精密加工
超薄板・微細コルゲート加工により電磁シールド機能を持つ深絞り成形品の製造方法を確立する
大阪府
三和パッキング工業株式会社
2020年4月9日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 難成形材の超薄板・微細コルゲート加工による電磁シールド・熱対策深絞り成形品の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | 薄板、絞り加工 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
電子機器は高性能化による熱対策及び電磁波遮蔽を行うために、複雑形状を有する電子機器内部の発熱素子等を覆うことができる安価で放熱性に優れた製品の実用化が不可欠となっている。弊社独自の複合プレス加工技術の高度化により、コルゲート(凹凸)形状を有する超薄板難加工材(板厚0.05MM)を使用した電磁シールド機能を持つ深絞り成形品の製造法補を確立し、使用環境の厳しい電子機器(パソコン及び車載用コンピュータ等)に採用されることを目指す
開発した技術のポイント
・高度プレス加工技術により、コルゲート形状を有する超薄板難加工材を使用した電磁シールド機能を持つ深絞り成形品の製造方法を確立する
-難成形材の超薄板・微細コルゲート加工による電磁シールド・熱対策深絞り成形品の開発
-高放熱性・静音性→CPU温度64℃、騒音30dB以下
-高電磁シールド性
(新技術)
<曲げ加工→深絞り加工→トリム加工>
・成形前に板を波形・ひだ模様にすることで材料がワレる欠点を回避
・薄くても表面の波形・ひだ模様で剛性確保、複雑な製品形状が可能
(特徴)
・超薄板の電磁シールド(FeAl)材料で複雑形状に成形加工可能
-板材に波形・ひだ模様を施すことにより、超薄板(板厚0.04mm)でも成形性を確保
-表面波形・ひだ模様により成形品単体でも剛性があり小型・軽量化実現
・プレス成形工程のみで製造できるため、量産化可能
具体的な成果
・CPUを覆うカバー方式の冷却方法の確立
-PCの冷却方式として、従来なかった新構造であるCPUを覆い込むカバー方式を、0.04mm箔板のマイクロコルゲート化により実現
-カバー構造をダクト状に最適設計し、CPUで発生した熱風に外気冷風を取り入れ、CPU局部を換気し、冷却を効率化。CPU熱源温度64℃を達成
・静音性
冷却FANの消費電力を半減し、同時にFAN騒音の静音化(30dB以下)を実現
・電磁シールド性の検証
CPUを覆いこむことによる付帯効果として、CPUより発生する電磁ノイズの発生源での電磁シールドを実施。47dB(30mHz~300mHz)以上の電磁シールド能力を実現
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「多方向波付け材の製造方法、多方向波付け材及び波付け材の製造方法」(特願2011-210164)、「検査装置、及び検査方法」(特願2011-210151)
・雑誌:「公的支援を活用した試作開発Ⅲ」(プレス技術、2012.1月号)
研究開発成果の利用シーン
開発した加工技術により、筐体内のスペースを確保しつつ、熱対策及び電磁波遮蔽することができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H27年度の実用化を目指す
・100mm程度の材料シート作成用の試作機及び材料シートサンプルあり
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・複雑形状化→新加工法により、これまで一体成型できなかった深絞り成形が可能に
・新方式の実現→超薄板材の一体成型カバー+ファンで冷却性能64℃以下(CPU相当)、電磁シールド性能47dB(30~300mHz)を実現
・剛性向上→超薄板材に開発した成形加工を施すことで、等価板厚で約2倍の剛性を持たせることを可能に
今後の実用化・事業化の見通し
・補完研究を継続中、電機・自動車メーカーへの販路開拓を目指す
-岐阜大学と電磁シールドメカニズムの理論的整合性の構築に向けた補完研究を継続中
-展示会等を利用して川下企業のニーズ、需要の状況、技術的な動向を調査中。まず、電機メーカーに対しCPU等の放熱用熱対策及び電磁シールドカバーの販路開拓を行い、その納入実績を基に、ハイブリット車、電気自動車を中心に自動車メーカーに営業展開する
実用化・事業化にあたっての課題
販路開拓
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 三和パッキング工業株式会社 インシュレータ開発部インシュレータ開発課 |
---|---|
事業管理機関 | 三和パッキング工業株式会社 インシュレータ開発部インシュレータ開発課 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 イノベーション推進センター 国立大学法人岐阜大学 工学部 株式会社SiM24 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 森ノ宮センター 物質・材料研究部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 三和パッキング工業株式会社(法人番号:8120901023996) |
---|---|
事業内容 | 自動車用・農機用・航空機用・船舶用・石油化学用のガスケット・パッキング類、カバー類の開発・設計、製造及び販売 |
社員数 | 170 名 |
生産拠点 | 大阪府豊中市利倉2丁目18番5号 |
本社所在地 | 〒561-0845 大阪府豊中市利倉2-18-5 |
ホームページ | http://www.sanwa-packing.co.jp |
連絡先窓口 | インシュレータ開発部部インシュレータ開発課次長 中野泰行 |
メールアドレス | nakano@sanwa-packing.co.jp |
電話番号 | 06-6863-0918 |
研究開発された技術を探す