精密加工
5軸ヘール加工の実現と目標面粗さの達成
新潟県
株式会社A-TRAD
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 水素自動車燃料電池スタックセル用ガスケット製造金型部品の高精度加工の研究 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 燃料電池、ヘール加工、高精度加工、微細加工、水素自動車 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
2015年水素社会元年にトヨタ自動車のFCV「ミライ」が世界で初めて市販されたが、2020年代からの本格的な普及期を前に、燃料電池スタックセル用ガスケット製造金型部品の高精度加工技術の確立が急務となっている。そこで、鏡面切削、鏡面研削の加工技術を開発するとともに、自動車の燃料電池スタックに使用するセル用金型部品の新たな精密加工技術の確立を目指す。
開発した技術のポイント
成形品の寸法精度確保のため金型の寸法精度±0.005mm以内、離型性確保のため金型の面粗さRa0.04~0.1μm以内(部位によって異なる)。下記に面粗さ向上の研究開発内容を示す
(新技術)
加工材質に合った工具の選定(材質と形状)・切削条件・最適な切削油剤について、工具摩耗の進行が最小となる切削条件を見出す
(新技術のポイント)
・工具選定
・切削条件
・切削油剤
具体的な成果
・NAK80被削材、エンドミル切削加工面、面粗さの向上
‐面粗さRa0.1μmを達成
・5軸ヘール加工の実現
‐各種切削工具の最適条件を確立することで、5軸ヘール加工を実現した。また面粗さRa0.05μmを達成
・広域面の研削加工面粗さの向上
‐砥石の開発、ろ過装置フィルターの研究、また超音波洗浄、超音波振動研削加工の研究で、面粗さRa0.04μm以上を達成
・寸法精度達成のための適切な温度管理
‐ブース内に搬入して、なじむ時間を実験から算出し見える化
‐適正な管理温度の設定(5~9月:23℃、10~4月:20℃)と加工精度の達成
研究開発成果の利用シーン
・燃料電池スタックに使用するセル用ガスケット金型
・高精度金型製造及び同部品製造
・切削加工・研削加工技術向上により、車載用レンズ、光学用レンズ、導光板、医療・計測関係のミラー鏡面加工品に展開可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
2018年4月以降、エンドユーザーである自動車メーカのラインも立ち上がり、燃料電池金型(ガスケット)の販売が軌道に乗ってきた。しかし計画していた、2020年版の製作は少し後倒しの方針で量産体制待ちの状態にある。
今後、決定すれば量産体制を整えていく。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
・成形品の高い寸法精度・離型精度の達成による製品の信頼性向上
・高精度の成形品の生産性向上に伴う量産化の実現によるコスト低減
今後の実用化・事業化の見通し
・2018年4月以降、本製品を出荷・販売予定である。
・2020年版金型増産計画次第である。
・エンドユーザーである自動車メーカーにおける製造ラインも立ち上がり、製造~販売体制は確立した。
実用化・事業化にあたっての課題
2020年版燃料電池の早期立ち上げ
事業化に向けた提携や連携の希望
現在エンドユーザー様に納めるガスケット製造メーカー様と連携を実現した。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社A-TRAD 本社工場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人にいがた産業創造機構 |
研究等実施機関 | 株式会社A-TRAD |
アドバイザー | 新潟県工業技術総合研究所 長岡技術科学大学 株式会社東芝機械 株式会社ステップ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社A-TRAD(法人番号:1110001001101) |
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事業内容 | 金型製造、自動機部品等の機械加工 |
社員数 | 28名 名 |
生産拠点 | (株)A-TRAD 本社工場 |
本社所在地 | 〒950-0134 新潟県新潟市江南区曙町3-7-12 |
ホームページ | http://www.a-trad.co.jp |
連絡先窓口 | 新事業推進部 横山哲也 |
メールアドレス | t-yokoyama@a-trad.co.jp |
電話番号 | 025-250-5765 |
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