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研究開発された技術紹介

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精密加工

高機能的テクスチャレーザー加工

愛知県

株式会社レーザックス

2025年1月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 3次元・高速・直接加工のための超短パルスレーザー加工装置の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、産業機械、情報通信、スマート家電、工作機械、光学機器、住宅、家電
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 機能的テクスチャ,超短パルスレーザー,リエトラント構造
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究は、金属や樹脂への高精度かつ高速な3次元直接加工を実現するための超短パルスレーザー加工装置の開発を目的としている。特に、照射角0~60°まで可変な装置を用いて、逆テーパー加工や高機能的テクスチャ加工を行うことで、従来技術では不可能だった性能を実現する。研究体制には、株式会社レーザックス、菱電商事株式会社、信州大学が参加し、精密加工技術を中心に、各社が協力して装置の開発および実証実験を行った​。

加工装置1
加工装置2
開発した技術のポイント

照射角可変ユニット: 0~60°の範囲で角度を可変にできる新しい光学系を開発し、逆テーパー加工を可能にした。
超短パルスレーザー発振器: フェムト秒レーザーを使用し、高精度な加工を実現。
高速回転機構: レーザー光を多分岐させ、複数の角度で同時加工を可能にし、高速加工を実現。
加工制御ソフトウェア: 加工形状のデータベース化に基づくレシピを導入し、NCソフトウェアで制御可能なシステムを構築。

サンプル
接触角
具体的な成果

本プロジェクトでは、以下の具体的な成果が得られた。
-0~60°の逆テーパー加工を実現する照射角可変ユニットを開発。
-位置決め精度±0.5μmを実証。
-超撥水性テクスチャを持つ機能的テクスチャを加工し、撥水角150°を達成。
-NCソフトウェアを用いて加工形状を高精度に制御するシステムを実現した​。

知財出願や広報活動等の状況

本プロジェクトで開発した技術に関して、いくつかの特許出願を行った。特に「光学ユニット、レーザー加工装置、レーザー加工方法及び三次元加工装置」に関する特許(特開2022-107852号)が2023年1月に特許査定を受け、成立した。また、研究成果の発表や広報活動も行い、加工装置の市場展開に向けた情報共有が進められている。知財活動により、技術の保護と普及を促進している。

研究開発成果の利用シーン

開発された超短パルスレーザー加工装置は、以下のような幅広い産業分野での利用が見込まれる
-自動車分野: エンジン部品やインジェクターノズルなどの高精度加工。
-医療分野: 抗菌効果を持つ表面テクスチャの加工。
-エネルギー分野: 摩擦抵抗を減らすサメ肌効果の加工。
-環境分野: 塗料や潤滑剤の削減に寄与する撥水・親水機能の加工​。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現在、超短パルスレーザー加工装置は、精密加工市場において事業化が進んでおり、既に製造業向けにいくつかのプロトタイプが提供されている。特に、自動車部品やエレクトロニクス産業での応用が期待され、逆テーパー加工や高機能的テクスチャ加工の技術が評価されている。加工速度や精度の向上により、従来技術では対応できなかった課題を解決し、さらに新たな市場への展開が進められている​。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

超短パルスレーザー加工装置は、従来の加工技術に比べ、以下の点が優れている。
-逆テーパー加工が可能であり、撥水・親水性の機能を持つ表面加工が実現できる。
-高速加工を実現し、0.5秒/穴という従来の4倍の加工速度を達成。
-高精度な加工が可能で、±0.5μmの位置決め精度を持つ装置が提供されている。 これにより、様々な産業における革新技術として活用が期待される。

今後の実用化・事業化の見通し

今後、超短パルスレーザー加工装置は、さらなる高速化や加工精度の向上に向けた技術開発が進められる予定である。逆テーパー加工や機能的テクスチャ加工の技術は、特に自動車、エレクトロニクス、医療分野での実用化が期待されており、新たな市場への展開が進む見通しである。また、コスト削減や環境負荷低減といったニーズにも応える技術として、広く産業界で活用されることが期待されている。

実用化・事業化にあたっての課題

実用化・事業化に向けた課題としては、以下の点が挙げられる。
-コストの問題: 超短パルスレーザー装置の製造コストが高いため、低価格化が求められる。
-加工精度の更なる向上: 特に、逆テーパー加工の精度向上が引き続き重要な課題となっている。
-市場の拡大: 自動車や医療分野以外の新たな市場開拓が必要であり、技術の応用範囲を広げることが今後の課題となる​。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社レーザックス  技術開発部
事業管理機関 公益財団法人中部科学技術センター 研究開発推進部
研究等実施機関 国立大学法人信州大学
菱電商事株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社レーザックス (法人番号:1180301014911)
事業内容 製造業:レーザーによる金属加工、レーザー装置・周辺機器の開発・販売、鋳物の調達
社員数 101 名
生産拠点 愛知県、神奈川県
本社所在地 〒472-0017 愛知県知立市新林町小深田7番地
ホームページ https://www.laserx.co.jp/
連絡先窓口 技術開発部 小澤 健治
メールアドレス ozawa@laserx.co.jp
電話番号 0566-83-2229