複合・新機能材料
高強度多軸織物を完成、短時間で耐震補強が完工する新たな工事法を開発、作業の効率化に貢献
静岡県
サカイ産業株式会社
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 耐震補強を主目的とした多軸織物を使用した高速成形技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | コスト削減 、高速成形、工期短縮 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
耐震補強用高機能繊維に於いて高強度で寸法安定性に優れた多軸の織物が求められている。また作業効率を図る為、樹脂の硬化時間短縮・制御が課題となっている。斜め方向の強度をアップした高機能多軸織物の開発と短時間で硬化する樹脂の開発及び成形条件の確立を目指す
開発した技術のポイント
タテとヨコで構成される二軸の高機能繊維に45度の角度でナナメ糸2本が交錯する繊維を挿入し強度と寸法安定性の良好な多軸織物を開発する耐震補強に用いる樹脂の開発により、硬化時間の短縮を実現する
(新技術)
・タテ・ヨコ方向に加えナナメ糸を挿入する
・樹脂材料、成型条件の開発を実施する
(新技術の特徴)
・織物の強度が向上する
・樹脂の硬化時間の短縮により、作業の効率が上がる
具体的な成果
・斜め糸を挿入した高強度多軸織物の完成
‐タテとヨコ糸で構成される二軸の高機能繊維に45度の角度で斜め糸2本が交錯する繊維を挿入し、高強度多軸織物を完成した
・新たな樹脂の開発
‐作業性の向上とコスト削減の達成に必要な十数分で硬化する新たな樹脂を開発した
・加圧圧着冶具を試作し、補強施工試験を行い施工に問題の無いことを確認
研究開発成果の利用シーン
・トンネル補強用のアラミド繊維多軸基材およびトンネル補強工法
・ドーム屋根の基材など耐震補強以外に等方性強度が必要な用途への基材
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
模擬トンネルでの施工試験においては物性に優位性がある多軸織物を使用し、近赤外線照射機を使用することで数十分で硬化させることが可能となったが、実際のトンネル剥落防止の工事現場では作業環境により硬化時間が変化することが予想されるため、さらなる検証が必要である
製品・サービスのPRポイント
従来と比較し、施工時間が短く低コストなトンネル補強工法が提供可能
‐現行の工法に比べ、耐震性に優れている、施工時間が短い、資材コストが少ない、と言ったメリットがある
‐特に施工時間の短縮は高速道路など施工時間が限られている場所においては大きなメリットと考える
・汎用性に優れた多軸織物を提供可能
‐耐震補強用途以外にも等方性強度に優れた基材が必要な用途にも展開出来る
今後の実用化・事業化の見通し
・建設後50年が経過した橋梁やトンネルの占める割合は現在15%から20年後には60%に増加すると試算されており、維持・修繕の工事は増加が推測される
・基材の改良(圧縮強度の向上、クリンプ量の低減、壁面との接着性の向上)を行い、よりメリットの大きな基材にした後、本プロジェクトにて開発したトンネル補強工法のメリット(耐震性向上、施工時間の短縮、資材コストの低減)や開発工法を業界、関連機関に提案し、販売の促進を進める
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | サカイ産業株式会社 |
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事業管理機関 | サカイ産業株式会社 |
研究等実施機関 | 静岡県工業技術研究所浜松工業技術支援センター ファイベックス株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | サカイ産業株式会社(法人番号:8080001013036) |
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事業内容 | 繊維加工およびFRPの成形加工 |
社員数 | 189 名 |
本社所在地 | 〒427-8512 静岡県島田市細島1349-1 |
ホームページ | http://www.sakai-grp.co.jp |
連絡先窓口 | 塚口道弘 |
メールアドレス | michihiro-tsukaguchi@sakai-grp.co.jp |
電話番号 | 0547-35-2727 |
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