バイオ
医薬品の精製コスト半減を目指した高効率クロマトグラフィーカラムと連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置の開発
京都府
株式会社ヤナコ機器開発研究所
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低コストなタンパク質の精製を実現するための装置開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、化学品製造 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
治療薬や診断薬などに広く応用されているタンパク質の開発において、タンパク質の構造決定、機能の効果の実証などのために数10MGから数Gの量のタンパク質の製造は必須の過程となっている。この過程での目的のタンパク質と宿主由来の夾雑物を分別・純化する分離・精製のプロセスのコストを1/2以下に低減することが可能な「連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置」および高効率クロマトグラフィーカラムの開発を行う
開発した技術のポイント
高効率クロマトグラフィーカラム及び「連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置」の開発
・低コスト化→細胞培養によるタンパク質製造におけるタンパク質の分離・精製コストを半減、新開発の連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置を競争的な価格に
・小型化→タンパク質精製用シリカモノリスカラムのサイズを1/10以下に
(新技術)
<連続式(超小型モノリス×3>
(特徴)
・低コスト
・小型
具体的な成果
・タンパク質精製用及びカートリッジ型シリカモノリスカラムの開発
-各種最適化技術により、試作したカラムは、従来の粒子充填カラム比で10倍の処理能力(1/10のカラム体積で同じ処理能力)があることを実証し、目標達成
-カラム容量が1、5、10mlのカートリッジ型シリカモノリスカラムを開発。性能を低下させずにカラムコストを低減可能とし、目標達成
・「連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置」の開発と性能評価
-「連続プロセス型液体クロマトグラフィー装置」を開発。実用機としての性能を満たし、目標達成
-モノクローナル抗体の連続精製において、90%以上の回収率、95%以上の高純度のモノクローナル抗体の精製を、担体との接触時間12秒という高流速条件で実現し、目標達成
-開発したシリカモノリスカラムとクロマトグラフィー装置により、モノクローナル抗体タンパク質の分離・精製コストを従来比1/2以下にする目途をつけ、目標達成
知財出願や広報活動等の状況
特許:「タンパク質の分離精製装置及び分離精製方法」(特願2012-136216)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度の実用化に成功
・連続精製装置と抗体精製カラムの短期間貸出、デモンストレーション可能(輸送費等は実費)
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→タンパク質医薬品製造における精製コストを50%以下にする
・省スペース化→精製に必要な分離カラムを従来の1/10以下にする
・多品種少量生産→分離カラムのシングルユース化を容易にするため、タンパク質医薬品の多品種少量生産に寄与できる
今後の実用化・事業化の見通し
連続クロマトグラフィー装置の応用例の拡充を目指した補完研究を展開中すでに得られた受注を足がかりに、さらなる販路開拓を狙う
・連続クロマトグラフィー装置は、その原理を含めて必ずしも広く知られているわけではないため、ユーザー企業が関心を持ちそうな対象タンパク質につき、応用事例を蓄えて提供することが幅広い普及のために必要であると考え、補完研究を継続している
・引き続き、ユーザーニーズの把握に努める
・すでに1台の受注を受けており、これを足がかりに、製薬企業、医薬品製造受託企業、医薬品開発研究機関への販路開拓を狙う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ヤナコ機器開発研究所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人京都高度技術研究所 |
研究等実施機関 | 株式会社京都モノテック 株式会社ティンカー・エヌ 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ヤナコ機器開発研究所 |
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事業内容 | 分析機器、理化学機器及び環境計測機器の開発・製造・販売 |
本社所在地 | 〒612-8387 京都府京都市伏見区下鳥羽平塚町145 |
ホームページ | http://kiki.yanaco.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 服部隆俊 |
メールアドレス | kikilabo@yanaco.co.jp |
電話番号 | 075-611-8800 |
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