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立体造形

“複合熱伝導性フィラー”を用いた柔軟な高熱伝導性シート

静岡県

株式会社大豊化成

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 柔らかいフィラーを使った低コスト・高性能な熱伝導シートの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、工作機械、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、低コスト化
キーワード 熱伝導性シート、絶縁性、複合フィラー
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車や電気機器は硬度のエレクトロニクス化が進み、使用される電子部品は更なる小型化・高機能化の結果、高い熱が原因で、電子部品の寿命を短くする問題が発生している。その問題の為、発熱体にはヒートシンクが装着される。ヒートシンクと発熱体の熱交換性を高める為に、熱伝導シートが装着されているが、各部品の低コスト化と高効率化が求められている。そのニーズに応えて低コストな熱伝導シートの製造技術を確立する

開発した技術のポイント

安価で摩耗性が低い、熱伝導率が5W/(m・K)の「複合熱伝導性フィラー」を開発する
(新技術)
安価・高硬度の高熱伝導性材料の表面に柔らかい熱伝導性材料を複合した絶縁熱伝導性シート
(新技術の特徴)
柔らかい絶縁性フィラーを用いた熱伝導率4〜5W/(m・K)、体積抵抗率1012Ω・cm以上の絶縁熱伝導性シート

具体的な成果

・開発した試料の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果では、複合粒子の母体となる硬い高熱伝導性材料の表面に柔らかい熱伝導性材料が全体的にみられた
・複合熱伝導性フィラーを用いて樹脂に対し90wt%充填した試料の熱伝導率は5W/(m・K)であり、この試料のアスカーゴム硬度Dは54、体積抵抗率1.21x1012Ω・cm、熱輻射率は0.9であり、特殊処理を加えた複合熱伝導性フィラーを樹脂に充填した複合樹脂の熱伝導率は6.2W/(m・K)であった
・独自に考案した装置を用いた複合熱伝導性フィラーの摩耗性は、硬い高熱伝導性フィラーと比較して摩耗減量は41%少なく、硬い高熱伝導性材料に柔らかい熱伝導性材料を複合させた被膜による効果と考えられる・ウォータリングペレタイザを導入したことにより、複合熱伝導フィラーを充填した良好なペレットが得られた
・複合熱伝導フィラーを充填した複合樹脂を、圧縮成形してシートを成形し、表面が平滑で良好なシートを得た

研究開発成果の利用シーン

柔らかい絶縁性複合熱伝導性フィラーを用いた熱伝導率4~5W/(m・K)、体積抵抗率1.21×1012Ω・cm以上の絶縁熱伝導性シートを電子部品に応用することにより、ヒートシンクの冷却効果を高めることが可能となる。

被膜された硬度が高い熱伝導性フィラー

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

開発をした複合熱伝導性フィラー量産化のため、共同事業をできるパートナーを模索中。

提携可能な製品・サービス内容

共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

本開発の高熱伝導部材を利用することにより、情報家電(パソコン・テレビ・スマートフォン)や自動車(電子回路・バッテリー・LED照明等)用の電子部品は更なる小型化・高機能化・高密閉度化に対応可能となる

試作した複合樹脂シート
今後の実用化・事業化の見通し

今後、情報家電、一般家電や自動車部品への応用を目指して、サンプルを提供する。市場ニーズに応じた高熱伝導性フィラーを事業展開する

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社大豊化成
事業管理機関 公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構
研究等実施機関 地方独立行政法人大阪産業技術研究所
有限会社エス・ジー・ケイ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社大豊化成(法人番号:3080401016592)
事業内容 工業用プラスチック製品加工業
社員数 5 名
本社所在地 〒438-0112 静岡県磐田市下野部1379-2
連絡先窓口 代表取締役 松下成顕
メールアドレス taihoukasei@tkcnet.ne.jp
電話番号 0539-62-2575