立体造形
耐久性に優れ、金属アレルギーを起こしにくい強化プラスチック製人工股関節
岐阜県
株式会社ビー・アイ・テック
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 炭素繊維強化プラスチック製人工股関節の高品質成形加工システムの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
プラスチック製医療機器である「炭素繊維強化プラスチック製人工股関節」の実現を目指し、川下製造業者の要請により、自動化製造法による品質保障システムを構築する。また、成形劣化防止のため、サイジングを除去して炭素繊維にPEEK樹脂を含浸した材料を開発する。成形加工の方向性については、無機材料をポリマー材料と組み合わせる技術として、PEEK樹脂にヒドロキシアパタイト結晶を埋め込む方法等を研究する
開発した技術のポイント
炭素繊維強化プラスチック製人工股関節の成形加工システムの開発
・成形劣化のない複合材料の開発→PEEK樹脂強化炭素繊維複合材料を用い、強度・剛性に係る設計許容値を検証
・表面処理法の確立→樹脂表面をコーティングし活性面を保護することで、処理効果を長期保存
・骨との付着性の確保→樹脂表面に厚さ50μm以上のヒドロキシアパタイト(HA)層を強固に付着させる
(新技術)
<複合材製の体内医療用具(人工関節)>
(1)患者個々人の骨髄腔形状に合致したステム外形形状を有し、初期固定制に優れる◎
(2)ステム内部剛性を各患者に適合した設計とし、長期固定性に優れる(緩まない)〇
(3)炭素繊維複合材による、無限の疲労寿命を有する(折れない)〇
(4)電磁波に影響を与えない(早期精密診断)〇
(5)安全な高分子材料(PEEK樹脂)で製造→金属アレルギー、重金属イオンなし〇
具体的な成果
・炭素繊維強化プラスチック製人工股関節の品質保証システム確立へ前進
‐スクリューのデザインなどの選定及び成形条件の設定により、樹脂温度120℃未満で安定した温度制御が可能であり、材料を硬化させずに成形できることが分かった
‐樹脂の温度は射出速度を上げることにより上昇するが、高速射出においても120℃未満での射出が可能であった
・PEEK樹脂の表面処理法の確立
‐大気圧プラズマジェットのPEEK-CF複合材料表面への照射により官能基が付与されることを明らかに
‐付与される官能基の種類を、プラズマジェットの動作ガス及び処理物の雰囲気ガスによって選択することを可能に
‐厚さ50μm以上のHA層を形成し骨伝導性を与える処理法として、HA結晶を複合材料表面に埋め込んだ後、α-TCPを表面に塗布し熱水処理でHA化する方法を確立
・安全性――生体適合性の評価
‐ウサギの引抜試験を実施した結果、既存の金属製人工関節について臨床で成功している表面処理方法と比べ十分臨床で通用する強度が得られることを確認
・試作ステムの欠陥に関する調査結果
~試作ステムの内部結果及び外部形状について継続的に観察した結果、内部欠陥の量は試作回数を経るにつれて減少した~
・引抜試験による強度測定結果
~HAとインプラントの間の接着強度に関し、臨床で成功しているチタンと比べ同等の結果が得られた。今後臨床へ応用していく上で大きな成果である~
知財出願や広報活動等の状況
特許:「複合材人工股関節ステムの構造と製造方法」(特願2010-61067)
研究開発成果の利用シーン
人工股関節だけでなく、他の体内医療用具(人工膝関節、肩関節等)への応用も可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・人工股関節の医療認可申請時期等に関する対応を検討中
・試作品なし
製品・サービスのPRポイント
・耐久性:疲労強度、耐摩耗性は従来の金属製の製品に比べ数倍以上
・複雑形状化:患者個々人のオーダーメイド化が容易に
・新素材:PEEK-CF複合材の適用
今後の実用化・事業化の見通し
医療認可に向けた準備と
製造工程効率化のための補完研究の推進
・実用に供するための医療認可取得に向けた準備を進めている
・今後の補完研究のテーマとして、製造工程の高効率化のための自動化を進めていく
・事業化に向け、人工股関節の医療認可申請時期と、申請に向けた進め方について、複合材料体内医療用具の観点から戦略を構築中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ビー・アイ・テック |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県研究開発財団 |
研究等実施機関 | 国立大学法人名古屋大学 国立大学法人大阪大学 学校法人トヨタ学園豊田工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ビー・アイ・テック |
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事業内容 | 複合材人工股関節等の体内医療用具の製造・販売 |
本社所在地 | 〒504-0843 岐阜県各務原市テクノプラザ2-28 |
ホームページ | http://www.bitec.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 板東舜一 |
メールアドレス | bandohbitec@aol.jp |
電話番号 | 058-370-1536 |
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