文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 手術中の患者の負担を減らす、多機能・広角視野の内視鏡デバイスを開発

接合・実装

手術中の患者の負担を減らす、多機能・広角視野の内視鏡デバイスを開発

東京都

株式会社菊池製作所

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 広角視野ディスポーザブル多機能内視鏡デバイスの開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 医療・健康・介護、産業機械、光学機器
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

超音波モータと球体内指向性プリズム機構を応用して、上下左右自在に動かす人の目のような内視鏡デバイスを開発する。当デバイスを手術システムに適合させることにより、手術の効率化(人員の削減、手術時間の短縮)が図れる。また、当デバイスは簡略な構造のため、低コストで生産でき、ディスポーザル(使い捨て)に使用するので衛生面で信頼性が高く、且つキーパーツをリサイクル使用することで環境面での負荷も減少できる

開発した技術のポイント

超音波モータ機構を活用し、内視鏡の高性能化・高機能化を実現
・超音波モータの球面回転・直動回転の実現
・8mm径のデバイスを製作
・内視鏡・鉗子デバイスを一体化して搭載するとともに、対物面清掃機構を設計
(新技術)
新開発する内視鏡
・広範囲視野の確保が可能で、体内への出し入れ回数を減少させることができ、手術の時間短縮に寄与する
・簡便な構造であり、内視鏡・鉗子一体型デバイスについても低コストで生産可能。ディスポーザル使用も可能であり、衛生面での信頼性を向上させる
・内視鏡専用の操縦者の必要性がなくなり、手術の省人化に寄与する

具体的な成果

・超音波モータ開発
‐球面超音波モータ制御回路技術を確立し、直径8mmのロータ球を持つ3次元球面超音波モータを開発するため、各部品の小型化と検証を実施
‐直径8~9mmの球体を動かすことのできるジンバル式の構造を考案し動作検証を行い、±35度の回転角を得ることに成功
‐直径5~7mmの球体を動かすことのできるマリオネット式の構造を考案し、外径φ12mmに内蔵可能な、「バイオメタルによる2軸ジンバル駆動装置」の実機を製作
・球体内指向性プリズム機構の開発
‐ロータ球内部に組み込むズームレンズユニット及び照明LEDユニットを開発
‐φ4mm×2.5mmの鏡筒に収めることのできる、CCDユニットとカメラ撮影用レンズを開発
‐映像の発色性を上げるためにスペクトル特性を最適化した光源を開発し、ライトガイドに応用
・内視鏡の多機能化
‐構成部品の単純化によるユニットのディスポーザブル機構の基本構造を検討
‐頭部移動+視線検出AIマトリクスLUTによる視線追従式による視線追従式によるデバイスを検討
‐視線追従式デバイスに必要な画像キャプションブロック、光源制御ブロック、モータ制御、システムリンク動体認識ブロック、動体追尾ブロック、表示ブロックの各要素を開発

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・平成28年度中の実用化を目指し、補完研究中
・提供可能な試作機なし

製品・サービスのPRポイント

・新方式の実現→内視鏡先端の球体撮像素子を人の目のように術者の視野に合わせて駆動させるため、従来の手元で視野を操作する内視鏡と異なり術者が感覚的に扱うことが可能となる
・省エネルギー化→デバイスの広角視野と感覚的操作を実現することで、術者の削減及び内視鏡操作者の訓練を削減
・その他(患者の負担低減)→手術時に体内に挿入するデバイス数が減少することを実現し、術時間を短縮し、ひいては患者の肉体的な負担の低減、早期回復に寄与する

今後の実用化・事業化の見通し

動物試験の実施を踏まえた改良を実施中。平成28年度中に実用化し、医療現場での導入を目指す
・サポイン事業内で開発した試作機にて動物試験を行い、試験機での問題点と改善項目の抽出を行った。試験にて抽出した問題点を解消するため、改良機を設計・開発中である
・現在動物試験にて抽出した問題点を解消するため、改良機を設計・開発中である。その後再び動物試験を行い、問題点を克服後にコストダウンのための最終設計を行い、実証機を作成し耐久試験を行う
・H28年度での実用化を目指す。実用化後は弊社が従来から付き合いのある病院、医療系大学、医療系企業をターゲットにサンプルの貸し出しや説明などを積極的に行い、使用実績を重ねた後、一般光学機器メーカ、医療機器メーカ、病院などに販売開始予定

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社菊池製作所 ものづくりメカトロ研究所
事業管理機関 株式会社菊池製作所
研究等実施機関 国立大学法人東京農工大学
SERENDIPITY株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社菊池製作所
事業内容 金属及びプラスチック製品の試作並びに量産設計・製作・販売
本社所在地 〒192-0152 東京都八王子市美山町2161-21
ホームページ http://www.kikuchiseisakusho.co.jp
連絡先窓口 ものづくりメカトロ研究所 課長 小笠原伸浩
メールアドレス nobuhiro.ogasawara@kikuchiseisakusho.co.jp
電話番号 042-650-5065