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研究開発された技術紹介

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バイオ

環境負荷の少ない超高機能タンパク質素材の製造コスト低減を実現する技術の確立

山形県

Spiber株式会社

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 有用タンパク質の超低コスト発酵生産技術の開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 産業機械、情報通信、スマート家電
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

遺伝子組換えによる微生物の品種改良及び培養法の検討により、クモ糸フィブロイン等高機能素材としての利用が期待されるタンパク質を微生物発酵により生産する際に必須となる高価な抗生物質や発現誘導剤などを一切用いずに、当該タンパク質を高発現させ、高純度・高効率に精製可能な新規発酵生産技術を確立する。本技術は非石油系且つ環境対応の高性能タンパク質素材の実用化を可能にし産業資材分野にパラダイムシフトを起こす

開発した技術のポイント

発現誘導剤を用いず、厳密且つ高効率な分泌生産を可能にするための技術開発
・目的遺伝子の転写効率の最適化による高発現化
→プラスミド系:タンパク質発現効率の上昇、ゲノム系:発現量を従来法の2倍以上に
・目的タンパク質の翻訳/分泌の効率化による高発現化
→過去に報告されたいかなるシグナルペプチドよりも高い分泌量での発現
→本事業における研究内容を達成することで、原料タンパク質を用いた繊維材料を8,000円/kg以下で販売できる生産技術を確立することを目標とする
(新技術)
ストレス応答を利用した発現誘導剤を用いない発現系を確立
(新技術の特徴)
・培地の低コスト化を実現
・精製時の大幅なコスト削減につながる

具体的な成果

・遺伝子設計法の確立
‐タンパク質の遺伝子を、抗生物質を用いることなく宿主細胞内において安定的に保持されやすい状態に改変する独自のアルゴリズムと、それに基づく計算を高速処理するソフトウェアを開発
‐クモ糸のフィブロイン遺伝子は、本手法の確立により、最短で5日での合成が可能となった
・遺伝子の安定性向上
‐設計及び合成したDNA配列を、様々な方法で宿主細胞に導入し、安定的に維持される条件を検討
‐今回確立した遺伝子設計法で設計されたDNA配列が、コントロールの遺伝子と比較して、宿主細胞内で優位に安定化することを実証
・転写・翻訳効率の向上
‐翻訳効率を制御するDNA領域を改変することにより、フィブロインタンパク質の翻訳効率の向上を試行
‐従来のフィブロインタンパク質生産系と比較して、2~3倍のタンパク質生産量を得ることに成功
・低コスト培養法の開発
‐発現誘導剤を用いずに遺伝子発現制御を行う際、菌体数を十分に確保することができる培養方法を開発
‐培地コストを、従来法の約1/15に抑える培養方法を構築
・精製工程の効率化
‐発現誘導剤を用いずに遺伝子発現制御を行う際、精製時に夾雑物となり得るタンパク質を除去することで精製工程を効率化
‐夾雑物となり得るタンパク質の遺伝子をホスト細胞から除去することに成功

研究開発成果の利用シーン

繊維強化プラスチック用の繊維として、様々な製品の部品に用いることにより、軽量化を実現

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・数年内に、商用スケールでの量産を目指す
・タンパク質由来の合成クモ糸のサンプルあり

製品・サービスのPRポイント

・耐衝撃性・軽量化:高強力フィブロイン素材を用いた複合材を作製し、輸送用機器等に適用することで、耐衝撃性の向上や軽量化が見込める
・環境負荷削減:バイオマス由来の原料であり、石油由来原料と比べて生産時の環境負荷が低減でき、また廃棄処理が容易な部材の作製に貢献できる

今後の実用化・事業化の見通し

更なる技術開発や条件検討を継続し、日本発世界初の部材開発への貢献を目指す
・今後の更なる条件検討や、プラント化に伴う培地原料のコストダウンにより、より低価格でのフィブロインタンパク質生産が期待できる
・原料のめど付けが可能となったため、今後は生成技術・紡糸技術の向上を通じて、最終的には日本発世界初の部材作製実現を目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 Spiber株式会社
事業管理機関 Spiber株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 Spiber株式会社
事業内容 バイオ繊維素材開発プラットフォームによる新素材デザインシステムの研究開発及び有用タンパク質量産システムの開発
本社所在地 山形県鶴岡市覚岸寺字水上246番地2
ホームページ http://spiber.jp
連絡先窓口 取締役最高技術責任者 菅原潤一
メールアドレス info@spiber.jp
電話番号 0235-25-3907