精密加工
情報通信用コリメータアレイのニーズに応える高精度な光ファイバ母材の切削研磨加工技術を確立
北海道
フォトニックサイエンステクノロジ株式会社
2020年3月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | コリメータアレイ用光ファイバ母材の高精度切削研磨加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 情報通信、工作機械、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 光ファイバ、光ファイバレンズ、光ファイバコリメータ、光ファイバコリメータアレイ(コリメータアレイ) |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
通信用の高機能光スイッチとしてコリメータアレイの開発が求められているが、川下企業ではアレイ端部に接続するレンズ外径の歪みから製品化歩留まりが10%と低く、歪みの原因である原材料の光ファイバの外径公差を0.25MM±0.0001MMとする技術開発が課題となっている。この解決のため、本研究開発では、光ファイバ作製用母材の外径公差を20MM±0.01MMとするための高精度切削加工技術を開発する
開発した技術のポイント
光ファイバ母材作製精度の向上および高精度な切削加工装置の開発
・光ファイバ母材作製精度の高度化→光ファイバ母材の外径公差を従来のψ20±0.1mmからψ20±0.01mmに
・難削材である光ファイバ母材の高精度切削加工装置の開発→製品化効率向上を目的に切削研磨加工限界を従来の10cmから40cmに
(新技術)
・光ファイバ母材
<外形20mm±0.01mm>
‐レンズ加工時の外形交差が従来の1/10
‐レンズ作成歩留まり100%達成可能
‐コリメータアレイの量産化、1/2の低価格化に対応
・切削加工装置
<新・高精度切削加工方式(回転機構)>
‐最大研磨長40cmで経済的
‐外形交差が±0.01mmでレンズ製品化ロスを解消
具体的な成果
・両面研磨装置により、光ファイバ母材の外径公差および母材長さの目標値を達成
‐母材を自転・公転させながら研磨する両面研磨装置を開発し、従来の光ファイバ母材を用いて外径公差ψ20±0.01mm以下、加工限界長(母材長さ)40cmを実現
・研磨材濃度の最適化、定盤の温度上昇抑制に成功
‐研磨材濃度および両面研磨装置の上定盤圧力、下定盤回転速度を最適化
‐切削研磨装置の発熱抑制機構を開発し、加工精度低下の要因となっている定盤と母材との摩擦熱並びに定盤の温度上昇の抑制に成功
・光ファイバ母材用の外径測定装置および偏芯測定システムを開発
‐研磨した光ファイバ母材の外径測定装置を開発し、直径0.08~30mm、長さ10~1,000mm、0.1μm単位での高精度な測定が可能に
‐光ファイバ母材の偏芯測定システムの開発により、光ファイバのNFP、FFPの測定結果から屈折率分布を導出。屈折率測定結果から光ファイバの偏芯量の解析が可能に
・光ファイバ母材の外径公差±0.01mm以下、母材長さ40cmを達成
~予め外径公差30μmに外削した光ファイバ母材(40cm)を開発した両面研磨装置に投入し研磨を実施、目標値の外径公差±0.01mm以下、母材長さ40cmを達成~
・研磨材濃度・上定盤圧力・下定盤回転速度の最適条件を導出
~両面研磨装置による研磨に際して、研磨材濃度25%、装置の上定盤圧力を4.8kgf/本、下定盤回転速度25rpmの研磨レート最適条件を導出~
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「光学アレイ」(特許4865585)
・出展:インターオプト2011(H23.9)
研究開発成果の利用シーン
通信機器、計測機器、医療機器等の従来装置に組み込まれているレンズ系光学部材の代替となるコリメータアレイ用部材等として用い、小型化、軽量化、低コスト化を実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に実用化に成功
・高性能GIレズの製造技術を基にその応用製品の需要が多い
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・精度向上:光ファイバ母材の外径公差ψ20mm±0.1mm→ψ20mm±0.01mmへ
・歩留まり向上:コリメータアレイの歩留まり100%を達成
・量産化:光ファイバ生産効率が大幅向上
今後の実用化・事業化の見通し
通信機器、医療機器、計測機器等向けの一部量産化がH24年度中の目標
・通信機器、医療機器、計測機器業界等からの引き合いに対し製品化技術を確立中であり、H24年度中に一部製品の量産化を予定
・関連技術において川下ニーズに対応したエンジニアリングサンプルの提供、性能評価・耐久試験を実施中
・コリメータレンズの空間伝搬距離の長距離化に関する補完研究を実施。試作品も開発済みで今後製品化に向け技術高度化を図る
実用化・事業化にあたっての課題
素材の均質性を向上する技術の向上素材の評価技術の向上
事業化に向けた提携や連携の希望
素材を自前で作製できず他業者から調達/後工程業者との製品化技術のコラボレーション
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | FIBERLASER R&DCENTER |
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事業管理機関 | 特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアム |
研究等実施機関 | フォトニックサイエンステクノロジ株式会社 株式会社共立鉄工所 学校法人公立千歳科学技術大学 総合光科学部 光応用システム学科 小林壮一研究室 |
アドバイザー | 北日本電線株式会社 部長 佐々木恵逸 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | フォトニックサイエンステクノロジ株式会社(法人番号:7430001044120) |
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事業内容 | 光関連部材の製造販売 |
社員数 | 8 名 |
生産拠点 | 千歳市北信濃776-16 |
本社所在地 | 〒066-0075 北海道千歳市北信濃776-16 |
ホームページ | http://www.psti7.com |
連絡先窓口 | 代表取締役社長小林壮一 |
メールアドレス | jimu@psti7.com |
電話番号 | 0123-42-0575 |
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