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情報処理

イメージ分光方式を用いた超高速全面膜厚測定技術により膜厚の均一性検査作業を高速自動化

奈良県

テクノス株式会社

2020年4月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 イメージ分光方式を用いた超高速全面膜厚測定技術の開発
基盤技術分野 情報処理
対象となる産業分野 自動車、産業機械、半導体、工作機械、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 2次元膜厚測定、イメージ分光、ラインスキャン、白色干渉法
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

液晶などのFPD産業では、近年のパネルの大型化に伴い、製品の高品質、短納期、低コストへのニーズが高まっている。しかし、FPD製品の品質を左右する膜厚の均一性の検査は、いまだに人間の目視官能に頼っている現状がある。本事業では大幅な生産効率の向上を目指し、検査作業を人間の目に代わり機械で自動化する高度な組込み画像処理ソフトウェアを開発し、イメージ分光方式を用いた超高速全面膜厚測定技術を確立する

開発した技術のポイント

支援事業で開発した全面膜厚測定技術のポイント
・広域波長帯をカバーする分光ユニット
・大型測定物に対応可能な高照度ライン照明
・リアルタイム膜算出を実現したソフトウェア
・測定膜厚範囲:0.3μm~50μm
・2次元膜厚の高速測定
 (例)対FPD(3,000mm×3,000mm)→測定ピッチ:3mm、測定タクト:30sec

支援事業終了後の補完研究から開発した新製品「イメージ分光式全面膜厚測定機」の技術ポイント
〇等視野角方式を用いたイメージ分光器
〇回路設計技術を駆使した独自の高照度照明(白色LED)
〇イメージ分光器、照明、ソフトウェア開発により2次元膜厚測定の高精度化 
(例)測定幅150mm、測定スポット径0.15nm 
厚膜~100μmまで高精度に測定
〇イメージ分光器、照明、ソフトウェア開発により2次元膜厚測定の高 速化 
厚膜(20μm~100μm)を対象の場合、10,000点/秒の高速測定
〇高いユーザビリティーを実現した直観的でわかりやすいGUI

測定機外観
メイン画面(測定結果表示例)
具体的な成果

〇支援事業終了時の成果(概略は下記)
・波長帯をカバーするローコストなイメージ分光ユニットを開発
・自動絞り制御式のイメージ分光用レンズユニットと低コストな高照度ライン照明を開発
・リアルタイム膜厚(0.3μm~50μm)算出手法の開発
・ロールtoロール生産方式に対応する連続検査手法を開発
・試作機(FPD用、フィルム用)を開発

〇新製品「イメージ分光式膜厚測定機」で可能になったこと
・2次元膜厚測定(対厚膜)の高速化 10,000点/秒
・厚膜の膜厚(20μm~100μm)測定が可能
・従来機と比較して、測定速度1.5倍UP、測定精度2倍UP!

知財出願や広報活動等の状況

特許:「膜厚測定方法及び膜厚測定装置」(特開2012-189406)
※支援事業実施期間中

研究開発成果の利用シーン

開発したイメージ分光式全面膜厚測定技術により、薄膜・厚膜やフィルム(基材上のフィルムまたはフィルム自体)の大面積膜厚分布を高速高精度に視覚化する測定機で、LCD、車載向けFPD、フィルム、その他ガラスウェアなどの膜の均一性を可視化することで塗布に関する問題解決をスピーディに行える

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本支援事業で開発した測定試作機(無償貸与)を用いて、事業終了後も補完研究を実施。その結果、イメージ分光式による膜厚測定技術を確立し、薄膜のみならず厚膜の測定精度・速度は実用化レベルに達した。現在は事業化に向け、展示会への出展など各分野にアピール、FPDのみならず適用可能な分野の調査に取り組んでいる。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

・歩留まり向上・ロス削減→インライン工程への組込みが可能。従来の目視やポイント測定方式の抜き取り検査に対し全数検査で薄膜の品質管理を行い、歩留まり向上・ロス削減を実現
・低コスト化→自動化により、従来の検査法による人的コストを削減。
・小型化→イメージ分光方式により照明などの小型化が可能で、フットプリントが小さいため、既設備への導入が容易に

今後の実用化・事業化の見通し

支援事業で開発した測定試作機(無償貸与)を用いて、事業終了後も積み残した課題を解決すべく補完研究を継続していたが、FPD分野の設備投資減少のため販売実績をあげることができなかった。そこで異分野にも目を向けニーズ調査を続けていたところ、基材上の薄膜ではなく測定物そのものの厚みを測る厚膜へのニーズがあることがわかった。100μ程度までの厚膜に対応し従来機の測定精度を1.5倍、測定速度を2倍の性能UPを実現し、販売の見通しがたってきたところである。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 テクノス株式会社
事業管理機関 公益財団法人奈良県地域産業振興センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 テクノス株式会社
事業内容 FPD検査装置・評価装置及びシステムの開発・製造、ガラス基板部品実装検査装置の開発・製造、画像処理技術を核とする画像処理ボード、応用システムの開発・製造、電子応用機器、基礎技術の受託開発(ソフト・ハード・メカニズム)の開発
社員数 29 名
本社所在地 〒630-8113 奈良県奈良市法蓮町197-1
ホームページ https://www.tecnos-net.co.jp
連絡先窓口 営業技術部 渡辺 泰弘
メールアドレス watanabe@tecnos-net.co.jp
電話番号 0742-36-3051