接合・実装
自動車の安全性を向上させる高精度・低価格のレーザ溶接型テーラードブランク製造装置
富山県
株式会社小矢部精機
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 汎用多関節ロボットを用いたレーザ溶接による高精度、高品質かつ低コストなテーラードブランク製造装置の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 異種材接合、ロボット適用技術、高速溶接、非直線溶接 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界からは、溶接によるテーラードブランク構造部材の国内外価格競争に対応するため、高寸法精度と低コストで製造できる自動溶接加工装置の開発が強く望まれている。本研究開発では、ファイバーレーザと産業用ロボットを一体化し、ビームスポットのツイン化による開先ギャップ裕度の改善及びレーザセンシングによる溶接軌跡補正技術を併用し、高精度、高品質かつ低コストなテーラードブランク製造装置の開発を行う
開発した技術のポイント
自動車部材製造用の高精度・高品質かつ低コストなテーラードブランク製造装置の開発
・レーザによるテーラードブランク溶接技術の確立→溶接速度:従来比20%向上、耐ギャップ裕度:0.1mm→0.3mm
・高精度及び高速ロボット溶接のための位置決め技術の確立→ロボット軌跡精度:0.02mm以内
(新技術)
<ファイバーレーザによるテーラードブランク溶接>
・溶接条件最適化技術、ロボット軌跡精度最適化技術の導入
・レーザセンシングによる位置制御を図り高品位な溶接を実現
・耐ギャップ裕度の向上、高い安定性と従来機同様の溶接速度の実現
・短納期、低価格
・スペース効率に優れる
具体的な成果
・ギャップ裕度増大に必要なレーザスポット径を確認
‐ギャップ裕度の増大は、レーザスポット径の拡大、金属の溶融量のコントロールにより可能なことが判明
‐ギャップに対する必要スポット径を机上にて算出可能に
‐レーザスポット径をギャップに対して適切に設定した場合、溶接速度が著しく低下する課題が判明
・耐ギャップ裕度0.3mm、溶接速度従来比20%向上を達成
‐シングルスポット法で、小スポット径レーザを大きくデフォーカスさせて溶接を行う手法により上記課題を解決
‐耐ギャップ裕度を0.3mmに拡大。従来のランプ励起YAGレーザに比べ溶接速度の20%向上を達成
‐ツインスポット法により、溶接面のビート形状と機械的強度を改善
・位置決めは目標であるロボット軌跡精度0.02mm以内を達成
‐溶接線をロボット正面方向とすることで、ロボット軌跡精度が最適となることが判明
‐インラインシーム計測装置を併用することでロボット軌跡精度が著しく改善
‐結果、研究目標であるロボット軌跡精度0.02mm以内を達成
知財出願や広報活動等の状況
・新聞:北日本新聞「技あり富山─新たな挑戦─レーザ溶接」(H22.5.12)
・雑誌:財団法人富山県新世紀産業機構HP「『産学官が生む金の卵』ロボットに命を吹き込むものづくり」(H22.12.6)
研究開発成果の利用シーン
本テーラードブランク製造装置を開発することにより、高精度・低コストでのテーラードブランク材の製造が可能になり、自動車の安全性向上と低コスト化が進む
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・多関節ロボットを用いたレーザ溶接機が試作機として現存。また、現在はファイバーレーザ発振器を保有しているため、研究継続に支障はない。しかしながら、実用化は果たしたが、既存の加工機を超える圧倒的なコストパフォーマンスを求めて研究継続中
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:非直線溶接可能な加工機としては従来機より20%程度の価格低減
・複雑形状化:多関節ロボットの導入により非直線溶接への適用が可能
・省スペース化:多関節ロボットの導入により溶接治具の配置の自由度が増し、省スペース化
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究を継続し、川下企業への導入を目指す
・非直線溶接について補完研究を継続中
・ロボットの軌跡精度向上の必要性があり、ロボットの配置の最適化、制御アルゴリズム、ティーチング手法の最適化について研究を継続中
・H24年度には、川下企業に設備導入及び研究過程における派生技術の導入を働きかけ、導入実績を足がかりに、他の企業への販路開拓を行う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社小矢部精機 技術部 開発課 |
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事業管理機関 | 公益財団法人富山県新世紀産業機構 |
研究等実施機関 | 富山県産業技術研究開発センター |
アドバイザー | 住友商事(アドバイザーはすでに退社) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社小矢部精機(法人番号:6230001009004) |
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事業内容 | 大型プレス周辺装置やレーザシステムをはじめとする自動省力化機械や各種専用加工機械を設計、製造しているメカトロニクスメーカー。独自の営業展開及びオリジナル製品の積極的な開発設計を進め、近年の自動車製造におけるモノ作りに対する革新や改善の要求に応えるべく、レーザシステム等の開発設計にも成功し、メーカーとしての地位をより確実なものとしている |
社員数 | 120 名 |
生産拠点 | 富山県小矢部市及び富山市に生産拠点あり、中国上海、米国、タイに販売及びサービス子会社あり |
本社所在地 | 〒932-0137 富山県小矢部市渋江2020 |
ホームページ | http://www.oyabe-seiki.co.jp |
連絡先窓口 | 常務取締役砂博信 |
メールアドレス | hironobu_suna@oyabe-seiki.co.jp |
電話番号 | 0766-69-8132 |
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