接合・実装
重電産業の超厚板溶接における大出力レーザによる「超厚板高速溶接」
福井県
株式会社ナ・デックスプロダクツナ・デックスレーザR&Dセンター
2020年4月12日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 世界最大出力レーザによる次世代重電産業での超厚板溶接技術開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 産業機械、建築物・構造物、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 超厚板、レーザ溶接、低ひずみ、高速加工、高品質 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
重電産業の超厚板溶接では国際競争の中、生産の効率化が命題となっており大出力レーザによる「超厚板高速自動溶接」が望まれている。しかし超厚板レーザ溶接において発生する膨大なヒューム、プラズマにより溶け込みが不足し溶接不良の原因ともなる。本提案は溶接部の現象を解明しつつ照射ビームを最適化し、ビームプロファイルの監視、溶接点近傍の気流制御技術などにより超厚板材料に対し、省エネと高品質な高速溶接を実現する
開発した技術のポイント
高効率な統合型加工ヘッドの実現、焦点位置の可視化、大出力レーザ溶接用シミュレーション手法の開発
(新技術)
新方式気流制御を用いた統合型加工ヘッドの高効率レーザ溶接、雰囲気制御による高品質レーザ継手を実現する
(新技術の特徴)
溶融池への気流制御技術がキー。超厚板材料に対して、省エネと高品質な高速溶接を実現する
具体的な成果
・気流制御方法に、溶融池周辺のシールドガス吹付けの新方式を採用し、板厚90mmの突合せ溶接部を作製できたが、溶接中の凝固割れによる溶接内部欠陥発生が起こり、雰囲気圧力を低真空下で、内部欠陥が無い板厚150mmの突合せ溶接を実現し、超厚板での高品質レーザ溶接工法の可能性を見出した
・波長1070nm帯の散乱光を可視化できるカメラの画像を取得・制御し、プロファイル表示ソフトを開発した
・数値化ソフトにより、散乱光画像を取得し、画像を連続保存できる動画保存機能も実装しオフライン解析ができた
・大出力レーザ溶接時に特徴的な深溶込み形状は、レーザ出力が最大平均出力100kWとなると、被溶接部材に照射した際には多様で複雑な現象となり再現が困難と判明し、現象論的な考え方も取り入れた新たなレーザ照射機能を開発し、実験結果の溶込み形状に類似する結果となった
研究開発成果の利用シーン
・重電産業用の超厚板材料の省エネルギー化と高品質化を両立させる高速溶接技術
・大出力レーザ加工ヘッド開発技術
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
100kWレーザ加工機を使用した超厚板のレーザ溶接に関する研究開発を継続している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・新技術は、従来技術に比べて、溶接速度171倍、総エネルギー消費量を37%削減し、総合工程率30%削減を達成
・高効率な統合型加工ヘッドの実現、焦点位置の可視化、そして大出力レーザ溶接用シミュレーション手法の開発
・新技術(工法:開先不要レーザ溶接、開先面積:0mm2、溶接回数:2回、溶接速度:114cm/分)
今後の実用化・事業化の見通し
・現工法ではワークが限定化され、ターゲットとする大型構造物では実用性が困難である。そこで、加工点を低真空環境に作り出すノズルの開発が今後の課題となる
・重工業分野である造船やプラントでは現状考えられる対象品は、熱交換器内の給水加熱器、水力発電プラント内の水車ランナー、ITERのTFコイル、溶接以外の工法としてレーザ切断(原子炉の解体・廃炉)が考えられる
実用化・事業化にあたっての課題
市場開拓
事業化に向けた提携や連携の希望
超厚板溶接加工している企業との連携を模索中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナ・デックスプロダクツ |
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事業管理機関 | 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター |
研究等実施機関 | 福井県工業技術センター 国立大学法人大阪大学 株式会社東芝 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナ・デックスプロダクツナ・デックスレーザR&Dセンター(法人番号:8200001017775) |
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事業内容 | 抵抗溶接制御機器の設計・製造、板金製缶加工設計・製造、レーザ加工技術の開発他 |
社員数 | 168 名 |
生産拠点 | 岐阜県に2つの工場を保有 |
本社所在地 | 〒914-0141 福井県敦賀市莇生野62号31番2 |
ホームページ | http://www.nadex-p.jp/ |
連絡先窓口 | 長谷川 博 |
メールアドレス | hiroshi.hasegawa@nadex-p.jp |
電話番号 | 0770-25-2266 |
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