表面処理
アモルファス合金めっき電極の搭載により、水素製造コストを低減可能な水電解装置の開発
栃木県
株式会社バンテック
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | アモルファス合金めっきによる燃料電池供給用水電解装置の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(耐久性向上)、環境配慮 |
キーワード | 水素製造、水電解、耐食性向上 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
燃料電池自動車や非常用燃料電池を飛躍的に普及させる為の大きな課題の一つは水素製造コストである。水素製造装置コストの大部分を占める電極の寿命及び効率の高度化により低コスト化を実現する。現在、高耐食性であるアモルファス合金で比較的安価なNI-Pめっき電極を採用しているが、更なる製品化を進める為にアモルファス合金の材料設計技術とめっき技術を高度化させ、また量産技術を確立する
開発した技術のポイント
水素製造コストを低減するアモルファス合金めっき電極の開発
・めっき電極の耐久性→10年
・電気消費量→4.8kWh/Nm3
・水素製造コスト→従来の3分の1以下
(新技術)
アモルファス合金電極
特徴
・なめらかな表面を得ることができるため、電流が一点に集中しにくく、構造的に腐食しにくい
・酸化被膜の生成速度が速く、いったん破壊されても即座に形成される
具体的な成果
・アモルファス合金めっきに最適な材料を選定
‐水電解用電極として最適な条件を選定する為に、主金属(ニッケル、コバルト、鉄)、第二金属(タングステン)、非金属(リン、ホウ素、硫黄)の組み合わせによりアモルファス合金材料を検討
‐各アモルファス合金材料について品質工学に基づく評価を行い、ハルセルテストの結果を用いて、効率的にめっき条件の選定を実施
‐実験プロセスの結果、めっき材料としてNi-W-Sを選定
・アモルファス合金で作製した電極を搭載した水素発生装置試験機を開発
‐商用機レベル(水素発生量10Nm3/h)の装置にNi-W-S合金で作製した電極を採用して長期試験を実施
‐電流値を計測して市販品電極の電流値と比較したところ、従来品とほぼ同等の性能を持つことを確認
・水素製造コストを従来の半分まで低減できることを実証
‐水素発生性能及び電極の劣化度合いを確認したところ、本システムは5.0kWhで1Nm3の水素を製造する能力があることを確認し、目標をほぼ達成。また、寿命は約5.2年と推計
‐水素製造コストは従来の半分以下の123.7円/Nm3にまで低減することを実証
知財出願や広報活動等の状況
・出展:とちぎ技術展示商談会(H24.9)、TECH Biz EXPO2012(H24.11)
・特許:「アルカリ水電解用電極、その製造方法及び水素発生装置」(特願2011-015820)、「アルカリ水電解用電極の製造方法」(特願2011-189670)
研究開発成果の利用シーン
水素ステーション、再生可能エネルギーを利用した水素製造
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
更なる研究開発が必要であるが、人材・資金不足により停滞している。
提携可能な製品・サービス内容
技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→アモルファス合金めっきの最適化を行ったことで、水素単価\123.7/Nm3を実現
・耐久性・耐腐食性→アモルファス合金めっきの最適化により、電極の寿命を5.2年に延伸
・小型化→電極表面の粗面化により、電流密度約2倍、投影面積約1/2を実現
今後の実用化・事業化の見通し
H26年度に水電解装置の販売開始を予定
・事業で確認した電極の耐久性について、H23年度に製作した「実用化試験用試作機」を用い、さらなる信頼性向上のための長期耐久試験を実施中
・本長期耐久試験を今後1~2年継続し、より正確に「電極寿命」を見極める予定
・長期耐久試験終了後、燃料電池関連・水素ボンベ使用工場などをターゲットに本格的営業を開始し、H26年度には販売開始予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社バンテック 開発室 |
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事業管理機関 | 公益財団法人栃木県産業振興センター |
研究等実施機関 | 日本プレーテック株式会社 国立大学法人宇都宮大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社バンテック(法人番号:20600010102078) |
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事業内容 | 水素発生装置製造販売、配電盤製造販売 |
社員数 | 110 名 |
生産拠点 | 那須塩原市 |
本社所在地 | 〒329-2745 栃木県那須塩原市三区町563‐1 |
ホームページ | http://www.vantec-jp.com |
連絡先窓口 | 取締役 鈴木大介 |
メールアドレス | daisuke-s@vantec-jp.com |
電話番号 | 0287-36-3398 |
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