接合・実装
マイクロ樹脂成形技術と印刷技術の併用により、マイクロデバイスの新たな製造・実装プロセスの実現を目指す
兵庫県
株式会社ナノクリエート
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 微細3次元配線技術を用いたマイクロデバイスの製造・実装技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、情報通信 |
事業実施年度 | 平成19年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車、家電産業界におけるセンサの小型、高機能化、コスト低減の要求が有る開発目標をマイクロ傾斜角センサにとり、マイクロ金型によるマイクロ樹脂成型技術と印刷技術を併用した環境調和性の良い傾斜角センサの製造プロセス・実装技術〔半導体製造設備投資額約1/7、製造コスト1/10、製造工程上の水,薬品使用量90%削減、使用電力量80%削減〕を研究開発する
開発した技術のポイント
マイクロ樹脂成形技術と印刷技術を併用した、新たな製造プロセス・実装技術の開発
・マイクロ金型によるマイクロ樹脂成形技術と印刷技術を併用し、環境調和性に優れた傾斜角センサの製造プロセス・実装技術を開発する
・低コスト化:半導体製造設備投資額約1/7、製造コスト1/10
・環境調和性:製造工程上の水・薬品使用量90%削減、使用電力量80%削減
(新技術)
<新技術の傾斜センサ製造工程>
特徴
・設備費が半導体設備費に比べ1/7程度で可能
・製造工程が大幅に削減され従来の1/10コストダウンに繋がり、安価な製品を作り出せる
・製造工程の削減による環境負荷に対する消費電力、洗浄水、薬液の削減
具体的な成果
・高精度化印刷機と微細3次元配線印刷技術を開発
・高精度化印刷機の設計・試作を行い、積層印刷位置精度±10µmを達成、プロセス印刷を可能とした(従来の印刷技術では±40µm程度の位置ずれが生じていた)
・印刷機にて導電性ペースト(銀ナノ、銀粒子)での微細線印刷、樹脂膜形成に適応するブランケットロールを選定し、微細線印刷積層(10µm幅、アスペクト比1:1)と絶縁層の樹脂膜印刷積層(40µm厚)を達成
・共通電極部と対向電極部間にフィルムを入れた新規構造を考案。フィルムが絶縁層の機能を果たすことで共通電極の作成プロセスが圧縮された
・マイクロデバイスの設計とプロセスの開発
・自動車用途を想定した静電容量式傾斜角センサデバイスを試作・設計
‐静電容量式傾斜角センサの目標仕様(サイズ:8mm×8mm×5mm、検出範囲:±45°、分解能:1°、使用範囲:-10~+60°)に適合しているかを評価中
・微細3次元オフセット印刷機用金型を開発
・成形時の離型性向上のためにテーパー角を持たせた、10µm幅以下でアスペクト比1の微細金型マスタを設計・製作
・上記のマスタを基にオフセット印刷機用微細金型を製作したが、金型の表面硬度が低く、耐久面での課題が判明
・表面硬度を高めるために、表面にNi合金層を積層した表面硬度Hv720のNi合金電鋳金型を作製。開発を進めながら耐摩磨耗性の検証を行う
知財出願や広報活動等の状況
特許出願:「静電デバイスの製造方法及び静電デバイス」(特願2008-114436)
研究開発成果の利用シーン
プリント基板、無線ICタグ、電磁波スクリーン等に対して、本工法を導入することにより、小規模設備での高速処理が可能になる。また、小型静電容量式傾斜角センサは、橋梁等の社会インフラの損傷モニタリング用センサにも適用可能である
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
高精度化印刷機に対する引き合いが増えている
・高精度化印刷機には多くの引き合いがみられ、太陽電池等の機能電子部品(電極形成、絶縁層)等に対する本工法の適用の検証を実施中
・小型静電容量式センサの開発については、電気特性評価、耐久試験に時間と費用が必要なため、高精度化印刷機技術を利用した新たな商品開発に取り組み中
・損傷モニタリング用センサに関しては、ニーズ調査を経て、橋梁、道路、鉄道と導入対象を幅広く検討していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナノクリエート |
---|---|
事業管理機関 | 株式会社ベンチャーラボ |
研究等実施機関 | 鷹羽産業株式会社 公立大学法人兵庫県立大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナノクリエート |
---|---|
事業内容 | フォトリソグラフィー技術を用いたマイクロ金型、マイクロ成型品、理化学機器、検査分析等の微細パーツ、ユニットの開発、製造、販売 |
本社所在地 | 〒670-0083 兵庫県姫路市辻井9丁目8番6号 |
ホームページ | http://www.k4.dion.ne.jp/~n-create |
連絡先窓口 | 代表取締役 服部正 |
メールアドレス | hattori@lasti.u-hyogo.ac.jp |
電話番号 | 079-294-0696 |
研究開発された技術を探す