複合・新機能材料
親水性・疎水性双方の吸着、分離が出来るナノ繊維を開発
滋賀県
株式会社レイマック
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ナノ繊維の複合化および混合化を実現するための水溶媒を用いた加工装置の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、産業機械、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮 |
キーワード | ナノ繊維、製造装置 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現状、ナノ繊維の製造には溶剤が溶媒として用いられており、それがボトルネックとなり単一の樹脂原料による単一素材のナノ繊維しか製造できないという状況にある。このような現状に対して本事業では、水を溶媒として用いてナノ繊維を製造する技術を確立した上で、その技術を応用してナノ繊維の複合素材および混合素材を製造する技術を確立すると共に、両技術を用いたナノ繊維加工装置の開発を目指す
開発した技術のポイント
溶媒を「水」単一とすることにより、ナノ繊維の複合素材・混合素材の生産を容易に
・水溶媒によるナノ繊維生産の実用化
・生産性を向上させる技術の開発
(新技術)
<水溶媒を使用することによる、ナノ繊維の複合素材・混合素材の実用化>
・疎水性原料からなるナノ繊維、親水性繊維からなるナノ繊維を複合化(混合化)することにより、様々な物質の吸着・分離に対応することが可能
・溶媒を水とするため、樹脂原料の回収及び再利用が容易である
具体的な成果
・加工装置の開発
-安定生産のため、ノズルに+形スリットを入れ、りつつあるものまでは作製できたが、ナノ繊維の安定生産には至らなかったテーラーコーンの安定形成を確認
-原料溶液を供給後、一度容器に溜める形で回収し、濃度の確認や調整の上で再度原料として投入できる設計を検討
-ベルト、帯状の製品蛇行防止のため、振り子式の蛇行防止装置を採用
-基布の巻出し・巻取り機構には、紡糸面の損傷を極力減らすために通常の方式(テンションコントローラー方式)ではなく、PLCを使ったオープン制御方式を採用
・汎用性樹脂原料を開発
-汎用性樹脂原料(ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリエステル)を水溶媒で溶かすものとし、フィルムテストを実施した上で樹脂を選定
-架橋剤を選定し、一定の濃度で投入することで、分子内架橋が発生することを確認
-曳糸性機能付与剤の適性投入量を確認し、溶液濃度や温度による必要投入量の違いについて検討
-試作の結果、ナノスプレー状態からナノ繊維になりつつあるものまでは作製できたが、ナノ繊維の安定生産には至らなかった
知財出願や広報活動等の状況
出展:びわこ環境ビジネスメッセ(H24.10)
研究開発成果の利用シーン
環境に優しく安全性の高い医療用途向け製品(手袋等)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年度に事業化見込み
・無償でのエレクトロスピニング装置デモンストレーション可能
・なお、ナノ繊維原料に関しては弊社のサンプルは無償・依頼者からの原料持込について、有償/無償の別は別途検討
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・環境負荷削減→有機溶剤を使用しないことにより、環境への負荷を削減できる
・低コスト化→有機溶剤を使用しないことにより、溶剤回収・分離装置・対暴露機構にかかるコストを削減できる
・汎用性向上→ナノ繊維の複合化・混合化を行うことでより広範囲の物質に対応可能なナノ繊維製品になる
今後の実用化・事業化の見通し
事業化に向け、ポリエチレン以外の樹脂原料も対象に研究を行うとともに、展示会等での装置紹介と導入検討企業へのアプローチを進めていく
・サポイン事業の実施により、ポリエチレン樹脂原料の水溶媒化でのエレクトロスピニング紡糸の研究し目処がついた
・今後はポリエチレン以外の樹脂原料の水溶媒化でのエレクトロスピニング紡糸の研究を行っていく
・事業化に向け、県内実施展示会等での装置紹介と導入検討企業へのアプローチを進めていく。某メーカーが要望する材料での紡糸の研究と紡糸条件範囲内での機能性評価を行うことで商談が進行中である
実用化・事業化にあたっての課題
平成27年に会社方針により事業化を断念した。
事業化に向けた提携や連携の希望
3.3方針のもと以降本事業を再開することは現時点ではない。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社イマック 第3工場 |
---|---|
事業管理機関 | 株式会社イマック ヘルスケアグループ |
研究等実施機関 | 工業技術センター |
アドバイザー | 長浜工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社レイマック(法人番号:4160001015944) |
---|---|
事業内容 | LED照明機器、FA機器、ヘルスケア機器の開発・製造・販売 |
社員数 | 140 名 |
生産拠点 | 滋賀県守山市幸津川町1551番地 |
本社所在地 | 〒524-0215 滋賀県守山市幸津川町1551 |
ホームページ | http://www.kkimac.jp |
連絡先窓口 | ヘルスケアグループ 今堀勇三 |
メールアドレス | imabori@leimac.jp |
電話番号 | 077-585-6767 |
研究開発された技術を探す