精密加工
EEMナノ加工技術を基に、放射光用ミラー表面をナノメートル精度で加工する超高精度加工を実現
大阪府
株式会社ジェイテックコーポレーション
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、半導体、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、低コスト化 |
キーワード | ナノ加工、ナノ計測、高精度ミラー |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療・バイオ、環境・エネルギー、自動車等放射光施設を利用する産業では、放射光利用の高度化が進み、放射光用X線ミラーの高精度化のニーズが高まっているが、ミラーの高精度化を実現するにはミラー表面の非球面形状をナノメートル精度で加工する必要がある。そこで大阪大学の切削技術の概念を変えた化学反応を利用した原子レベルの表面形状を創成するEEMナノ加工技術をもとに、放射光用ミラーの超高精度加工技術を確立する
開発した技術のポイント
新技術であるEEMナノ加工技術を基に、放射光用ミラーの超高精度加工技術を確立する
・0.1mmの高周波領域までナノメートルレベルの形状精度の加工を可能に
・曲率半径約2m以下までの測定を可能に
(新技術)
<超精密ナノ加工技術:EEM>
加工
・従来の切削加工との違い
-原子単位の加工なので、原子レベルで平坦にできる
-化学作用も利用した加工法なので、表面歪がない
-加工ヘッド(工具)の形状により、局所的な加工も可能で、超精密数値制御加工が可能
<表面形状ナノ計測技術:RADSI及びMSI>
・RADSI
長い空間波長領域でPV1nmの測定再現性がある
・MSI
狭い空間波長領域(数mm以下)でPV1nmの測定再現性がある※RADSIとMSI測定技術のそれぞれの長所を利用し、全空間波長の形状をPV1nm以下の制度で計測することが可能
具体的な成果
・高周波領域でのバンプ、ピットの解消
-開発した極小加工ノズルを用いて、実際のミラーサンプルで0.1mm以下の高周波領域までナノメートルレベルの形状精度の加工が可能なことを実証
・ミラー計測―加工間のサンプルセットの再現性
-本研究で見出した条件でSi材料の引上げ加工を実施し、EEM加工段階で酸素濃度むら等による加工むら(点、スジ状等)が顕在化しないことを確認
-加工物表面に残留する有機物を効率よく除去できる洗浄ノズルを付属した洗浄装置を開発
-測定表面形状の急峻な面でも測定可能な共焦点光学を採用した新しい表面形状ナノ計測装置を開発。目標値を上回る最大曲率半径0.6mのミラーの測定に成功
・軟X線ミラー用表面ナノ形状加工システムの構築
-試作した洗浄装置、表面形状ナノ計測装置、前処理加工装置(ローカルポリッシング装置)を用いて、表面形状の急峻なミラーをナノメートルオーダーの形状精度で試作
-At-wavelength計測法により、作製したミラー上の形状誤差を決定できる技術を開発。試作ミラーは形状誤差、再現性等において有用であることを確認
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「超精密形状測定法」(特許4904844号、US7、616、324B2)
・出展:日本放射光学会(H24.1)、The 11th International Conferenceon Synchrotoron Radiation Instrumentation(H24.7、リヨン/フランス)
研究開発成果の利用シーン
現在長さ1mまでの平面および非球面ミラーについて、2nm以下の形状誤差で製作可能である。放射光のみならず、半導体や宇宙関係の光学素子に利用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度の事業化に成功
・高精度非球面形状の放射光用集光ミラーの試作機あり
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→本研究により確立した超平坦化加工プロセスにより実現した硬X線用の非球面ミラーは、表面形状精度PV±1nmを実現。現在は長さ1mのミラーまで対応可能。
・複雑形状化→非球面形状が曲率2mレベルの急峻な軟X線用集光ミラーにおいてナノレベルの表面形状精度を実現。現在は部分回転楕円/放物ミラーや部分回転Wolterミラーなどの曲率半径が小さいミラーも作製している。
今後の実用化・事業化の見通し
海外放射光施設からの受注に成功この実績を基に、国内外の放射光施設への営業展開を目指す
・サポイン事業終了後、国内外の放射光関連学会への講演、展示に積極的に参加。川下産業(放射光利用ユーザー)のニーズ調査、販売活動を展開している
・海外企業に対する技術的優位性を保持しつつ、コストダウンを図るために、前加工工程の加工技術確立、計測技術の高精度化に向けた研究開発を実施中
・現在世界各国の放射光施設やX線自由電子レーザー施設に高精度ミラーの販売を実施しており、確固たる地位を築いている。さらに部分回転楕円ミラー等の回転体ミラーの販売を促進している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ジェイテックコーポレーション |
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事業管理機関 | 株式会社ジェイテックコーポレーション |
研究等実施機関 | 国立大学法人大阪大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ジェイテックコーポレーション(法人番号:5140001023717 ) |
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事業内容 | 主な製品は放射光用X線ミラー及び自動細胞培養装置。また各種産業分野において様々な自動化システムの受託開発を展開している |
社員数 | 40 名 |
生産拠点 | 本社工場 |
本社所在地 | 〒567-0086 大阪府茨木市彩都やまぶき2-5-38 |
ホームページ | http://www.j-tec.co.jp |
連絡先窓口 | 取締役製造部長 岡田浩巳 |
メールアドレス | okada@j-tec.co.jp |
電話番号 | 072-655-2787 |
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