立体造形
自動車ガラス窓を従来の無機ガラスからポリマー素材に代替することで40%以上の軽量化
茨城県
株式会社HSPテクノロジーズ
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 無機ガラスに代替可能な透明ナノポリマーアロイの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、情報通信、スマート家電、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 透明ナノポリマーアロイ、曲面構造タッチパネル |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
環境・エネルギー問題に対応するため自動車産業においては軽量化が喫緊の課題である。自動車各部においてプラスチック(ポリマー)素材を積極的に導入して軽量化が図られているが最後の砦となっているのがガラス窓である。窓材をポリマーに代替すれば40%以上の軽量化が実現する。本事業においては新規な高せん断成形加工法により無機ガラスに代替可能な透明ナノポリマーアロイを開発し、自動車用窓材等への製品化を進める
開発した技術のポイント
独自技術(高せん断成形加工技術)を用いて、PC/PMMA系の透明ナノポリマーアロイを開発し、ハードコートが不要な自動車用窓材の創出
(新技術)
高せん断成形加工法によりアロイを透明化、ハードコートが不要な自動車用窓材の創出
(新技術の特徴)
多様な透明ナノポリマーアロイの創製が可能となり、自動車窓ガラスの軽量化に繋がる
具体的な成果
・高せん断成形加工技術により、可視光波長域で80%以上の透過率を有する透明ナノポリマーアロイの創製加工条件を確立し、引張弾性率、引張強度、破断伸びなどの力学特性が、構成ポリマーの組合せ並びに組成によりどのように推移するかの知見を得た
・透明ナノポリマーアロイの最適化により耐摩耗性(耐傷付き性)、耐久性(熱ヒートサイクル)、紫外線吸収性、断熱性(曇りにくさ)などの技術目標値をクリアーし、複屈折性が低減化することも検証できた
・自動車用窓材、照明カバー薄肉化のための適性評価を目指し、3mm厚の窓板評価用平板ならびに2mm厚の照明カバー評価用平板を作るべく、金型から設計を進め、これらの金型を用いてテストピースを作製することができた
知財出願や広報活動等の状況
広報活動は、各種展示会に出展することで弊社材料の周知を図っている。今年度は、3月にファインケミカルジャパン2019、9月にSampe Japan先端材料技術展 2019などに出展した。
研究開発成果の利用シーン
・透明ナノポリマー素材による自動車用ガラス窓(サイドウインドウ)、自動車用照明カバー
・スマートフォンやタブレット端末向けの透明パネル
・車載用静電センサータッチパネル ・PC/PMMA透明アロイの日用品、文房具へのリサイクル品提供
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
自動車用窓材への利用は、現在停滞状況。また、自動車車載用ナビ向けパネルに関してはサンプルを提供中。一方で、大量に廃棄されていたPCとPMMAとを高せん断加工で透明アロイにして、日用品にリサイクルする事業が舞い込んできた。現在、その実証試験を実施中。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・ガラス窓を従来の無機ガラスからポリマー素材に代替することで40%以上の軽量化
・自動車用照明カバーの薄肉化の実現
・複屈折性を低減化した透明パネル
・曲面構造タッチパネル向け透明アロイ
今後の実用化・事業化の見通し
・アドバイザー企業の自動車メーカーはハードコートを望んでおらず、事業化が中座している
・プラスチック窓には耐摩耗性向上のためハードコートが必須であり、プラスチック窓の採用に英断を示すメーカーが今後の業界を牽引すると思われる
・スマートフォンやタブレット端末向けの透明パネル用途においては耐摩耗性指標が鉛筆硬度で指定されているが、ハードコートのプロセスに費用がかかり、こちらも具体的な事業展開は中座している状況である
・車載用透明パネル向けに曲面構造の成形が可能になる透明ナノポリマーアロイが注目されており、この用途には素材に流動性が求められているため粘度の低いPC樹脂に切り替え、事業化を急ぎたいと考えている。 ・現在、大量に廃棄されているPCならびにPMMAを高せん断加工で透明アロイ化し、日用品や文房具へリサイクルする事業が舞い込んできた。その実証試験を鋭意進めている。
実用化・事業化にあたっての課題
自動車窓材への利用は、表面硬度が課題になっている。そこであまり表面硬度を気にしない、車載用ナビ向けのパネルに注目している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社HSPテクノロジーズ事業所 産業技術総合研究所ナノシステム研究部門内 |
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事業管理機関 | 株式会社つくば研究支援センター |
研究等実施機関 | 株式会社HSPテクノロジーズ 池上精工株式会社 |
アドバイザー | 豊田自動織機、兼松、東芝機械 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社HSPテクノロジーズ(法人番号:4020001091256) |
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事業内容 | 高せん断成形加工法を用いた新規ナノコンポジットの開発・製造・販売 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | オフィスとラボは、つくば市千現2-1-6の㈱つくば研究支援センター内 生産拠点は2020年度確保する予定。 |
本社所在地 | 〒305-0047 茨城県つくば市千現2-1-6つくば創業プラザ103 |
ホームページ | http://www.hsp-technologies.co.jp/ |
連絡先窓口 | 清水博 |
メールアドレス | h.shimizu@hsp-technologies.co.jp |
電話番号 | 029-846-2511 |
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