情報処理
オープンプラットフォーム化した透過型センサネットワーク及び対応端末が災害時の被害縮小化に貢献
千葉県
株式会社エーディエス
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 災害地等向け透過型センサネットワーク搭載携帯端末の研究開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、ロボット、農業、情報通信、スマート家電 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | センサーネットワーク、無線、耐環境性、自立電源、データ可視化 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
過酷環境下で動作する堅牢なハードウェアを持ち、遠隔地のセンサ情報を透過的に収集・蓄積・解析できるセンサネットワークを搭載する携帯端末を開発する。これは災害地での情報収集、防災検知、防犯通報、独居老人の安否確認・健康管理など複数センサを相互接続したいという要求に応えるための画期的な機器である。オープンプラットフォーム化した共通仕様により各社が安価に生産を行えるような無線センシング産業の創出を目指す
開発した技術のポイント
過酷環境下で動作する堅牢なハードウェアを持ち、遠隔地のセンサ情報を透過的に収集・蓄積・解析できるセンサネットワークを搭載する携帯端末を開発する
(新技術)
多地点・多種のセンサ情報を解析する「透過型センサネットワーク」を構築する共通プラットフォームとその端末を開発する
(新技術の特徴)
多数のデータを容易に集計することが可能となり、今まで特徴、意味を見つけにくかったデータから有意義な情報を取得して取り扱うための基盤が確立される
具体的な成果
・透過型センサネットワークのための通信プロトコルの策定
‐組込機器向けの各種近距離無線通信ならびにインターネット上の通信に対応し、遠隔地に設置されたセンサデバイスの計測動作や通信機能の制御と、取得した多種多様なセンサ情報のインターネット上のサーバにおける集積・解析を可能にする、透過型センサネットワークのためのセンサ情報通信プロトコルを設計・策定した
・透過型センサネットワーク対応のデータ収集環境の試作
‐「透過型センサネットワーク」を構築するための共通プラットフォームとその端末を開発した
知財出願や広報活動等の状況
・特許に関しては出願は行っていない
・農業用センサーネットワークについては琉球大学農学部と共著で論文発表や学会発表を行っている
・新聞等マスコミの取材を通して、弊社技術をアピールしている
・より事業化につなげる広報活動は今後の課題である
研究開発成果の利用シーン
・透過型センサネットワーク規格及び対応端末
・自由な生産・システム開発を可能にするソフトウェア開発キット(SDK)
・放射線を含めた環境モニタリングシステム
・スマート農業用のシステム
・植物工場の管理用システム
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・ソフトウェア開発キット(SDK)の事業化の目処が立った状態である
・販売体制の確立、保守体制の確立、中央システムの構築、拡張戦略の立案という課題を克服しながら事業展開を図る
・課題克服にあたり、顧客に近くかつ信頼に足るパートナーを見出し・連携していく必要がある
・具体的システムとしてスマート農業用のシステム、植物工場の管理用システムとして実用化を進めている
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・顧客ニーズに応じた多くのセンサーを用いたデータ収集機能を持つセンサーネットワークを構築可能
・太陽光パネルを用いた自立型電源を搭載しているので、電源がない環境でも設置可能(夜間、悪天候に備え蓄電機能も搭載)
・顧客要望に応じたデータの可視化と配信機能(最も必要な形にして、例えばグラフ化、顧客が最も知りたい形でデータ配信可能)
・台風の影響が強い沖縄地方で安定な運転実績であり、耐環境性が高い
・携帯電話データ回線、WiMaxなど、有線のInternet回線含めたネットワーク回線を使用することが可能
今後の実用化・事業化の見通し
本センサーネットワーク技術を用いて、以下の本格的な実用化システムを構築し、運用中である。
1)沖縄県農業用センサーネットワーク
琉球大学農学部実験圃場、中城植物工場、豊見城マンゴーハウスで気象データおよび栽培に関する環境データ、土壌データ等を収集し、そのデータをサーバに蓄積データベース化するとともに、可視化(例えばグラフ化)されたデータをネットワークで配信するシステムを構築、現在琉球大学がデータ解析継続中
2)南大東島スマート農業用センサーネットワーク
同じく琉球大等と農林水産省スマート農業加速化プロジェクトにおいて、島内に気象データと圃場データをセンシングするセンサーネットワークを構築、すでに一部のデータを南大東島農家に提供するとともに、琉球大で具体的データ活用法の開発を進めている
以上のプロジェクトを通して、農業用のセンサーネットワークの事業化を最優先に進めており、すでに問い合わせも来ている。
実用化・事業化にあたっての課題
具体的なニーズとの整合性を明確にすることと、データを収集するだけでなくそれを活用する具体的な手法まで提供できるようにすることが課題であり、データ解析を行うことのできるパートナーとの連携が必須である。
事業化に向けた提携や連携の希望
まず農業用での応用を目指しているため、大学農学部、農業協同組合、農業試験所、農業大学校、規模の大きい農業法人などとの連携を強化したい
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社エーディエス |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社エーディエス(法人番号:2050001010636) |
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事業内容 | ・ネットワークを利用した監視システムの開発・販売・映像配信システムの開発・販売・映像制作機器の開発・販売 |
社員数 | 6 名 |
生産拠点 | 千葉県柏市(ソフトウェア開発およびセンサーポストの製造) *)機械加工等は外注し、当社では最終アセンブリーと、設置調整を行う |
本社所在地 | 〒277-0005 千葉県柏市柏6-9-18柏パークビル |
ホームページ | http://www.adscorp.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 後藤秀樹 |
電話番号 | 04-7160-2355 |
備考 | お問い合わせフォーム http://www.adscorp.jp/contactus/index.html |
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