接合・実装
リチウムイオン電池封口板用の高気密接合封止技術
岩手県
株式会社東亜電化
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 車載用リチウムイオン電池封口板向け高気密接合封止技術の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | 異材接合、射出成形接合、樹脂・金属接合 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
車載用リチウムイオン電池における封口板の封止部(金属と絶縁用樹脂の接合部)は、小型化、長寿命化への対応が課題となっており、現在の接合封止技術である「カシメ」では対応できないことから、今回、新たな接合封止技術として、表面処理技術とインサート成形技術を併用した金属と樹脂の接合封止技術を開発し、川下企業ニーズである15年経過後の金属・樹脂間の「推定剥離長0MM」を可能とする封口板製造技術を確立する
開発した技術のポイント
表面処理技術とインサート成形技術を併用した金属と樹脂の接合封止技術の開発
・リチウムイオン電池の封口板の封止部(金属と絶縁用樹脂の接合)の長寿命化
→15年経過後の金属・樹脂間の剥離長が自動車メーカーの要求スペックをクリア
(新技術)
金属の被膜形成+インサート成形(特徴)
・15年経過後の金属・樹脂間の剥離長が自動車メーカーの要求スペックをクリア
・小型化に対応
具体的な成果
・金属表面への新規接合被膜形成技術の開発
‐アルミニウム金属の被膜劣化を促進させる酸根が含有しない接合被膜を形成するための条件最適化、量産化に向けた処理条件を確立
‐銅金属の被膜劣化を促進させる酸根が含有せず表面を保護する接合被膜形成の被膜工程、絶縁性樹脂との反応性を向上させる表面改質工程の最適化、量産化に向けた処理条件を確立
・インサート射出成形接合技術を開発
‐新規接合被膜と樹脂の接合反応を増大するインサート射出成形接合技術を開発
‐成形複合製品のひずみ低減技術を開発、金属基板表面でのひずみ(残留応力)をほぼ0に
‐熱プレスした接合試験片は、連続高温高湿試験でも剥離が認められなかった
・15年経過相当時でも封止部の剥離長が自動車メーカーの要求スペックをクリア
‐サンプルの耐久性試験を実施
知財出願や広報活動等の状況
・出展:「ネプコンジャパン2011」、「精密・微細加工技術EXPO」(H23.1)、「成形加工シンポジア2011」(H23.10)
・新聞:日本経済新聞(H22.9.3)
・雑誌:日経ものづくり(H23.6)
研究開発成果の利用シーン
車載用リチウムイオン電池の封口板の封止部に用いられる。さらに各種部品の接合封止技術として応用展開が可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・派生技術として防水スマートフォン筐体の接合封止技術として採用されている。
・車載用リチウムイオン電池関連では国外メーカにサンプル提出して評価段階。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・耐久性向上:15年経過相当時でも封止部の剥離長が自動車メーカーの要求スペックをクリア
・小型化:封止部の気密性が確保され、リチウムイオン電池の小型化に対応
・低コスト化:従来技術より部品点数、工数削減でき、コスト削減が可能
今後の実用化・事業化の見通し
・派生技術として防水スマートフォン筐体の接合封止技術として採用されている。
・車載用リチウムイオン電池関連では国外メーカの評価段階であり2020年度の実用化を目指している。
実用化・事業化にあたっての課題
実用化に向けた技術者不足
事業化に向けた提携や連携の希望
補完研究のため表面分析分野の知見を有する大学、研究機関との研究希望
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社東亜電化 |
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事業管理機関 | 地方独立行政法人岩手県工業技術センター |
研究等実施機関 | 株式会社トーノ精密 地方独立行政法人岩手県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社東亜電化(法人番号:5400001001712) |
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事業内容 | 亜鉛めっき、ニッケルめっき、金めっきなどの一般的なめっきや、デジタルカメラや携帯電話筐体への化成処理などの従来型の表面処理に加え、金属表面への機能性薄膜形成技術を開発。ナノスケールの薄膜で、接合性、離型性等を発現 |
社員数 | 110 名 |
生産拠点 | 岩手県 |
本社所在地 | 〒028-4132 岩手県盛岡市渋民字岩鼻20-7 |
ホームページ | https://toadenka.co.jp/ |
連絡先窓口 | 専務取締役 三浦修平 |
メールアドレス | smiura@toadenka.jp |
電話番号 | 019-683-2101 |
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