立体造形
ITを活用した製造技術の確立により、高品位かつ従来よりも低価格な義足ソケットの提供が可能に
茨城県
株式会社幸和義肢研究所
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 温間減圧バルジ成形による生体力学的適合性に優れた大腿義足ソケット作製技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 義足、ソケット |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
複雑形状で単品手作業のため高価な義足ソケットを、プラスチック成形加工高度化やIT活用・自動機械化して高品位、低価格化を実現する。解決要素は、1切断肢と等価力学特性を持つEPDM-EVA発泡材編布加工した抗菌性インナー、2切断肢の3D自動採形と陽性金型の立体積層造形、3減圧バルジ成形によるCFRP-PEEK製軽量、高強度アウター作製である。全ての技能的製作手段を先進技術に置換し、国内外当該福祉産業分野の改革と市場拡大に資する
開発した技術のポイント
複雑形状で単品手作業のため高価な義足ソケットを、プラスチック成形加工の高度化やIT活用による自動機械化により、高品位、低価格化を実現する
(新技術)
生体力学的適合性を向上させた高品位な義肢ソケットを開発し、低価格で迅速に供給するシステムを構築するためのITとプラスチック成形技術を結合した義足ソケット製造システムを開発する
(新技術の特徴)
製造プロセスの機械化を通じて、従来と同等の高品位の義足をより低コストで作製することが可能になる
具体的な成果
・等価粘弾性特性を有する高精度インナーの開発
‐等価粘弾性特性を有する高精度インナーを開発した
‐キトサン等による高精度インナーへの抗菌作用を付与し付加価値が高い機能性加工技術の実用化ができた
・陽性モデルの評価
‐3次元位置情報の数値化と変換ソフトの検証・改良により試作装置を完成させ、体への負担を確認した
‐陽性モデル(金型相当)の評価・改善を行った
・軽量で高強度なアウターの開発
‐アウターソケット専用成形加工機へ回転機能を追加した
‐バルジ成形による代替材の検討を行った
‐タングとバックル式CFRP-PEEKアウターの開発を行った
・トータル・テストの実施
研究開発成果の利用シーン
・高品位かつコストを抑えた義足ソケット
・計測データや義足使用実態データを蓄積・反映したソケット自動成形加工システム
・自動成形加工システムを活用した製造受託サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・生体力学的適合性に優れた大腿義足ソケット作製技術の実用化の目途はおおよそついた状態である
・(1)インナーは商品化に向けた最終の研究開発段階にある。(2)3D自動形状測定システムの読み取りソフトはすでに開発済みであり、製作時間の目標値も達成した。(3)事業化に向けて、現行バルジ成形機の改良点の検討を行っている。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・従来よりも価格を抑えた義足ソケットの提供が可能
‐本研究成果を通じて、義足ソケット製作の機械化を図ることが可能になった
‐機械化を図ることができるようになったことで、従来は複雑形状のソケットを1つ1つ手作業で製作する必要があったが、自動化することが可能になり、製造にかかる人件費を抑えることができるようになった
‐また、自動化を通じて、作業者のレベルによらず安定した高品位な義足ソケットを提供することができるようになった
‐結果、義足ソケットの作製プロセスの効率化につながり、低価格化に寄与することが可能である
・利用者のニーズを満たした製品ラインナップの拡大や製品改良に寄与
‐個々の計測データや使用感などの実態データを反映して製造できるため、汎用品以外に製品個々のカスタマイズが可能である
‐また、義足使用実態データ等の蓄積により、現在の義足ソケットの安全性改良につなげることが可能である
今後の実用化・事業化の見通し
今後、本研究で製作した温間減圧バルジ成形機を事業化に向けて改良、または新型機導入の検証をすすめるとともに、生産性の向上により現状加工コストの軽減に繋げ、さらに大腿義足市場への展開を図っていく予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社幸和義肢研究所 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人さいたま市産業創造財団 |
研究等実施機関 | 株式会社啓愛義肢材料販売所 株式会社アプライド・ビジョン・システムズ 株式会社アート フジレース株式会社 国立大学法人埼玉大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社幸和義肢研究所(法人番号:1050001015611) |
---|---|
事業内容 | 義肢・装具・車いす・座位保持装置の製造及び販売 |
社員数 | 73 名 |
本社所在地 | 〒305-0845 茨城県つくば市大白硲341-1 |
ホームページ | http://www.kowagishi.com/ |
連絡先窓口 | 取締役副社長 横張巧 |
メールアドレス | t-yokohari@kowagishi.com |
電話番号 | 029-875-7627 |
研究開発された技術を探す