精密加工
3次曲面で繋ぎが発生しない!しぼ加工用の大判フィルム金型対応プリンター
神奈川県
株式会社モールドテック
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 金型へのしぼ加工(模様付け)に使用される大判フィルム一貫作成技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、スマート家電、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | しぼ加工、しぼ加工用フィルム、しぼ加工転写フィルム |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車内装等のプラスチック製品の模様付けはその成形金型へ模様付け(しぼ加工)を行うことでなされる。しぼ品質向上を目的にインパネ等大型3次曲面に模様の繋ぎを発生させない大判フィルム一貫作成技術の研究中であるが、その中で本研究はフィルム素材の中で非常に伸縮性に優れるラテックスに対応するプリンタと塩ビ表皮作成用ロールに対応するマルチ印刷プリンタの開発を行いしぼ加工品質、コストを大幅に改善する
開発した技術のポイント
高伸縮性ラテックスフィルム対応、塩ビ表皮作製用ロール金型対応のプリンター技術を開発
・プリンターに使用可能なインクうすいメディアへ対応、高伸縮性素材の伸縮に追随
・高伸縮性素材対応プリンタラテックス素材対応
・塩ビ表皮作製用ロール金型対応プリンター長さ2.5mの大判フィルム作成、複数画像同時印刷、サイズ1.2m×2mを40分/枚以内で
(新技術)
・しぼ転写フィルムの貼り方
<大判フィルムでのしぼ加工>
‐しぼ柄の繋ぎ:発生しない
‐フィルム転写の時間:短時間
‐フィルム間のしぼ柄の修正作業の時間:短時間
・しぼフィルム原版
<3次元スキャナーで入力>
‐柄の精密度:高い
‐本開発プリンターの使用:可
‐ばらつき:小
具体的な成果
・プリンターに使用可能なインクを試作・評価
‐プリンターに使用可能なインクを8種類試作
‐安定吐出、メディア密着性、インクの伸び(メディア上)、インクのつぶれ(金型転写時)、金型への転写性、耐酸性の観点からインクを評価した結果、目標を達成するインクを選定
・ラテックス対応プリンターを開発、9件の実機試験を実施
‐ドラム吸引孔径、ピッチ、吸引力の調整機構、インク厚さ調整のためのヘッド電圧調整機構を組み込んだ高伸縮性素材(ラテックス)に対応できるプリンターを開発
‐3種の柄(大柄、中柄、微細柄)を印刷し、9件の実機試験を行い実用化可能なことを確認
・塩ビ表皮作製用大型ロール金型対応プリンターを開発、40分/枚以内でフィルム作成可能
‐インクジェットヘッドとドラム間の間隔を一定に保ち、マルチ印刷が可能なソフトを組み込んだ、塩ビ表皮作製用大型ロール金型に対応できるプリンターを開発
‐2.5m大判フィルムを50分以内で作成可能なことを確認
‐マルチ印刷試験を20例以上実施し、サイズ1.2m×2mの印刷が、40分/枚以内で完了することを確認
研究開発成果の利用シーン
大型金型、特にダッシュボード本体、バックドアは平らな面積が大きく、しぼ転写フィルムの繋ぎが発生しやすい。大判フィルムが開発され、1枚の大判フィルムを使用することで、繋ぎレスのしぼ加工が可能になった。エンドユーザーは繋ぎの出にくい柄だけでなく、繋ぎの出やすい柄の大型金型へのしぼ加工適用が可能になった。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に事業化に成功
・サンプルなし
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
・納期・製作時間短縮しぼ加工の納期が2割短縮
・その他高品位なしぼを提供することで、外観のデザイン性が向上
今後の実用化・事業化の見通し
H25年9月までにインクジェットプリンターでの作成に置き換え予定
・既に数多くの量産金型へのしぼ加工に本プリンターで作成したフィルムを使用中
・長期間(2ヶ月)使用でサーマルヘッドのインク詰まり発生、インクを改良した結果、ラテックスへのインク密着性が低下、現在インクを改良中
・現在、しぼ加工用フィルム作成は従来法(凹版)を併用しているが、H25年9月までに全てインクジェットプリンターでの作成に置き換えたい
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社モールドテック 横浜工場 |
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事業管理機関 | 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
研究等実施機関 | 株式会社戸谷染料商店 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社モールドテック(法人番号:802000-100-6219) |
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事業内容 | 成形金型の表面加工及びその販売 |
社員数 | 105 名 |
生産拠点 | 横浜、名古屋、埼玉、富山、大阪、福岡、タイ、インドネシア |
本社所在地 | 〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦2-8-15 |
ホームページ | http://www.mold-tech.jp |
連絡先窓口 | 営業部取締役営業部長 中村修 |
メールアドレス | o.nakamura@mold-tech.jp |
電話番号 | 045-785-0461 |
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