接合・実装
1~0.1の解像度を有する非破壊検査装置の開発
滋賀県
株式会社光子発生技術研究所
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 溶接技術の高度化に資する高精度非破壊検査装置の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
航空機やプラントの製造に必要な溶接技術では数mの亀裂や欠陥の発生が安全性に大きく関わるが、検査技術が無いために品質の保証が困難であり、溶接技術の高度化が遅れている。電子機器の製造でもLSIの高密度化に伴いハンダ技術の高度化が要求されるが、同様である。我々が開発している卓上型放射光装置は25ミクロンの微小焦点を達成しているが、今回の開発で数ミクロンの焦点を実現して溶接技術の高度化を目指す
開発した技術のポイント
1μm~0.1μmの解像度を有する高精度非破壊検査装置の開発
・配管溶接部の亀裂観察が可能な検査装置の開発→金属中の1μmの亀裂の観測、現場持ち込み可能な装置の小型化
・プリント基板のワイヤーボンディング欠陥検査が可能な装置の開発→サブミクロン(0.1μm)の欠陥を検査できる装置の開発
(新技術)
<数ミクロン焦点卓上型放射光装置>
(特徴)
・焦点サイズを微小金属球で決めている
・1MeV電子エネルギー
・電流値の増強
具体的な成果
・1程度の亀裂を観察する事に成功
-X線ターゲットを8のボール状タングステンとし、1MeV電子銃2cm厚のsUs板に人工的に作った亀裂のX線撮影データイメージの解像度を5まで向上
-ポリイミドの薄膜を支持材として使用し、0.1以下の微小な金を蒸着
-この開発により、金属内部の1程度の亀裂を観察する事に成功
・1MeV卓上型放射光装置の入射器(1MeV電子銃)
-1MeV卓上型放射光装置の開発にむけ、入射器である1MeV電子銃を開発
-横25cm、幅20cmの小型電子銃であり、最大で300maの電流値発生を記録
-さらに、電子蓄積リングの軌道半径を8cm以下にするための軌道計算を実施・サブミクロン解像度ハードX線顕微鏡の開発に向け、ミラーを設計
-サブミクロンの欠陥を検査できる装置(サブミクロン解像度ハードX線顕微鏡)の開発に向け、Johansson型ミラーの設計を実施
-ミラーは、焦点距離65cmで設計
知財出願や広報活動等の状況
・論文:山田廣成「MIRRORCLE-CV4超微小焦点高エネルギーX線源」検査技術(H24.1)、長谷川大祐「X線非破壊検査のためのMIC電子加速器」検査技術(H24.2)
・新聞:日刊工業新聞(H22.7.20)
・雑誌:橋梁新聞(H23)
研究開発成果の利用シーン
本非破壊検査装置、1MeV卓上型放射光装置を使用することにより、プラントや航空機の溶接部の検査を非破壊で実施することが可能に
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に事業化に成功
・非破壊検査やCT検査を有料で実施
製品・サービスのPRポイント
・耐久性向上:溶接部の検査をミクロンオーダー・非接触で実施し、溶接技術や素材の耐久性を向上させるのに資する
・精度向上:ミクロンオーダーのCTが可能
・管理能力向上(品質管理);温度や圧力による変形を検出し、耐久性や寿命を管理可能
今後の実用化・事業化の見通し
委託欠陥検査を既に実施中、今後は分野を広げていく
・川下産業(自動車)から、様々な部品の欠陥検査を委託されて実施
・移動式ロボットアームへの搭載、装置の小型化、0.1ミクロン精度の装置(燃料電池用)等の研究を、今後、進めたい
・事業化に当たっては、航空機産業、プラント、建設業、橋梁検査への営業を強化、また検査事業を展開する企業との提携を進める
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社光子発生技術研究所 |
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事業内容 | 卓上型放射光装置製造、マイクロトロン加速器の製造、前記装置を用いた分析事業 |
本社所在地 | 〒523-0898 滋賀県近江八幡市鷹飼町南4-2-1(808) |
ホームページ | http://www.photon-production.co.jp |
連絡先窓口 | 製造部課長 山田貴典 |
メールアドレス | takanori@photon-production.co.jp |
電話番号 | 077-566-6362 |
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