精密加工
最先端レーザー加工とダイヤモンドワイヤーを組み合わせた大型精密空中結像光学パネル向け複合切断工法
京都府
有限会社オプトセラミックス
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 精密な大型空中結像光学パネルを実現するためのレーザー加工とダイヤモンドワイヤーソー切削の複合技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、食品、建築物・構造物、工作機械、印刷・情報記録、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 大型化、内部応力、ワイヤーソー切断、精密切断、ストレスフリー |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療機関や食品業界では院内感染や食品衛生上から、操作盤に直接触れずに操作可能な、非接触型表示操作盤の開発の要望があり、その解決手段として空中タッチパネルがある。キーボードサイズの像を得るには空中結像光学パネルの大型化が必須であるため、レーザー加工の前処理と、ダイヤモンドワイヤーソーによる蛇行の少ない切削加工技術を複合化することで精密な空中結像光学パネルを開発する
開発した技術のポイント
積層ガラスブロックの切断における、最先端のレーザー加工とダイヤモンドワイヤー切断を組み合わせた複合切断工法の開発を中心とした、大型精密空中結像光学パネルの製造技術を検討し、確立する
(新技術)
ガラス基板を精密移動させる大型ステージと超短パルス・ピコ秒レーザーの組合せによる独自のレーザー加工機
(新技術の特徴)
空中結像光学パネルの製造における積層ガラスブロックの切断工程の大幅な効率化と歩留まり改善を実現
具体的な成果
・大型ガラス基板へのレーザー加工機による精密加工技術の開発
‐750MM×180MMの大型ガラス基板に対応した超短パルス・ピコ秒レーザー加工機を製作・開発した
‐750×750MMの空中結像光学パネルの試作において、切断後のうねりが500μM以下に低下した
‐ガラスブロックをクーラント液に埋没させた中で切断する工法を見出し、切断時間を従来のクーラント液をワーク上方から滴下する方式に対して65%に短縮した
‐ダイヤモンドワイヤーによる固定砥粒方式による効果等で、シリコンインゴットの切断速度は約4倍に向上した・空中結像光学パネルの製造プロセスの最適化、および空中結像光学パネルの評価方法と評価装置の開発
‐750MM×750MMの空中結像光学プレートの厚みばらつきを0.18MMに抑制した
‐750MM×750MMの積層ガラスプレートを45°方向に切断して得られる500MM角の大型空中結像光学パネルに対応した検査・評価装置の製作を完了した
‐ISO12233規格に準拠する方法で、限界解像度200本以上(200MMあたり)の高解像度が得られた
ISO12233に準拠した解像度チャート
知財出願や広報活動等の状況
‐第5938259号 空中結像用の光学パネルの製造方法
‐第6400453号 空中結像用の光学パネルの製造方法
‐第6392102号 空中結像用の光学パネルの製造方法
研究開発成果の利用シーン
・空中結像光学パネルの製造プロセス
‐大型ガラス基板へのレーザー精密加工機
‐ダイヤモンドワイヤーソーによる高効率かつ高精細な切断加工機
・空中結像光学パネルの評価装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
空中結像光学パネルは、空中タッチパネルなど新しい市場の創出が期待されている。そのため大手素材メーカーや光学機器メーカーなどの参入が相次ぎ競合している。中でも従来のガラス製に比べて安価に大量に生産が可能な樹脂製品の試作品が提供され驚異となっている。本事業の成果物である大型で高精細な空中結像光学素子は、コスト面や供給体制面で現時点での川下企業の計画と離れており、実用化に至っていないが、デジタルサイネージやアミューズメントなどの特殊な用途への展開を目指して、補完研究を行っている。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・最先端のレーザー加工とダイヤモンドワイヤー切断を組み合わせた複合切断工法
‐深さ精度10μMでレーザーを集光し、ガラス基板の内部だけに変性層を形成
‐レーザー変性層のガイド効果でダイヤモンドワイヤーソーの切断カーフのうねりを500μM以下に抑え、約4倍の速度で積層ガラスブロックを切断・空中結像光学パネルの製造方法
‐750枚のガラス基板の積層接着技術、切断した積層ガラスプレートの精密研磨技術による750MM×750MMの空中結像光学パネルの製造
‐試作した光学パネルは、ISO12233規格に準拠する方法で、限界解像度200本以上(200MMあたり)の高解像度を達成
今後の実用化・事業化の見通し
・ガラス基板や接着剤等の原材料コストや、ミラーを形成するアルミ薄膜の成膜コスト等は、空中結像光学パネルの生産量に深く関わるため、ユーザーとのコミュニケーションを密にして、より綿密な生産計画を練り上げる
・実戦投入には設備の一部改造が必要となり、将来的な一層の生産性の向上を想定し、補完研究を継続的に実施する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社オプトセラミックス |
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事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ |
研究等実施機関 | 国立大学法人京都大学 株式会社アスカネット 泉陽光学株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社オプトセラミックス(法人番号:8130002021874) |
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事業内容 | 電子部品、デバイス製造業 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 京都市南区 |
本社所在地 | 〒610-1123 京都府京都市西京区大原野上里南ノ町519-1-405 |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 大西 康司 |
メールアドレス | onishi@optceramics.name |
電話番号 | 075-922-0756 |
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