文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 熟練者の作業を再現できるヒューマンスキルアシスト型自動注湯装置

立体造形

熟練者の作業を再現できるヒューマンスキルアシスト型自動注湯装置

滋賀県

丸三工業株式会社

2020年4月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ヒューマンスキルアシスト型注湯制御技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

環境機器産業分野では、鉛フリー銅合金の鋳造、薄肉複雑形状品の鋳造のニーズがあり、対応するためには注湯作業の管理や安定性を向上させる必要がある。注湯作業は多く作業者による手作業で行われ、作業の不安定性や記録の点で課題があり、熟練者への依存度が高い。そこで、熟練者の注湯作業を計測・記録して、それを基に自動化して熟練者の作業を再現して作業のできる注湯制御技術を開発する

開発した技術のポイント

熟練者の作業を再現できる「ヒューマンスキルアシスト型」自動注湯装置を開発
・「ヒューマンスキルアシスト型」自動注湯装置の開発
・熟練者の作業を注湯パラメータとして解析し、後継者に継承支援する技術の開発
・ユーザー企業による実証評価

(新技術)
<「ヒューマンスキルアシスト型」自動注湯装置>
・熟練者による最適作業・
・従来の鋳造方案の使用可・
・自動化による安定作業・
・鉛フリー銅合金鋳物への対応・
・薄肉複雑形状品への対応・
・作業状態の記録可・

具体的な成果

・ヒューマンスキルアシスト型自動注湯装置を開発
‐取鍋部分のハードウェアである「取鍋制御装置」、自動注湯における取鍋の傾動制御を行うためのハードウェア・ソフトウェアからなる「取鍋制御装置システム」を開発
‐これらを組み合わせることにより、ヒューマンスキルアシスト型自動注湯装置を開発
・熟練者の作業を注湯パラメータとしたシミュレーションを実施
‐計測された注湯作業を記録・保存し、作業者による注湯作業に特徴的なパラメータ(初期注湯速度、定常速度、最終速度、平均注湯速度)を抽出して作業状態を可視化
‐鋳造シミュレーションソフトウェアを用いて、表面張力を考慮した注湯現象のシミュレーションからの評価、製品の欠陥予測を実施
・自動注湯装置により試作品を作製
‐開発した自動注湯装置により川下ユーザー企業の試作品(材質:鉛フリー青銅であるCAC902)を鋳造・評価、鋳型に注湯後に製品の湯廻り状況について目視にて確認
‐注湯速度や注湯量は、ほぼ一定となっていたので、鉛フリー薄肉軽量品にも対応できる可能性が充分にある
・試験注湯結果(13mmロング下ケース)
〜鉛フリー青銅であるCAC902を溶解し、鋳型に注湯後、製品の湯廻り状況について目視にて確認〜

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H23年度に実用化に成功、事業化間近
・試作自動注湯装置を貸与可能(試験に必要な改造が必要の場合は有償)

製品・サービスのPRポイント

・小型化→注湯作業の安定化により、最小肉厚2.5mまでの薄肉鋳物の製造が可能
・標準化→注湯作業の安定化により、JIS規格化した自社開発材の汎用性を高められる
・環境負荷削減→注湯作業の安定化により、管理範囲の狭い鉛フリー銅合金の採用が可能に

今後の実用化・事業化の見通し

試作機を新たに製作して実証試験を継続
・本事業において新規開発した技術をベースに、計測・制御の精度を上げる改良を進めている
・また、試作機を新たに製作して実証試験を継続中
・試作機を日本鋳造協会の銅合金技術委員会や学会などで報告し、新規開発技術のPRを図るとともに、製品化への最終調整を実施

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社明石合銅
事業管理機関 公益財団法人中部科学技術センター
研究等実施機関 丸三工業株式会社
国立研究開発法人産業技術総合研究所
兵庫県立工業技術センター
株式会社栗本鐵工所
愛知時計電機株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 丸三工業株式会社
事業内容 銅合金製造・販売および自動注湯装置の販売
本社所在地 〒522-0053 滋賀県彦根市大藪町2478-2
連絡先窓口 代表取締役社長 丸直樹
メールアドレス naoki@doctor.email.ne.jp
電話番号 090-7483-2448