表面処理
場所を選ばない可搬式レーザピーニング装置を開発、あらゆる現場で金属の疲労特性を改善
神奈川県
株式会社 LAcubed
2025年1月24日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 狭隘部への適用が可能な可搬型レーザピーニング装置の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 残留応力,疲労,レーザ,金属構造物,長寿命化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究は、従来の大型レーザピーニング装置を大幅に小型化し、現場での使用が容易な「可搬型レーザピーニング装置」を開発することを目的としている。LAcubed社は、手のひらサイズの超小型マイクロチップレーザ技術や、小型電源技術を用いて、航空機のファスナ穴や狭隘部にも適用可能な装置の試作に成功した。この装置は、航空機や橋梁などの構造物の寿命延長や疲労強度改善に貢献するものである。
開発した技術のポイント
・超小型レーザ装置の開発
手のひらサイズでパルスエネルギー20mJ、繰返し100Hzの超小型レーザを開発
高効率での冷却を実現するため、分子科学研究所の常温接合技術を利用
・可搬型ピーニング装置
スーツケースに収まるほど小型化されたプロトタイプを開発
ファスナ穴など狭隘部に対してレーザピーニング処理が可能
具体的な成果
・可搬型レーザピーニング装置プロトタイプを開発し、アルミニウム合金A7075や高張力鋼HT780の疲労強度を改善する効果が確認された。
・ファスナ穴の内面にも適用できるレーザピーニング技術の実証に成功し、従来の技術と比較して、疲労寿命が約100倍に向上した。
・欧州の航空機製造企業とのデモンストレーションも実施し、装置の性能を高く評価された。
知財出願や広報活動等の状況
・広報活動: 国内外の展示会に出展し、特に航空機業界からの関心が高い。欧州の大手航空機製造企業と技術協力を進める予定であり、国内外での事業展開が進んでいる。
研究開発成果の利用シーン
本装置は、航空機や橋梁などの大型構造物の疲労寿命を延ばすためのメンテナンスに広く利用される。また、狭隘部に適用できるため、従来技術では対応できなかった航空機のファスナ穴や配管内部の加工も可能となる。さらに、現場での軽量で持ち運びやすい特性を活かし、工場外での使用も期待されている。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
開発した可搬型レーザピーニング装置は、既に複数の企業との共同実証試験が進行中であり、製品化に向けた準備が整っている。欧州の航空機製造大手企業でのデモンストレーションも完了し、今後の量産体制に向けたフィードバックを基に改良が進められている。2025年には本格的な市場投入を予定している。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
本装置は、超小型で軽量なレーザを搭載し、従来の装置と比較して大幅な省エネルギーと低コスト化を実現している。特に、航空機や橋梁のメンテナンス作業に最適な設計であり、現場での迅速な処理が可能である。さらに、狭隘部への適用にも優れており、従来の技術では不可能だった領域での作業が可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
2025年には、欧州を含む複数の市場での本格的な展開を予定しており、今後は装置の簡素化と量産体制の確立が課題となっている。特に、航空機や自動車のメンテナンス市場での需要拡大が見込まれており、将来的にはさらなる技術改良を進め、さまざまな産業分野での応用が期待される。
実用化・事業化にあたっての課題
レーザピーニング装置の量産体制の確立とさらなる小型化が課題である。また、現場での使用環境に適した耐久性の向上や、装置の操作性の改善も必要となる。加えて、競合技術との差別化を図り、特許取得を通じて技術的な優位性を確保する必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社 LAcubed |
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事業管理機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO |
研究等実施機関 | 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 分子科学研究所 株式会社 ユニタック |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社 LAcubed(法人番号:5020001130921) |
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事業内容 | 表面処理技術に関わる研究開発・評価・受託試験・装置製作・販売・輸出 |
社員数 | 4 名 |
本社所在地 | 〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-2-2406 |
連絡先窓口 | 代表取締役 研究開発部長 兼 岡崎支店長 佐野 雄二 |
メールアドレス | yuji.sano@ac.cyberhome.ne.jp |
電話番号 | 090-8047-6751 |
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