立体造形
従来の1/7の重量、1/2のサイズ、1/4のコスト!多層ブロー成型用ダイヘッド
岐阜県
コダマ樹脂工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 多品種、小ロット生産に対応した多層ブロー成形を効率的に行えるハイブリッド構造のダイヘッドの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 半導体、化学品製造 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車の燃料タンクや食品容器に代表される多層ブロー製品は、層の数が増すと、ダイヘッドが巨大化し、それに伴って製造コスト、ランニングコストが増大するという問題があった。本提案では、多品種、小ロット生産に適した小型かつ軽量な多層ダイヘッドと、あわせて、省エネ型押出機を開発し、低コストの多層ブロー製品の事業化を目指す
開発した技術のポイント
ダイヘッドの小型軽量化と省エネ型押出機開発により、多層ブロー成形を高効率・高品質・低コスト化
・ダイヘッドの軽量化、小型化、低コスト化→それぞれ1/6~1/4、1/2、1/2
・ダイヘッドの偏肉精度向上→変動幅±10%→±5%・押出機の省エネ化→エネルギー約30%低減
(新技術)
・多層ダイヘッド
<ハイブリッド構造のダイヘッド>
‐コンパクト
‐軽量
‐メンテナンス性良
・押出機
‐フィードスリープで発熱小‐スクリューの送り効率、溶融効率良好
具体的な成果
5種7層多層ダイヘッドを開発、軽量化・小型化・低コスト化を達成
・溶融樹脂の流れを解析し、構造解析を実施。結果、熱劣化しやすく頻繁に清掃が必要なダイを1つのブロックにまとめ分解清掃しやすい5種7層ダイを開発
・結果、ダイの大幅な軽量化(約1/7)と小型化(約1/2)が可能になり、同時に製造コストを下げる(約1/4)ことが可能偏肉精度の向上、分解清掃時間の短縮を確認
・成形機による検証実験の結果、5種7層の2Lボトルの胴部周方向の肉厚測定値は、従来の製品で±10%程度の肉厚のバラツキのところ、本研究では±3%、成形速度を50%アップしても±5%の偏肉精度を達成
・樹脂交換時間は、現行2時間から60分以内にまで短縮
・ダイヘッドの分解清掃は、従来、1週間程度の時間がかかるが、作業総計時間16時間、休憩時間や段どり時間を含め2.5日に短縮エネルギーを従来より30%削減する押出機を開発
・バリアー部のスクリューデザイン、フィードスリーブを改良し省エネルギー型押出機を開発、エネルギーを従来より30%低減
・滞留劣化の少ない表面処理技術としてDLCコーティングを特定
2Lボトルの肉厚分布と肉厚測定結果
~従来の製品では±10%程度の肉厚のバラツキが見られたが本研究では±3%の偏肉精度を達成~
知財出願や広報活動等の状況
出展:一日中小企業庁in岐阜(H23.10)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年度に事業化予定
・500ml~1ガロン多層容器のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・小型化、軽量化→ヘッド重量を従来技術のものより1/7に低減。サイズも1/2に低減
・多品種少量生産→樹脂替え時間を約1/2に短縮。ヘッド分解清掃を1/2.4に短縮
・省エネルギー化→押出機の比エネルギーを約30%低減
今後の実用化・事業化の見通し
商業生産を目指して、試作、評価を継続実施
・樹脂劣化物の付着防止に関してダイの表面処理及び検証実験の補完研究を継続中
・多層ブロー製品の事業化のために販売が見込まれる製品について試作、評価を実施する
・成形機の設計及び生産ラインの最終仕様を決定し、H25年8月からの商業生産を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | コダマ樹脂工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人名古屋工業大学 岐阜県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | コダマ樹脂工業株式会社 |
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事業内容 | 合成樹脂ブロー成形品および射出成形品の総合メーカーで、0.1Lの小型容器から1,000Lの大型容器まで成形できる設備と長年の生産実績から多様なニーズに対応 |
本社所在地 | 〒503-2321 岐阜県安八郡神戸町末守377-1 |
ホームページ | http://www.d-kjk.co.jp |
連絡先窓口 | 技術本部部長 松尾初夫 |
メールアドレス | matsuo-ha@d-kjk.co.jp |
電話番号 | 0584-27-4141 |
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