表面処理
有害物質を含まず、硬質クロムと同等の硬さをもつ多元系無電解ニッケルめっき皮膜の開発
秋田県
秋田化学工業株式会社
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 硬質クロムめっき代替めっき技術の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 環境配慮 |
キーワード | クロムフリー |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
各種ロール、シリンダー、金型に硬さを目的とした硬質クロムめっきがこれまで行われてきた。しかし、世界的に有害物質の規制が強化され、硬質クロムめっきで使用される六価クロムを使用しない処理方法が求められている。そこで、六価クロムを使用しない無電解めっきに着目し、合金成分を調整することで、硬質クロムめっきと同等の硬さを有する代替めっき技術を開発する
開発した技術のポイント
硬質クロムめっき並みの硬さ・性能をもつ無電解めっき皮膜を開発
・硬質クロムめっき並みの硬さ
→目標:皮膜の硬さ:Hv800以上(安定的にHv750以上)
・印刷用ロールにめっきを施した実証実験
→目標:硬質クロムめっきと同等以上の性能
(新技術)
無電解ニッケルめっき
(利点)
・均一電着性が非常に良好
・有害物質の使用なし
・めっき作業環境が良好
(欠点)
・めっき皮膜硬度が低い(Hv500前後)→Hv800以上
具体的な成果
・約Hv700の硬さをもつ多元系無電解ニッケルめっき皮膜を開発
‐無電解ニッケルめっき液にコバルトイオンとタングステン酸イオンを添加した新しいめっき(多元系無電解ニッケルめっき)皮膜を開発
‐一般的な無電解ニッケルめっき皮膜より硬い約Hv700の硬さ
‐目標であるHv800以上の硬さは、部分的に得られたが平均値としてはそれ以下・めっき皮膜の組成変化により硬さの向上が認められる
‐めっき液組成を変化させてもめっき皮膜の組成変化は予想以上に小さかった
‐だが、めっき皮膜の組成を変えることで硬さの向上が認められた
‐ほぼ同一組成でも硬さが異なる場合があるため、皮膜結晶構造が影響している可能性もある
・印刷機用ロールにおける実証実験を実施
‐実証試験として印刷機用ロールに多元系無電解ニッケルめっきを適用‐単色の印刷テスト、耐食性は、問題なし
‐耐摩耗性は、硬質クロムめっき処理と比べ若干劣るが、今後、硬度の向上による耐摩耗性向上の可能性がある
研究開発成果の利用シーン
印刷用ロール等のめっき処理に、従来の硬質クロムめっきに代えて多元系無電解ニッケルめっきを活用することにより、六価クロムによる有害物質問題を解決できる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・添加成分の有害物質指定に伴い、代替技術を検討中
・サンプルなし
提携可能な製品・サービス内容
技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:10%以上の工数削減が可能
・環境負荷削減:環境負荷0が可能
今後の実用化・事業化の見通し
有効な添加成分が新たに有害物質に指定されたため、代替技術を検討中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 秋田化学工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人あきた企業活性化センター |
研究等実施機関 | 日本カニゼン株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 秋田化学工業株式会社(法人番号:3410001005144) |
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事業内容 | めっき |
社員数 | 80 名 |
生産拠点 | 秋田県にかほ市、秋田県横手市 |
本社所在地 | 〒018-0402 秋田県にかほ市平沢字井戸尻81 |
ホームページ | https://www.akita-kagaku.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 丹野恭行 |
メールアドレス | info@akita-kagaku.co.jp |
電話番号 | 0184-37-3166 |
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