立体造形
高精度な防水機能を付与するプロセス技術の開発により従来品を上回る接合技術を実現
神奈川県
三光ライト工業株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | アダプティブ接合技術による携帯電話・スマートメーターの完全防水化 |
---|---|
基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 情報通信、スマート家電 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | LIM成形、防水 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
NECが世界の携帯電話市場で差別化する上で、完全防水機能の高度化は喫緊の課題である。東光東芝メータシステムズが開発を進める、スマートメータは、雨水・積雪・高温高湿度環境でも健全に稼働する完全防水機能が不可欠となる。開閉頻度の多い部位の完全防水性を、異種ポリマープライヤー技術とマイクロテクスチュア技術とにより実現し、LIM成形プロセスの最適化により、歩留まりを大幅に向上させる高い生産性を獲得する
開発した技術のポイント
携帯電話の電池カバーや、外部接続端子カバーに対して、今まで以上に高い防水機能を付与し、外観不良の軽減を実現するための技術を開発する
(新技術)
強固で工数の少ないアダプティブ接合技術を開発し、防水機能として導入する
(新技術の特徴)
・保護プラスチックの剥離強度が上がり、防水機能の向上と外観不良の低減につながる
・製造工程のコスト削減や製品の歩留まり向上につながる
具体的な成果
・接合(異種)ポリマー設計によるアダプティブ接合技術の開発
‐ポリカーボネート及びポリアミドの接合プライマー剤の開発と評価を行い、金型内接合技術の開発とサンプル試作を実施した
‐マイクロテクスチャの形成と射出成形実験を実施し、マイクロテクスチュアの有効性を確認、防水携帯サンプルの試作実験を行った
・LIM成形技術の高度化
‐LIM成形時に筐体への荷重を特定箇所に集中させない背圧を利用し、シリコーン漏れ不良と製品の傷となる圧痕不良を軽減した
‐LIM成形時に高温のシリコーンゴムにより筐体にかかる熱を滞留させない技術を確立した
・アダプティブ防水接合技術の大面積化
‐大面積接合技術を開発し、タブレットメディア想定の防水機能付きサンプルやスマートメーター想定の防水機能付きサンプルを試作した
知財出願や広報活動等の状況
特許取得 特許第6096532号「異種ポリマー間の型内接着成型方法及び防水製品の製造方法」
特許取得 特許第6260996号「型材形成方法」
研究開発成果の利用シーン
・防水機能を強化した携帯電話の電池カバー、外部接続端子カバー
・その他、電子機器・電子部品への防水機能の付与
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
LIM成形技術の高度化等、開発良好な技術については、生産可能な技術から順次実際の生産に採用する予定であり、型内接合技術についても、プライマーに関しては今後霧化プライマー供給装置のエア圧力向上の検証が必要である
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
金型構造の向上により歩留まりが改善され、コスト削減に寄与するとともに、マイクロテクスチュアによる接合力の安定化を実現
・従来、携帯電話の電池カバーや外部接続端子カバーに対して防水機能を付与する際には、成形工程でのシリコーンゴムの剥離やバリの発生により、不良品が一定割合発生していた
・成形工程における接合技術の開発により、製造工程を短縮化し、かつ性能が向上した防水機能の付与が可能になった
・今回開発した付随技術の活用により、圧痕及び樹脂漏れの低減を実現し、不良率の削減に成功した
・結果、従来以上の性能を持った防水機能を提供することが可能になった
今後の実用化・事業化の見通し
・今後は、付随技術を活用することにより、既存製品の生産性向上を更に図る予定である
・また、展示会での製造方法のPRを通して新規顧客開拓を行うとともに、接合する対象素材を増やすことでPR活動に活用していくことを予定している(ABS、ABS+PC、PBT、POM、PC、PA、LCP)
・現在、川下産業より接着が可能な樹脂の実証依頼を受けていることもあり、今後も研究を継続していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 三光ライト工業株式会社 営業技術本部 |
---|---|
事業管理機関 | 三光ライト工業株式会社 |
研究等実施機関 | 学校法人芝浦工業大学 デザイン工学部 相澤龍彦教授 |
アドバイザー | 埼玉日本電気株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 三光ライト工業株式会社(法人番号:0200-01-069341) |
---|---|
事業内容 | 金型製造、射出成形、塗装、UV処理、組立加工までの一貫生産 |
社員数 | 140 名 |
本社所在地 | 〒211-0053 神奈川県川崎市中原区上小田中6-22-10 |
ホームページ | http://www.slkco.jp/ |
連絡先窓口 | 技術課 山口 |
メールアドレス | yamaguchi@slkco.jp |
電話番号 | 044-733-6181 |
研究開発された技術を探す