精密加工
透明板厚内部に反射用加工痕を形成した、まったく新しい導光板を開発し、デザイン照明や高効率面発光体の新市場創生に寄与
大阪府
朝日テクノ株式会社
2023年11月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超短パルスレーザーによるBWIP式(ビームウエスト・インプリント式)の省電力型面発光パネルの研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 農業、建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 樹脂内部加工、導光板、光シャッター |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
超短パルスレーザーで、透明アクリル板内部に、光反射用加工痕(BWIP)を形成配列して光利用効率を上げ、導光板専用のLEDをエッジライト光源として使い新方式の導光板及び面発光パネルを研究開発することで、駅・商業施設などに設置されている大型表示板の、面発光バックライトや各種の照明などの光利用効率をアップすると共に、大幅なコストダウンを達成する新技術の構築
開発した技術のポイント
BWIP式導光板の製造システムを開発し、表示板としての最適化を行うとともに、面発光体の新しい用途開発を行う
(新技術)
透明板内部の光伝送ロスを抑制する超微細加工技術、板厚内部の任意の位置に反射効率の良い加工痕を形成する技術、及びBWIP加工痕の配列パターン設計技術を開発する
(新技術の特徴)
・加工屑が発生しない環境にやさしい製造法が実現する
・省電力化、低コスト化、薄型軽量化が達成される
・拡散・反射シートなどの付属材料が不要となる
・導光板は通常アクリル材料をベースとするのだが、新技術では、ポリカーボネイト材料でも加工可能となった。ポリカは、アクリル比200倍の耐衝撃性能と難燃性能があるので、ビルのウインドウや車などにも使えることで、用途が拡大できる。
具体的な成果
・ピコ秒パルスという高速で加工する技術の開発
・光反射に適した加工痕のサイズで、全反射の45度の姿勢で板厚内部に加工形成する技術の開発
・BWIP用レーザ加工装置の開発
-BWIPの3次元自動位置決めシステムを実現した
・BWIP配列パターン設計プログラムの開発
-基本的なプログラムを開発取得した
・面発光体としての検証
-面均精度93%を達成した
知財出願や広報活動等の状況
朝日テクノ・(一財)近畿高エネルギー加工技術研究所・三洋工業の3社で、平成24年2月に特許出願し、平成28年6月に特許登録。BWIP式導光板の基本技術が特許に。
研究開発成果の利用シーン
・会議室ドアーや仕切ガラスに使用する”光シャッター”
・ビルエントランスフロアーに設置するデザイン照明、導光パネル照明、表示板のバックライト発光体等
・耐衝撃性と耐火性に優れたポリカーボネイト材の板厚内部に、光反射用加工痕を形成配列することで、デザイン発光と高強度とを併用した、ビルの窓などの「窓枠照明」をつくる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・透明板厚内部の任意の位置に狙った仕様のBWIP形成加工できる技術を確立した
・面発光体の試作と検証を重ね、新しい導光板用途を見出した
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・大型表示板を導入する施設の運用コスト削減に寄与
-BWIP式導光板の製造システムを開発したことにより、光利用効率が良く、光伝送ロスを最小限に抑え、長寿命の発光タイプの大型表示板を実現することができる
-これまで主流であった蛍光灯内照式と比較して電力消費の削減が実現可能であることから、駅や商業施設など、大型表示板を導入している施設のエネルギーコスト、メンテナンスコストの削減に貢献することが可能である
・面照明としての多様な用途・目を惹く新しい発光パネル
-BWIP式導光板は透明板の両面がフラットで、スイッチONで発光体となり、OFFで透明板となる新しい面発光体である
-デザイン画や文字だけを光らせる機能も備えており、単なる壁面照明を越えた新しい用途市場が期待できる
・耐衝撃性の高いポリスを導光板にできるので、用途が広がる
今後の実用化・事業化の見通し
・補完研究を通じて、デザイン照明等多様なBWIP式面発光体の試作を行ない、ニーズマッチングを実施中であるとともに、複数社から共同開発の打診があり、量産機の検討に着手している。但し、まだ「共同開発」は成立していない。
・事業化に必要な「量産加工技術の確立」と「マーケットニーズに見合う品質と価格が提供できる見通し」について、既に詳細なる煮つめに入っており、両要素ともクリアーできる見通しである
実用化・事業化にあたっての課題
・事業化に必要な量産機への投資資金の調達
事業化に向けた提携や連携の希望
・新技術製品を販売していただける企業との提携
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 朝日テクノ株式会社 |
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事業管理機関 | 一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 |
研究等実施機関 | 三洋工業株式会社 ハッコウソニック株式会社 一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 朝日テクノ株式会社(法人番号:1120001011594) |
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事業内容 | 導光板・面発光製品の製造販売 |
社員数 | 7 名 |
生産拠点 | 倉敷事業所 ・岡山県倉敷市船穂町船穂1834-1 |
本社所在地 | 〒537-0002 大阪府大阪市東成区深江南2丁目1-21 |
ホームページ | http://www.atechno.co.jp/ |
連絡先窓口 | 倉敷事業所企画部長 宮田丈夫 |
メールアドレス | t.miya@atechno.co.jp |
電話番号 | 086-552-2323 |
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