精密加工
サーボプレスを用いた複合制御システムと高圧力対応の金型による、高精度な冷間鍛造ヘリカルギヤの開発
埼玉県
上板塑性株式会社
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 加工速度制御鍛造による高精度ヘリカルギヤの開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ヘリカルギヤは自動車の重要な機械要素部品であるが、97%が依然として切削加工で、多品種への安価な対応が困難である。近年、多軸制御油圧プレスによる冷間鍛造法が出現しているが、複雑で、高価な制御・駆動システムが必要で、生産性が悪く、鍛造品の拡大に適合していない。本提案は精密鍛造成形、工程短縮、金型費削減を実現し、需要先のコスト削減と高機能化の要請に対応するサーボプレス適用の高度生産プロセス開発を行う
開発した技術のポイント
サーボプレスによる複合制御システムと金型開発により、高精度なヘリカルギヤを製作
・サーボプレスを用いた複合制御システムを開発
・金型用超硬合金材→ヤング率440GPa以上(従来材以上)
・歯先まで充満したヘリカルギヤ作製
(新技術)
複合制御システムによる加工速度制御鍛造法
(課題)
・精密な速度コントロールにより、高精度なヘリカルギヤが製造可能
・広いヘリカルギヤ部品への適用展開が可能
具体的な成果
・サーボプレスによる加工速度・背圧制御技術を確立し、複合制御システムを完成
‐サーボプレスを活用し、独自の油圧制御装置と閉塞ダイセットを開発
‐閉塞ダイセットにテーパーウエッジ機構を付加させ、サーボプレスの加工速度と位置制御機能を活用することで、複合制御システムを確立
・寿命が長く、破損に強い超硬合金製金型を作製
‐合金に混合するコバルトの配合量と素材の粒径をコントロールすることで、金型開発材を作製
‐金型開発用超硬合金材はヤング率490GPa以上を達成し、高精密ヘリカルギヤの成形に必要な高圧力対応の金型を作製
・複数の形状部品の試作を実施し、高い精度を確認
‐ヘリカルギヤの試作対象品として、ステアリングピニオンギヤとミッションギヤ(スクーター用)を選定し、鍛造塑性流動解析を基に鍛造試作を実施
‐複合制御システムによる2段階成形モーションを適用し、歯先まで充満したヘリカルギヤを作製可能に
知財出願や広報活動等の状況
・出展:機械要素技術展(H22.6)、第4回クルマの軽量化技術展(H25.1)など
・新聞:日刊工業新聞「サーボプレスで生産性10倍向上」(H24.2.20)など
・受賞:MF技術大賞2012-2013(H24)
・講演:日本塑性加工学会主催第302回塑性加工シンポジウム(H25.5)予定
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H26年度の事業化見込み
・サポイン試作開発時のサンプルあり
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→サーボプレスで開発した高精度ヘリカルギヤは、従来の油圧プレス生産と比較し、設備投資額約30%削減、生産性200%向上を実現
・精度向上→冷間鍛造にて、歯車精度JIS B 1702-1:1998 8級を確保
・小型化→材料のメタルフローがつながっていることから強度が上昇しており、小型化に寄与
今後の実用化・事業化の見通し
川下企業へのPRや評価依頼を実施、H26年12月までに実用化を目指す
・機械要素展示会や県主催の分解展示会などへ出展を行い、技術PRを積極的に展開
・川下企業へ技術PRを行い、具体的な対象アイテムの見積りを提出。現在、開発の予算確保を川下企業が実施中。開発スタートは来年となり、1年間で実車含めた評価を行う予定
・H26年12月までに実質的な事業化に繋がる実用化を目指す。平行して、製品需要の背景を確認し、量産体制を進める
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 上板塑性株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社メイドー |
研究等実施機関 | 株式会社ヤマナカゴーキン 株式会社栗林製作所 株式会社エィ・エム・シィ 一般社団法人日本鍛造協会 株式会社メイドー |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 上板塑性株式会社 |
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事業内容 | 冷間鍛造 |
本社所在地 | 〒354-0045 埼玉県入間郡三芳町上富181 |
ホームページ | http://www.kamiita.co.jp |
連絡先窓口 | 技術部 取締役・技術部長 有馬達男 |
メールアドレス | tarima@kamiita.co.jp |
電話番号 | 049-274-5777 |
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