精密加工
レンズ鏡筒用金型や電池セパレーターを精密加工!φ10μ、深さ100μを実現する超精密微細切削技術
東京都
株式会社クライム・ワークス
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 成形金型の短納期化とデザイン高度化を実現する低投資な超精密微細切削システムの研究 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、情報通信、スマート家電、電池、光学機器 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
デジカメ用AFレンズモジュール金型は高度な切削加工やシボ加工を用いて製造されるが、シボ面の離型性問題や樹脂の複雑な収縮変形のため、川下企業からの一層の短納期、低コスト化と更なる高精度要求に応えられない状況にある。本提案は前述課題の解決には従来のシボ面を離型容易性と収縮抑制作用を持つシボ面に酷似した表面テクスチャー面に置換することが有効と考え提案するもので、これにより短納期・低コスト化を実現させる
開発した技術のポイント
超精密微細切削システムの開発により、成形金型の短納期・低コスト、デザイン高度化を実現
・デジカメ用AFレンズモジュール金型の低コスト化→従来比25%減
・試作納期の短縮→従来比25%短縮
・高精度化・微細化→100μmサイズ程度の微細パターン集合体デザイン表面を加工
(新技術)
超精密微細切削システム
特徴
・離型性安定化による生産性向上
・製品設計/金型設計自由度増大
・製品図→成形品図の再設計負荷軽減による金型設計~製作プロセスの短納期化
具体的な成果
・表面機能を有する高精度切削シボ付き金型の設計・製作技術を開発
‐微細パターンのデジタル設計技術と超精密微細切削技術により、形状制御・面分布配置・大面積化などを任意に設計した微細シボ面を切削加工する技術を開発
‐さらに、50μmの極小工具刃先位置の自動検知技術を開発し、微細パターン製作能力を高度化
‐結果、再現性のあるシボ面を一連の金型部品加工工程での製作を可能とした
・金型設計・成形技術統合システム構築により、短納期化・コスト削減を達成
‐これらの成果から、CAD/CAM、試作成形機などを独自開発したソフトウェアで連結し、金型設計・加工/成形技術を統合し、短納期化するシステムを構築
‐ソフトウェアは、真円度測定器、構造解析、樹脂流動解析とCAD/CAMを同一金型設計に反映可能であり、5軸MC用CAMシステムと連結している
‐さらに、金型内樹脂圧力と射出圧力を計測しフィードバック制御できる専用成形機を導入し、CAEシミュレーションの検証をインプロセスで可能とした
‐システム構築の結果、金型設計から成形品試作まで25%短納期化、デジカメ用AFレンズモジュール金型製造原価の25%削減を達成
知財出願や広報活動等の状況
受賞:社団法人型技術協会「型技術論文賞」(H24)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化に向け、補完研究を継続
製品・サービスのPRポイント
・微細化→φ10μで、深さ100μの孔を開ける工具の開発と切削条件の確立(従来はさ80μが限界)
・安定供給化→確立された加工方法により、2,000~3,000孔を安定した精度で加工が可能
・環境負荷削減→微細孔加工と微細溝加工の試作品を提供出来ることで、より高性能の蓄電池の開発が加速され、環境負荷削減に貢献
今後の実用化・事業化の見通し
研究成果を蓄電池のセパレーターの微細加工に横展開、実用化を目指す
・超精密加工の横展開として、蓄電池の部品であるセパレーターの微細加工の研究を継続。現在、自動車メーカー研究部門とセパレーターの形状及び必要加工精度について、共同研究を進めている
・H24年度中に、φ10μ、深さ100μの加工条件と、工具形状・加工環境条件を決定。H25年4月以降で、試作加工開発及び加工条件のまとめを行なう
・加工開発したセパレーターを、自動車メーカーの蓄電池試作品に搭載し性能の確認を行なう。その結果を踏まえ、他業者への試作支援ルートを拡大予定
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社クライム・ワークス |
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事業内容 | 鉄・非鉄金属及び樹脂切削試作品加工、及び樹脂成形試作品加工製造 |
本社所在地 | 〒144-0033 東京都大田区東糀谷6-4-12 OTAテクノCORE107 |
ホームページ | http://www.climbworks.co.jp |
連絡先窓口 | 経営企画・総務部 取締役部長 滑川佳秀 |
メールアドレス | y-namekawa@climbworks.co.jp |
電話番号 | 03-3742-0691 |
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