製造環境
薄膜デバイスの品質・生産性を向上させる真空加工装置の計測制御システム
大阪府
株式会社岡野製作所
2023年11月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 真空環境における高品質ものづくりに寄与する計測ネットワーク監視システムの研究開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 半導体、エレクトロニクス、化学品製造、「真空環境」を利用するその他幅広い分野 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 小型センサ、真空環境の見える化、真空環境の監視・制御ネットワークへの展開 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高機能化が進む情報家電において、製品の進化を支えるため高品質・高性能な薄膜デバイスへの期待は極めて大きい。本提案では薄膜デバイスを作製する真空装置内の複数の必要箇所に設置できる、圧力・温度を計測用真空マイクロセンサと成膜プロセス観察用撮像装置を開発し、得られる数々の情報を監視・制御するネットワークシステムへと展開させることにより、薄膜デバイス作製装置の総合的な管理による高品質ものづくりを目指す
開発した技術のポイント
薄膜デバイス作製装置を総合管理する計測ネットワーク監視・制御システムを開発
・圧力・温度計測用熱伝導型真空マイクロセンサの開発→サイズ:4mm×4.5mm×1mm、消費電力:100mW以下
・真空環境下で作動する撮像装置の開発→動作圧力:10-4Pa以下
・インテリジェント計測制御システムの開発→測定点:8点以上
(新技術)
・今までは困難であった真空装置内にセンサを取り付け、圧力分布の実測をが可能にした
・直接計測や内部撮影により、正確な製造パラメータの設定が可能となった
・真空加工装置内複数個所の圧力直接計測による計測データ蓄積とアルゴリズム構築を行い、不具合情報を早期に検出可能となった
具体的な成果
・圧力・温度計測用熱伝導型真空マイクロセンサを開発
-高精度の温度補正が可能な圧力・温度計測用熱伝導型真空マイクロセンサを設計
-出力電圧の圧力依存性を評価し、10-1Pa以下および104Pa以上でも高精度の圧力検出が可能
-新MHVスパッタ装置内に撮像素子を導入、チャンバ内圧力10-4Pa以下において安定に動作することを確認
・新MHVスパッタ装置内に導入した撮像装置により、レンズ上に薄膜が付着まで(3min程度)基板に薄膜が積層される様子を確認
・センサ8点以上を設置した計測制御システムを開発
-最大16chによる圧力計測回路を作製
-10-2Pa~105Paの圧力領域において、標準真空計との表示の誤差が10%以内となることを確認
-真空マイクロセンサ評価装置内にセンサを8点以上設置し、多点同時計測による装置内の圧力分布測定を実施
知財出願や広報活動等の状況
「圧力センサおよび該センサを用いた真空加工装置」(特願2014-540653)
研究開発成果の利用シーン
開発したマイクロハクマク圧力計測システムは、従来の熱伝導真空計に用いるセンサよりも計測範囲は広いまま小型化されており、従来の方法では計測が困難な狭小空間やモノづくりの「空間」に直接センサを設置して「その場の真空圧力の値」を見える化できる。その結果をもとに実測と蓄積データを比較・判断することで最適な真空環境を整え、真空応用加工製品の品質・生産性の向上に寄与する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に事業化に成功
・マイクロハクマクセンサのサンプルあり
・マイクロハクマク真空計の試作機あり
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・小型化:従来センサを取り付けることができなかった真空装置内の計測が可能
・ロス削減等:直接計測や内部撮像により、正確な製造パラメータの設定が可能
・管理能力向上:真空加工装置内や配管・排気ポンプ・バルブ近傍等の複数個所の圧力を直接計測し、不具合情報を早期に検出
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究および、新たな販路開拓を継続実施
・マイクロセンサの性能の向上、耐環境性の向上、顧客評価に基づく製品改善のための研究・開発、および、量産化に向けた生産工程の構築に関する研究を継続実施
・事業化については、真空応用加工装置メーカおよび加工企業の既設設備、新設設備を主な対象に、新たな販路を開拓し事業の拡大を狙う
・また、取得特許を活用し、ライセンス事業を展開(引合い対応中)
実用化・事業化にあたっての課題
既存の真空システムでは十分ではない案件がターゲットとなる。そのため、個々の案件がそれぞれ異なり、共通の解決案としてシステムを構築することは難しい。お客様の要望に即した柔軟性のある対策案でなければ受け入れられることは難しいと考える。
事業化に向けた提携や連携の希望
弊社は真空分野のみに特化しているため、他分野への応用や連携についての知識が乏しいと考えている。本小型センサは原理的に他分野への応用が可能と考えているが、連携先などが不足している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社岡野製作所 |
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事業管理機関 | 一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社岡野製作所(法人番号:8120001076318) |
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事業内容 | 真空・圧力・環境分野での測定器の製造。種々計測器を組み合わせたシステム商品の開発及び製造。 |
社員数 | 19 名 |
生産拠点 | 大阪市内1拠点、大阪府下(寝屋川市)1拠点 |
本社所在地 | 〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町1-4-10 |
ホームページ | http://www.okanoworks.com |
連絡先窓口 | マイクロセンサ事業部 岡野夕紀子 |
メールアドレス | y_okano@okanoworks.com |
電話番号 | 06-6586-9940 |
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