精密加工
材料ロス、加工時間、加工エネルギー、コスト削減、納期短縮可能な一体構造で高品質な真空容器の製造
新潟県
タンレイ工業株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 真空装置用ステンレス製大型容器の多様な形状に対応する新加工技術の開発-リング鍛造と熱間フローフォーミングの複合化- |
---|---|
基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械、食品、半導体、工作機械、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(その他)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | スピニング、一体成形 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
真空装置用のステンレス製大型複雑容器は、加工硬化の大きさからニアネットシェイプ化が困難である。現状は余分な取り代を設けた鍛造品の切削や溶接により製造しており、加工時間の短縮と大きな材料ロスの削減が課題である。本研究は、このような容器に対しリング鍛造とフローフォーミングによる複合成形技術を開発する。加工時間と材料ロスの課題を解決して環境負荷を低減しつつ、従来製品に比べ1/2の低コストを達成する
開発した技術のポイント
一体構造で高品質な容器の実現と、素材重量6割削減、加工時間1/3以下、の実現
(従来の海外調達品との比較)
(新技術)
「リング鍛造」と「フローフォーミング」を組み合わせた複合成形法を開発する
(新技術の特徴)
高品質容器の製造における歩留まり向上、コスト削減を実現する
具体的な成果
・これまで前例のない、大変形を伴う逐次加工であるフローフォーミングのシミュレーション技術を確立し、成形中の材料の流れ、発生するひずみと応力の分布、加工荷重などを解析できるようになったことで、新加工法の開発に必要な成形条件の検討を効率よく行うことができた
・重量削減目標を満たす素材から、ニアネットシェイプ化に適した中間素材を成形できるリング鍛造技術を開発した
・加えて、再加熱条件の最適化、開発したシミュレーション技術を活用したフローフォーミング成形条件の検討を行い、目標形状への成形を実現することができた
・必要な検査項目および検査方法で成形品の検証を行い、川下企業からの要求を満たすことができた
・また、量産化を想定した試作用ラインを開発し、各工程の効率化を検討することで、目標とするサイクルタイムを実現した
知財出願や広報活動等の状況
名称_フローフォーミング成形方法及びフローフォーミング成形装置
・出願番号2017-077878
・特許番号2018-176209
研究開発成果の利用シーン
・難加工材であるSUS304に対応した新たな成形技術
・一体構造で高品質な真空容器
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
開発製品の受注数を記載
2016年度_185個 2017年度_200個 2018年度_365個 2019年度中間_100個
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・従来製造法に対して、材料ロス1/4以下、加工時間1/2以下にする
・さらに加工エネルギーの50%削減によって、製造コストおよび納期を1/2以下としながら、一体構造で高品質な容器を提供できる
今後の実用化・事業化の見通し
・開発対象製品については、川下企業への出荷を開始して事業化することができた
・開発技術は多様な製品形状へ適用できることから、他分野からも引き合いを受けている
・今後、販路拡大へ向けて、更に市場調査等を進めていく予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | タンレイ工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人新潟市産業振興財団 |
研究等実施機関 | 新潟県工業技術総合研究所 |
アドバイザー | 株式会社ナカタニ、令和特殊鋼株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | タンレイ工業株式会社(法人番号:2110001012469) |
---|---|
事業内容 | リング鍛造・熱処理・旋削・焼戻・研削・組立まで一貫対応 |
社員数 | 280 名 |
本社所在地 | 〒957-0082 新潟県新潟県新潟市北区太田甲104番地1 |
ホームページ | http://www.tanray.co.jp/ |
連絡先窓口 | 藤岡智裕 |
メールアドレス | info@tanray.co.jp |
電話番号 | 025-387-1050 |
研究開発された技術を探す