精密加工
高度切削加工技術により、F3用エンジンとして日本初の低燃費・低排ガスを実現するDI(直噴)エンジンを開発!
岡山県
株式会社戸田レーシング
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低燃費、低排気ガスを実現する次世代DI(直噴)エンジンの研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
原油高騰や排ガス規制の強化を背景として、低燃費と低排ガスを可能にし、高出力を得られるDI(直噴)エンジンが再び注目されている。当社の長年のエンジン製造で蓄積された技術を基に、特殊合金アルミニウムや高強靱鋼などの新素材を採用し、切削加工技術の高度化に取り組み、超軽量で高機能・高強度・高精度のエンジン部品を開発することにより、燃費及び排ガスを8~10%削減する次世代DI(直噴)エンジンの実用化を図る。
開発した技術のポイント
エンジン製造における切削加工技術を高度化し、特殊アルミニウム合金や高強靭鋼を用いてDI(直噴)エンジンを軽量化・複雑形状化するとともに、燃焼コントロールを行い、燃焼条件を最適化することで低燃費、低排出ガスを実現可能なレーシング用DIエンジンの開発・試作を行う
(新技術)
切削加工技術の高度化により、特殊アルミニウム、高強靭鋼を採用したDI(直噴)エンジンを開発する
(新技術の特徴)
・製品の軽量化・簡素化の実現
・低燃費と低排出ガスの両立がが可能になる可能になる
具体的な成果
・特殊アルミニウム合金による超軽量ピストンの開発
‐従来比ー35%軽量化を達成した
・高強靭鋼による超軽量コンロッド等の開発
‐従来比ー31%軽量化を達成した成果の生産に要する設備
・シリンダーヘッドのIN側吸気ポートの形状確立
・シリンダーブロックへギアドライブ装着、耐久テストの実施
・DIエンジンに適したカムシャフト形状の確立
・低燃費、低排ガスに有効なマフラーシステムの開発、最終形状の確立
・目標馬力、目標トルクに有効なマフラーシステムの開発、最終形状の確立/従来比14%向上
研究開発成果の利用シーン
・全日本F3選手権用オリジナルレースエンジン
・高級車、スポーツカー等を対象とした特別仕様車用エンジン
・切削加工技術を活用したカーメーカー、部品メーカー向けサービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・研究開発をおこなったDIエンジンの派生となるF3エンジンを2013年全日本F3選手権へ3基供給し、実戦投入を予定している
・近い将来の市場は全世界となり、需要規模は拡大する見込みである
・また、高度化された切削技術を用い、各カーメーカーの試作部へ向け、技術アピールをおこない、委託業務の受注を目指している
製品・サービスのPRポイント
・フォーミュラエンジン技術を一般車にも適用可能であり、より広範な顧客ニーズへの対応が可能
‐量産車エンジンを改造し、フォーミュラカー仕様向けに仕上るには非常に高額な改造費を必要とするが、本エンジンは、使用状況に合わせた汎用性を持たせていることから、一般のフォーミュラ愛好者のニーズを踏まえ、フォーミュラ車両にそのまま搭載可能なエンジンも想定範囲内である
‐F3用エンジン、レース用ガソリンエンジンとして、DIエンジンの開発、また、実戦投入は日本初、世界的にも先陣を切る状態である
・従来エンジンと比べて燃費向上と環境に貢献
‐従来のポート噴射式エンジンと比較すると、燃費が5~8%向上し、排出ガスの排出が5~8%削減させることに成功した
・使用者の立場を見据えたエンジン
‐部品点数の削減はコスト低減にも寄与し、エンジンを使用する際に必要となるランニングコストの低減にも貢献しており、ユーザー目線のエンジンとなっている
今後の実用化・事業化の見通し
・ピストン開発については、唯一達成出来ていないピストンリング溝のうねり低減の継続的開発を実施する予定である
・各ギアへの細かな研磨加工(エアロラップ処理)による低フリクション化(低燃費、低排ガスに有効)を実現したものの、破損トラブルが見受けられたため、更なる研究開発の余地がある
・エンジンASSY及びエンジン部品をF3レースチームへ供給すると同時に、高度化された切削技術を各カーメーカー試作部へアピールし、委託業務を受注することを予定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社戸田レーシング |
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事業管理機関 | 公益財団法人岡山県産業振興財団 |
研究等実施機関 | 国立大学法人岡山大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社戸田レーシング |
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事業内容 | ・レース用部品の研究開発/レースエンジンの研究開発・自動車用部品の研究開発/航空機部品の製造・エンジン燃焼効率・低燃費・低排ガスの研究開発 |
本社所在地 | 〒714-1215 岡山県小田郡矢掛町中640-1 |
ホームページ | http://www.toda-racing.co.jp |
連絡先窓口 | 営業部 水川浩一 |
メールアドレス | toda@toda-racing.co.jp |
電話番号 | 0866-83-1202 |
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