機械制御
SOFCの発電効率を10%以上向上させるアノードガス再循環用次世代ブロワの、商用レベルでの試作に成功
神奈川県
株式会社キャップ
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | SOFCアノードガス再循環用次世代ブロワの開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現状の家庭用など小容量SOFC型熱併給式燃料電池の発電効率は45%で熱主電従型であるため、総合効率、発電コストは湯の使用量に大きく依存する。一方、高温ブロワによって高温アノードガスを再循環させる方式のSOFC型燃料電池は発電効率が約60%と新鋭火力発電所を凌駕し、発電のみでも十分経済性がでる。本計画では小容量の本方式実用化のキーである高温ブロワの小型・軽量化、高効率化、長寿命化を実現し、その実用化を加速する
開発した技術のポイント
モーターの回転動力を流体エネルギーに変換しながら伝達し、高温ガスの有する熱エネルギーを殆ど損失することなく送風可能な動力伝達装置である高温ブロワを、低コスト化、小型・軽量化、長寿命化する
(新技術)
高温の燃料ガスであるアノードガスを高温ブロワで再循環させる
(新技術の特徴)
・燃料利用率90%、発電効率55%を実現する
・電池のアノードに生成するピュアな水を改質器に供給する事が可能となる
具体的な成果
・動圧空気フォイル軸受の開発
‐ヘリンボーン設計のブロワ回転軸への適用が成功した
・ブロワ内蔵高速モーターの開発
‐最高回転数6万rpm・最高出力300Wのセンサーレス制御によるモーター/ドライバーを設計・試作した
・3次元ターボ型コンプレッサホイールの開発
‐ブロワ効率60%を得ることに成功した
・ブロワ全体設計及び試作
‐第3次試作ブロワを完成させた
研究開発成果の利用シーン
SOFCアノードガス再循環用次世代ブロワ
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・温度分布計算、危険速度計算を実施し熱間運転時のモーター温度が100℃以下に保たれる事、6万rpmまでの運転範囲に危険速度が無い事を確認した
・販売開始に備えて第11回European Fuel CELL FORUMに試作ブロワを出展したところ、アノードガス再循環による発電効率向上技術の注目度は非常に高く、本ブロワも非常に高く評価された
・川崎重工業において実際の発電試験が実施され、順調に機能し発電効率向上に寄与している
製品・サービスのPRポイント
・アノードガスを高温ブロワで再循環させることで、10%以上の発電効率を向上を実現し、SOFCの発電コスト削減に貢献
‐発電効率が約45%の従来のSOFCは、本格普及に向けてさらなる発電効率向上を課題としていた
‐高温の燃料ガスであるアノードガスを高温ブロワで再循環させることで利用率90%、発電効率55%を実現することができる
‐SOFCアノードガス再循環用次世代ブロワとなる動力伝達装置を開発したことで発電コストの削減と将来的な利用拡大に貢献する
・SOFCシステムを小型・軽量化、低コスト化し、SOFCの本格的普及を促進
‐再循環により電池のアノードに生成するピュアな水を改質器に供給する事が可能となる
‐高純度浄水装置や水の供給装置が不要となりSOFCシステムの小型・軽量化、低コスト化にも大きく貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・本開発によって高度化された次世代ブロワは既に販売を開始し、三菱日立パワーシステムズ社製250kW級SOFCに搭載され、九州大学伊都キャンパスにて連続運転中であり、平成29年からの本格販売に備えて量産準備を進めている
・また富士電機、米国GE社を含む国内外開発メーカーに多数台納入済みであり、世界展開を準備している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社キャップ |
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事業管理機関 | よこはまティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 澤村電気工業株式会社 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社キャップ |
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事業内容 | SOFCアノードガス再循環ブロワをはじめとする高温機器の設計製作販売 |
本社所在地 | 〒223-0056 神奈川県横浜市港北区新吉田町3415-42 |
ホームページ | http://www.cap-co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 佐藤公彦 |
メールアドレス | k-sato@cap-co.jp |
電話番号 | 045-595-1701 |
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