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表面処理

耐食性、導電性、密着性、を兼備した溶融塩電気化学プロセスによる緻密質炭素めっき

京都府

アイ’エムセップ株式会社

2020年4月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 革新的炭素めっき技術
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、電池、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮
キーワード 炭素、耐食、導電、放熱
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成21年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

燃料電池や自動車、ロボットなどの幅広い分野で、材料表面に高い耐食性と電気伝導性を兼備させる表面処理技術が強く求められている。この技術の候補として「炭素コーティング」が有力であるが、現行技術では高い耐食性を保持しつつ密着性や緻密性の物性面で実用に耐える炭素膜は得られていない。そこで本研究では、溶融塩中での電解により処理対象表面に緻密で密着性の高い炭素膜を形成させる「革新的炭素めっき技術」を開発する

開発した技術のポイント

溶融塩電気化学プロセス(MSEP)による緻密質炭素めっき膜の開発研究開発の目標
・密着性の向上→従来法の炭素膜と同等以上
・耐食性、電気伝導性の向上および接触抵抗の低減→耐食性:ステンレスの酸化皮膜以上、接触抵抗:ステンレスの酸化皮膜の1/10
(新技術)
<炭素めっき>
・高い耐食性
・低い接触抵抗
・優れた密着性
・複雑形状の基材へもめっきが可能

具体的な成果

・緻密質炭素めっき膜の密着性向上
-基材の前処理方法の確立。スクラッチ試験ではDLC炭素膜(膜厚:1程度、基板:ハイス鋼、中間層なし)と比較して高い密着性があることを確認
-優れた密着性を得るための電解条件の最適化を行う
-優れた密着性を得るための基材の前処理方法を確立した
・緻密質炭素めっき膜の耐食性を向上
-前処理として酸洗浄を施し、LiCl-KCl-CaCl2(530℃)中で電解して作製した炭素めっき膜が、耐食性においては最も優れていることを確認
-ステンレス表面上で形成される酸化皮膜の耐食性を上回っていることを確認
・緻密質炭素めっき膜の導電性向上(接触抵抗の低減)
-炭素めっき膜の接触抵抗は、通常のステンレスと比較して1/10程度
-腐食試験後も接触抵抗の値に大きな変化はない
-腐食環境でも高い導電性(低い接触抵抗)を保つことを確認

知財出願や広報活動等の状況

・特許第5112010(US特許 US8,951,401)「炭素膜の製造方法」
・特許第5112011(US特許 US8,545,688)「窒化炭素の製造方法」
・展示会は毎年2~3回出展
・新聞:京都新聞(H23.1.31)、日刊工業新聞(H23.6.10)
・受賞:京都市ベンチャー企業目利き委員会aランク認定(H23.3)

研究開発成果の利用シーン

SUSなどの汎用的な基材に、炭素めっき膜を施すことで、基材に耐食性と導電性を与え燃料電池セパレータなどで利用可能になる。さらに複雑な形状の基材にも炭素膜を形成できる

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H24年度の実用化に向け、補完研究を継続中
・サンプルあり(有償)。金属基板(標準サイズ4Cm角)に炭素めっきを実施

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・耐食性向上:ステンレス表面上で形成される酸化皮膜の耐食性を上回る
・導電性:耐食試験後も10mΩcm2以下
・密着性:完全剥離荷重30N以上

今後の実用化・事業化の見通し

大手自動車部品メーカとの共同開発により実用化を目指す
・現在、大手自動車部品メーカとの共同開発を進めており、1~2年以内に実用化を達成するために、量産プロセス及び設備開発のスピードアップを図る
・炭素めっき膜の歩留まり向上、生産性向上のために電解槽の構造設計や電解条件の最適化を進める
・一方、Li-イオン電池の集電材への本炭素めっきの応用に関して、特性評価や市場調査を進めていく

実用化・事業化にあたっての課題

めっき設備の開発・製作に費用がかかる。設備技術的にも課題が残る

事業化に向けた提携や連携の希望

炭素めっきを実施してくれる企業を募集しています。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 アイ’エムセップ株式会社 研究開発部
事業管理機関 アイ’エムセップ株式会社 研究開発部
研究等実施機関 学校法人同志社 同志社大学
D-EGG(独立行政法人中小企業基盤整備機構同志社大学インキュベーション施設)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 アイ’エムセップ株式会社(法人番号:1130001026749)
事業内容 製造業 1.環境・エネルギー・資源、ナノテクノロジーに関わる電気化学リアクター・電子デバイスの研究開発2.溶融塩電気化学プロセスによる新材料・新素材の研究開発3.溶融塩電気化学プロセスに関わる装置・システム・材料の研究開発4.溶融塩電気化学プロセスに関わる技術指導・技術アドバイザー業務
社員数 9 名
生産拠点 京都府 京田辺市興戸地蔵谷1番地D-egg
本社所在地 〒610-0332 京都府京田辺市興戸地蔵谷1番地 D-egg310
ホームページ http://www.imsep.co.jp/
連絡先窓口 企画・知財 国広卓生
メールアドレス kunihiro@imsep.co.jp
電話番号 0774-63-2051