研究開発された技術紹介

歯科医療機器用ハンドピースは約40万RPMという超高速回転と、薬品や水等の過酷な条件で使用されるためベアリングの交換頻度が高い。ベアリングのさらなる長寿命化を達成するため、高耐食・高強度特性をもつNI基金属ガラスによるミニチュアベアリングの内・外輪の生産技術を開発する。耐摩耗・充填性に優れた粉末特性改善、高精度金型化、生産速度向上を目指し、加熱加圧成形のみで超仕上げ研磨と同等以上の精度を達成する

ミニチュアベアリングの内・外輪の生産技術の開発と、耐摩耗・充填性に優れた粉末特性改善、高精度金型化、生産速度向上、加熱加圧成形のみで超仕上げ研磨と同等以上の精度を達成する
(新技術)
金型を使用した粉末成形技術、金属ガラス粉末の過冷却液体温度内での加熱加圧工法
(新技術の特徴)
2倍以上の長寿命・高耐食・高強度なミニチュアベアリングの内・外輪の生産

・粉末成形工法で成形可能な金属ガラス組成において、原材料費低減・合金粉末化行程短縮・金属ガラス粉末を3分/個で成形する高能率成形設備により金属ガラス部品の量産化可能性が見出した
・大気圧下の窒素ガス雰囲気のみでNi基金属ガラス粉末の成形可能な組成を見出しており、耐食性はSUS316Lの約2倍で強度は2500MPaを達成し、加熱加圧成形に必要な過冷却液体温度幅が65℃となっていて、合金製造工法改善で試薬と比較して1/10にするとともに、粉末化加工時間を15時間短縮し、原料粉製造コストを低減できた
・加熱加圧パターンの正確性や速度向上、金型寿命の確保、粉末にせん断力を付与することで表面の酸化膜を破壊する工法に工夫を重ね3分間で成形可能な世界初の金属ガラス粉末高能率成形装置を開発し、この装置で成形したアリングの外輪・内輪を使用して特性的にはまだ満足できる状態ではないがベアリングを組立てた
・急速加熱加圧成形に対応できる金型材料の選定と後方押出し成形を可能にする金型構成が決定した

歯科医療機器用ハンドピースヘッド部分に使用されるミニチュアベアリング

研究中止

長寿命・高耐食・高強度なミニチュアベアリング

・補完研究終了後、製品として完成させ歯科治療機器メーカにて実機試験を行い評価していただく等テストマーケティングを実施しながら市場の声をフィードバックして製品化する
・単純形状の歯車などの部品を生産することが可能となったので、歯科治療機器の中の歯車の開発を行う
・事業化を行うためには、粉末成形装置の更なる改善や生産体制整備が必要になるので、社内の関係部署と金属ガラス生産に対して連携できる体制を作る
・ポーライト株式会社の国内営業拠点(本社、熊谷、大阪、名古屋)を中心に販売ルートを使って取引先に販売活動を行い、将来的には海外の営業拠点でも販売活動を行う