定し実行し、本技術のレベルアップを行うことで、より高精度で安価な工法の確立を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 岐阜ギヤー工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 学校法人芝浦工業大学 名古屋市工業研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 岐阜ギヤー工業株式会社 |
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本社所在地 | 岐阜県岐阜市宇佐南2-2-2 |
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