立体造形
A4サイズのフィルム・レジストの均一成形を実現するナノインプリント装置
神奈川県
SCIVAX株式会社
2020年4月9日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 空圧による均一加圧を実現する大面積ナノインプリント装置の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、工作機械、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 大面積ナノ加工、光学特性向上、レジスト成型 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
地球温暖化解決の切札の一つに、次世代照明としてのLEDや有機EL等がある。その普及には光取出効率向上によるエネルギー効率の改善が必須である。解決策としてナノインプリントによる素子内境界面への無反射構造形成があるが、実現には大面積加工と製造コストの低減が必要である。本開発では、ガス圧により均一加圧を実現する大面積ナノインプリント技術(基本特許成立済)を確立し、国内同産業の世界的競争力向上を目指す
開発した技術のポイント
均一加圧を実現する大面積ナノインプリント技術の確立
・急速加熱冷却→100℃/分の昇温・冷却
・加圧制御機構→目標圧力3MPa
・均一加圧ナノインプリント装置の試作
・A4サイズのナノインプリント成形の試作→均一加工
(新技術)
<均一加圧方式>
(特徴)
・加圧力は完全均一
(金型のうねり・歪みの影響無し)
・メカニズムがシンプルでメンテナンスが簡単
・装置が安価にできる
・原理的にスケールアップが容易
・加圧制限がない(UV加工)
・金型のダメージは最小限に抑えられる
・熱容量が小さく加熱冷却速度が速い
具体的な成果
・急速加熱冷却機構、加圧制御機構からなる均一加圧ナノインプリント装置を開発
‐急速加熱と、急速冷却が同一ユニットで可能な機構を開発
‐耐加圧4.7MPa、減圧能力50Paの加圧制御機構を開発
‐上記機構を元に、均一加圧ナノインプリントを試作
・A4サイズを試作、フィルム成形・レジスト成形共に、高い転写性を実現
‐A4サイズのナノインプリント成形を試作、従来品と同等以上の均一加工を確認
‐シリコン金型により熱可塑性樹脂フィルムへの転写を熱ナノインプリントにて実施、均一充填、高い転写性を実現
‐上記で作成したパターンフィルムをフレキシブル金型として用い、ガラス基板上の薄膜レジストへの転写を実施、均一充填、高い転写性を実現
・急速加熱冷却システム、加圧/減圧シール性能、減圧機構を評価
‐急速加熱冷却システムは、昇温速度、冷却速度について△100℃/分を達成
‐減圧性能及び加圧性能は精密転写に必要なレベルを達していることを確認
‐減圧機構は、減圧による脱気、気泡混入による欠陥なしを確認
知財出願や広報活動等の状況
特許:出願特許2件
研究開発成果の利用シーン
開発した大面積ナノインプリント技術により、大型ディスプレイなどの光学特性向上や、バイオチップの大量生産によるコストダウンなどに寄与可能である
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功し、当初は、凸版印刷と提携し、大面積ナノインプリントによるナノ加工受託事業の立ち上げを検討したが、現在ペンディング。そのため、昨年(R1年)に信越エンジニアリングと提携。装置販売事業の検討を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・省エネルギー化→次世代照明機器の光取り出し効率を向上することによりエネルギー効率を大幅に改善
・低コスト化→高価な半導体装置等を持ちいらなければならなかった微細加工が、低コスト(1/100程度)で実現することが可能
今後の実用化・事業化の見通し
川下企業で施策テストを実施、H25年度以降採用見通し
・複数の川下企業に対し、実用化に向けた試作テストを繰り返し実施している。川下企業では、製品に組み込み性能評価を実施し、当社加工技術の有効性を確認
・量産装置として導入するには今回開発したナノインプリント装置部分に加え、搬送系等を加え、自動化装置することが重要。今後、具体的案件の中で装置の自動化を進めていく
・現在評価を進めている川下企業でH25年度以降徐々に採用が開始される見込み
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | SCIVAX株式会社 研究所 |
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事業管理機関 | 株式会社キャンパスクリエイト |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | SCIVAX株式会社(法人番号:6020001078417) |
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事業内容 | ナノテクノロジー・バイオテクノロジーに関する技術開発、製品製造・販売 |
社員数 | 37 名 |
本社所在地 | 〒212-0032 神奈川県川崎市幸区新川崎7-7 NANOBIC 2001 |
ホームページ | https://www.scivax.com/ |
連絡先窓口 | 取締役副社長 奥田徳路 |
メールアドレス | nil-contact@scivax.com |
電話番号 | 044-599-5051 |
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