接合・実装
高強度、低コスト、短工期の鉄骨造建築物の“高性能無溶接耐震補強工法”
岐阜県
佐伯綜合建設株式会社
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高強度繊維材と異種材料端子の締結を利用した鉄骨造建築物の高機能耐震化工法の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 産業機械、建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、低コスト化 |
キーワード | 鉄骨造、耐震補強、アラミド繊維、ブレース、接合 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
大規模地震の発生確率が年々上昇する中、民間建物の耐震化率は依然低い数値を推移している。特に民間鉄骨造建物においては、耐震化に要するコストと工事期間中の営業停止が建物耐震化に踏み切れない大きな要因となっている。当研究開発では高強度繊維材と金属端子の締結方法を利用した耐震補強工法を開発することで、より低コストと短工期を実現し民間鉄骨造建物の耐震性能確保を促進する
開発した技術のポイント
高強度繊維と金属端子の締結用部品及び技術、高耐食性を有する接合用部品を用いた、高強度、低コスト、短工期の耐震補強方法を開発する
(新技術)
・圧縮力を負担しないアラミド繊維材を用いたブレース
・アラミド繊維にプレテンションを導入することが可能な金属締結端子
・耐震ブレースを無溶接で既存鉄骨造建物に接合する技術
・3本のブレースをモーメントを発生させることなく、1ヶ所で締結することが可能な多点接合端子
(新技術の特徴)
・耐震補強部材(ブレースの材料)として高強度繊維材(アラミド繊維)を用いる
・開発した金属締結端子により、既存鉄骨に無溶接で接合する
・多点接合端子によるマンサード形のブレース
・繊維材を用いたブレースとすることで圧縮力を負担せず、地震力等による繰返し応力にも引張耐力を保持する
・アラミド繊維にプレテンションを導入することにより、地震力等によるフレームの水平変位が発生した直後から、本耐震補強部材の耐震効果が期待できる
具体的な成果
・アラミド繊維材の伸縮率の目標値0.9%(締結金物内のすべり量≦5.0mm)を達成
・アラミド繊維補強部材内の圧縮力負担ゼロ、20サイクル正負繰返試験後の引張保証耐力減0%を達成
・金属端子と同等の引張荷重を有するプレートを無溶接接合し、金属端子と既存フレーム締結力≧アラミド繊維保証耐力(引張力)を達成
・接合部を3ヶ所有する多点接合端子≧アラミド繊維保証耐力(100KN) を達成
・樹脂性端子の暴露試験および促進耐候性試験による耐候性30年以上、金属端子同等以上の締結力について、メーカーとの情報交換・ヒアリングを実施
知財出願や広報活動等の状況
・「2017年度版 炭素繊維複合材料分野における 技術シーズ集」 に掲載
研究開発成果の利用シーン
・鉄骨造建築物に無溶接接合による耐震補強が可能であり、火気使用が出来ない建物内での施工が可能である
・高強度で軽量なアラミド繊維材を用いているため、大スパン建物の耐震補強が可能である
・軽量で柔軟なアラミド繊維材を用いているため、作業スペースが少なくて済み、且つ重機を必要としないことから、営業停止とすることなく耐震補強が可能である
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・無溶接接合により火気使用が出来ない建物に耐震補強が可能
・省作業スペースにより工場稼動しながらの耐震補強が可能
・ブレースをマンサード形とすることにより工場内の機械レイアウトの変更なしに耐震補強が可能。(工場内の機械を避けた形でのブレース配置が可能)
今後の実用化・事業化の見通し
・自社工場内での試験施工により検証を行い、今回サポイン事業で顧客アドバイザーを担当して頂いた企業の保有する工場で施工を実施した後、自社既存顧客の保有建物で実績を増やしていく
・既存顧客保有建物での耐震化実績が50件程度になった時点で、全国展開に向けた販促活動に移行し、耐震補強メーカーとして、全国の民間鉄骨造建物の耐震補強を行い、地域社会に貢献できる事業とする
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 佐伯綜合建設株式会社 開発技術部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター 技術振興部 開発支援課 |
研究等実施機関 | 学校法人名古屋電気学園愛知工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 佐伯綜合建設株式会社(法人番号:1200001017484) |
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事業内容 | 総合建設業 |
社員数 | 86 名 |
本社所在地 | 〒509-0302 岐阜県加茂郡川辺町上川辺1643 |
ホームページ | http://www.saekisogo.com/ |
連絡先窓口 | 開発技術部長執行役員可児支店長 辻博久 |
メールアドレス | h.tsuji@saekisogo.co.jp |
電話番号 | 0574-63-1155 |
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